あの美山が攻! と聞いてはいたのですが、お話の流れがどうにも好きです。美山の抱えてきたものとか、与えられた傷とか。それでもどうにも揺さぶられる心とか。一度失敗した恋にもう一度やり直すのではなく、新しく改めて恋をするような仁科もいいなぁ。
サガン。さん
ラストは、「美山くんを幸せにして下さい」と願い続けてました! 描き下ろし、最高でした!
しーちゃんすさん
★なんでしょうこのもどかしさは…!
結構厚めなコミックスですね~。
高校時代の同級生・美山と仁科の再会ラブものなのですが、仁科の眼鏡を取った顔がどストライクでした。なんてお綺麗な…。
仁科は基本ノンケで、大手企業で働いているものの、仕事に特に熱意があるわけでも、夢中になれる趣味があるわけでもなく、結婚も失敗し、なんとなくで生きてきた。
美山はおいしいコーヒーのカフェのオーナー(夢を叶えた)で、ゲイで、選ぶ相手は自分のことを好きにならない、割り切った関係のみで“本気の恋愛”をしない。
そんな2人は高校時代に出会い、仁科の祖父の珈琲店をきっかけに仲良くなります。
周りから怪しまれるほど一緒にいて、体の関係もちょっぴり持っていて、美山は仁科に一途に恋していました。
派手で明るくて人気者の美山が自分に夢中になっていくのに優越感を感じていた仁科でしたが、この関係はいつまで続くんだと、どんどん美山の本気さに「重い、怖い」と感じてしまい、最後に酷い言葉を放ち、美山を傷つけ、その後2人の関係は途絶えてしまいます。
若気の至りというか、仁科がずるい男なんですよ!
しかし、美山も美山で、好き一直線というか、好きだけで突っ走り気味なのです。
そんな若い2人なので、うまくいくはずはなく…。
そして10年後に再会し…。
というお話なのですが、これぞBL! という切なさでございます。
美山は仁科を忘れられずに未練タラタラで、仁科は美山がまだ自分の存在を気にしていることに幸せを感じ、紆余曲折を経ながらも彼らの“初恋の続き”が始まり、きっとこれからまたぶつかりながらも恋していくであろう綺麗な終わり方に、そして「初恋の相手は覚えてるか?」という仁科の問いに「そんなの…お前に決まってんじゃん」と言ってのけた(その後お風呂で1人で赤面してる!)美山に、「うおー! まだ続き読みたいわー!」と悶えました(笑)。
切なさと同時にときめきが味わえる、丁寧ないい作品でした。
相変わらずお美しいショーコ先生の絵に惚れ惚れし、2人のもどかしい恋にうずうずし、「あぁもうこれ以上美山を傷つけないでー!」「いけいけ仁科ー!」とか思いつつも、どうか幸せになってくれ2人とも! と最後に思えた作品でした。
ぶたりんさんのレビュー