かわいです、今回は『甘い水 2』に投票頂いてありがとうございます。
主役の遠藤はかなり個性的なキャラクターで、それに色々振り回されている神宮寺を含めて、書いていて非常に楽しい話でした。
リンクスさんで警察関係の話は少しずつリンクしておりますので、よければ他のシリーズもあわせて楽しんで頂ければと思います。
■担当編集者様からのコメント
平河寮シリーズとして展開しております。
前作である『甘い水』や『天使のささやき』『Zwei』も単独でも楽しめますのでどうぞ宜しくお願い致します。
一巻に引き続き、遠藤と神宮寺の微妙な関係がどのように進展するのか楽しみにしていました…が、やはり最も心に深く突き刺さったのは『甘い水』の正体、そして遠藤の心境の変化です。両親の死、神宮寺の愛情を経て、最後の最後で遠藤の心に沁み渡った感情を思うと涙が止まりませんでした。
七原シードラゴンさん
あの遠藤が最後に涙を流す…。その涙の意味にいつか気付いてほしい。大型ワンコ攻の神宮寺より、オレ様受の遠藤が大好きです。
もふすずめさん
専門職の話が好き。 明るい人の裏側の深い部分が書かれているものは大好きです。警察官へ嫁いだ友人が、特種な世界にビックリしてすぐに離婚したのを思い出しました。
roseーlilyさん
警察もので、本編では、訓練もあるし、凶悪な事件も起こるんだけど、遠藤の破天荒な性格のせいでシリアスになりきれない。でも、遠藤の性格の背景は重く苦しい。このシリーズもっと読みたい。
絵夢さん
★あんまり痛々しくて守ってあげたくなる。
前作がとても良かったのでかなり過度な期待をしていましたが、裏切られることはありませんでした。
精神的・心理的に難しい問題をBLと絡めて上品かつ淡々と(※そっけないという意味ではありません)まとめられている良作だと思います。
前作に比べると格段に甘くなったふたりですが、遠藤の心に潜む闇はずっと深いところまで根が張っており、ふたりの距離がかなり近づいた今作を読み終えてさえも、その根はそう簡単には解けることはないんだなと再確認し、切なくなりました。
遠藤を見ていて一番辛いのは、自分が深い痛手を負っているということを明確に意識しないままに苦しんでいるところでしょうか…。
一見飄々としていて、時に陽気でさえあるものだから、余計に痛々しくて仕方ないと同時に、その痛々しさが可哀想で、愛おしいです。
あっけらかんとした言動はそっくりそのまま自分を護る堅い鎧となって、容易に他人を立ち入らせないんですね。
それでも、今回、似たような傷を負っている篠口のアプローチを断ったことで、彼は変わりつつあるんだなと感じました。同病相憐れむも辛いですしね…。
遠藤の心が明るい方へ行きたがっているのかなとちょっと安心しました。
そんな彼にどうしてあげたらいいのかまだよく掴めないながらも、ただ誠実な心で愛そうとする神宮寺がまたいいんです…。
「包容力」というにはまだそこまでの余裕はないけれど、でもそういう気持ちを遠藤へ注ぎたいと思っている、愛する人に自分がどこまで許されるのか知りたいけれど、彼の内面に土足で立ち入ることは出来ないと思っている、相手への思い遣りがあるからこそ、何というか凄く悩みの大きい立場ですよね…。
そんな中で、自分の行動と態度で精一杯の愛情を表現する神宮寺もまた愛おしいです。
「あんたを護る」と、言葉よりも態度で示す神宮寺に命を救われ、護られる中で、彼への気持ちに確かなものを感じ始めた遠藤が、「甘さの在処」で神宮寺に抱かれながら涙を流す場面が愛おしくて仕方ありませんでした。
月並みな表現ですが、彼の中の永久凍土が少しでも融けたものであればいいなと思います。
とても温かくて、愛が伝わってきて、忘れがたいシーンです。
rhodoriteさんのレビュー