楠田雅紀先生インタビュー

帰さぬよ。そなたがわたしとの約束を思い出すまで――


平安時代をモデルにしたファンタジーBL。貧乏没落貴族の清伊は、舞姫として参内した御所で、四天王家筆頭蒼玉宮家一の君・光雅にさわれてしまいます。「帰さぬよ。そなたがわたしとの約束を思い出すまで」――覚えのない約束を口実に、清伊を幽閉する光雅は心底楽しそうで……。楠田雅紀先生の新刊小説『龍の妻恋い ～うそつき龍の嫁取綺譚～』が1月24日に発売！ 雅で華やかな舞台、身分差、甘め成分、“龍人”たちの特殊設定など、萌え要素が盛りだくさんです。光雅は清伊の何が目的なのか!? 物語の世界観にどっぷりハマって、恋の行方を追いましょう!! それでは、「801 AUTHOURS 108」第1514回、楠田雅紀先生どうぞ！

ひと癖アリのできる男×やんちゃな特殊能力持ち美人!!

Q. 作品紹介をお願いします！
龍もの書きませんかと担当さんにお話をいただいて、和物もいいですよねーと盛り上がったんですね。そこに、わたしが「実はスパダリに挑戦したいんですけど」「オメガバースみたいに男でも妊娠しちゃうとかも興味あって」と言い出して。じゃあプロット出してみてくださいというわけで、この条件を全部満たすにはどうしたらいいだろうとあれこれ考えて出来たのが、この『龍の妻恋い ～うそつき龍の嫁取綺譚～』でした。
平安朝の文化を背景にしてますが、龍人ファンタジーで、人はみな、人間の姿と龍の姿の両方になれるという設定です。

Q. メインカップルはどんな攻×受ですか？
攻の光雅は身分高く、容姿端麗、全方面に「できる男」です。優雅で温厚。スパダリ目指したんですが、わたしが書くとどうも一癖あるキャラになってしまって、涼しい顔でしゃらしゃらと嘘をつけるキャラになってしまいました。ただ、受である清伊に対する愛だけは嘘はないです。ものすごく真剣に、清伊の幸せだけを考えてる。そういう意味ではスパダリかと思います。龍の姿ではとても立派な蒼龍になります。
受の清伊は美人で可愛くて、けれど、やんちゃで元気。男だけれど、ほかの龍の始祖の力を持つ仔を産めるという特殊設定です。そのせいで、いろいろ両親の思惑もあって箱入りに育ってしまいましたが、普通に育っていれば普通に元気な男の子になっていただろうなと思いながら書いてました。龍になると、光雅の三分の一もないぐらいの可愛い紅龍になります。


Q. 当て馬や重要な脇役は？
光雅の屋敷に訳あって滞在している虎人の仔の安里が書いてて楽しかったです。本編のどこにも出てきませんが、実は天虎界の王子で、王位争奪の争いから逃れて天龍界で暮らしているという裏設定があります。

平安がモデルの舞台や人物描写、龍人の設定など読み応え抜群!!

Q. 今作のこだわりポイントはどのあたりでしょう？
平安朝をモデルにした天龍界と、男ながら仔を産めるという紅龍の設定でしょうか。この世界はこういう約束になっていて、こういう理由で仔を産めるんですよ、という、その設定のもとでキャラは動くので、世界観というか、約束事というのは大事だなと改めて思いました。あとは光雅の造形でしょうか。彼の優雅な公家ぶりを表現するのに、雰囲気や動作が読んでくださる方にどう伝わるか、何度も書き直したりしました。

Q. 苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください！
ファンタジーながら平安朝をモデルにしてしまったので、とにかく調べ物が多かったです。あれこれ本も買いました。建物の構造とか具体的なことがわからなくて、京都に御所を観に行こうかと真剣に悩みました。着物の色目や光雅が清伊に贈る歌なども嘘っぽくならないように何度も本を開きました。

Q. 今作にまつわる裏話ってありますか？
実は初稿では、話の継ぎ目継ぎ目に攻目線が入ってました。改稿時に担当さんから「減らしましょう」と言われ、ならいっそ、すべて受目線のほうがいいなあと思ってリライトしました。でも、光雅のキャラを掴むのに、彼目線で書けたのはよかったなあと思ってます。

Q. 執筆中の、思い出に残る日常エピソードをご披露願います！
日常ではないですけど、『あさきゆめみし』全巻読み直しました。

Q. 今、何かハマっていることは？
ハマっていること……わりと普段、熱量低めで生きているので……なんだろう？ あ、足ツボは詳しいですよ！ あと人のコリとか取るのが好きです。気功を使って、ぼわわわーって。

要堪能!! 容姿端麗、文武両道、家柄良し貴公子攻め♥

Q. 発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう？
この作品はとてもとてもありがたい経緯で文庫になります。シャレード文庫さん公式ＨＰでの三ヶ月の連載という、もったいないような経験をさせていただいての文庫化なので。ああ、こんなラッキーなことがあるのか、ありがたいなと感謝ばかりです。
あとはひとりでも多くの方に手に取っていただきたいです。

Q. ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
はじめまして。こんにちは。楠田雅紀です。龍人たちの華やかで雅な恋愛譚、お楽しみいただければと思います。楠田的には甘め成分多めで、エロ度もがんばったかなと(笑)
どうぞ読んでやってくださいませ。
感想など寄せていただけると泣いて喜びます。よろしくお願いします。

担当編集より
シャレードWEB連載作品がけっこうな改稿の上、年下の妻を迎えた光雅さまの念願の初夜＆新婚生活、そして唯野先生の素敵イラストを装備して、ついに発売です！
容姿端麗、文武両道、家柄・将来性共によし。非の打ちどころのなかった貴公子・光雅さまの真の姿をご覧いただきたい！ 清伊をこんなに愛していたんです。そこだけは、そこだけはわかっていただきたく…！(許せ、清伊！)
WEB連載時にお読みくださった方にも、しっかりにんまりご満足いただけると思います。
どうぞよろしくお願いいたしますっ!!!

小説『龍の妻恋い ～うそつき龍の嫁取綺譚～』

特典情報
中央書店コミコミスタジオ限定：書き下ろしSS「仔虎の夜更かし～新婚生活余話～」
ホーリンラブブックス・まんが王限定：書き下ろしSS「龍の連れ舞い～新婚旅行余話～」・著者コメント入りブロマイド


(C)楠田雅紀・唯野／二見書房