箱石タミィ先生インタビュー

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箱石タミィ先生インタビュー触らせてもらえませんか…!!グイグイ系年下美容師×穏やかな年上英語講師コミックス『ハートなんていらない』

2021/05/09 17:00

性格は真逆なのに惹かれ合う…♥「日常」で紡がれる最初で最後の恋

BL作家インタビュー「801 AUTHORS 108」第2713回
箱石タミィ／リイド社／SPコミックス mimosa
コミックス『ハートなんていらない』5月10日発売
サイン本プレゼントあり！詳しくはインタビュー後に！

STORY
平穏で平和な毎日を過ごしている英語講師・朝比奈。ある日カフェでランチをしていると、英語が話せないながらも通りすがりの外国人のトラブルを解決しようとしていた青年・滝居と出会う。解決後、滝居はいきなり「触らせてもらえませんか! 」と言ってきた。ノリも性格も違う、年の離れた"友達"に戸惑いながらも、彼との交流は楽しくて…

――作品紹介をお願いします
目立たずひっそり平穏に生きようとしてきた30代英語講師の朝比奈の日常が、明るく前向きな年下の美容師・滝居との出会いで色づいていくお話です。若者攻め眼鏡おじさん受け、というところから作っていったのですが、コントラストが強めなふたりになりました。

――主人公たちはどんな攻×受ですか？
攻めの滝居は陽のオーラ全開で容姿も華やかな26歳美容師です。魅力があり人付き合いも得意でたのしく人生を生きています。受けの朝比奈は大人しく地味な38歳英語講師です。他人と深く関わるのが苦手で当たり障りなく淡々と日々を生きています。ひとまわり年齢差があり対照的な部分の多いふたりです。

――当て馬や重要な脇役は？
互いの職場の同僚さんたちが彼らの日々を表してくれていて気に入っています。女性や子どもを描くのも好きなので単発でいろんなタイプの人物を登場させられたのもたのしかったです。

――今作のこだわりはどのあたりでしょう？
ふたりの「日常」の空気感を大事にして描きました。真逆のようで波長が合うような、なんとなく心地いい自然な感じが出ていればいいなと思います。
キャラクターについては、朝比奈は落ち着いた大人で全体に地味なタイプなので、分かりやすく目を引く魅力というよりも彼らしい穏やかな人間としてのよさが伝わるよう描写に気を付けました。だんだんかわいくなっていってしまった気はしていますが受けさんはかわいい生き物なので仕方ないということにしています。

――苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください
作画では滝居のビジュアルがたのしかった点でもあり苦労した点でもありました。まつげや装飾品などきらきら華やか要素が多いのでいろいろ注意しながら作画をしました。とにかく顔面力で押し切ってくる男なのでよくアップを描いていた記憶があります。後半朝比奈も巻き返してアップを描かせてくれたのでよかったです。

――今作にまつわる裏話はありますか？
滝居が恥ずかしい台詞や仕草をいい顔で堂々とキメられるタイプの男なので、担当さんによる「これはキザすぎるのでは？」審査が何度かありました。後半になるにつれ「読者さんもそろそろ滝居キザ耐性がついているころだと思うのでこれぐらいまではきっといける」と基準が下がっていき徐々にアクセルを踏み込んでいます。

――執筆中の思い出に残る日常エピソードなどうかがえますでしょうか？
作業通話というものを執筆中やっと覚えたのですが、通話相手の友人に「今日も椅子げんき？」と訊かれてギシギシ音で返すというやりとりが定番化していました。私が作業中座っている椅子が古いのでギシギシ音がすごいのですが、指摘されるまで自分ではまったく気づいていませんでした。そろそろ買い替えたいです。

――今、何かハマっていることは？
シルバニアファミリーの赤ちゃんです。
子どものころシルバニアに触れることなく育ったので満を持して去年ビューしたのですが、見えるところにいてもらうとげんきが出るので戦闘力が上がります。澄んだ目で原稿を見守ってくれています。癒しです。

――発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう？
コミックス発売前はいつも不安のほうが大きいのですが、たくさんの方のご尽力があって形にしていただいたコミックスですので、少しでも多くの方にたのしんでいただければいいなという気持ちです。

――ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
しあわせを感じられる作品になったと思うので、彼らをほっこりと見守っていただけるとうれしいです。どうぞよろしくお願いいたします。

担当編集より
箱石タミィ先生の単行本通算10冊目となる『ハートなんていらない』が5月10日に発売になります！

もう恋なんてしなくても、平穏な毎日を送ることができればそれでいいと思っていた英語講師の朝比奈と、仕事も人間関係もなんでもそつなくこなせるけれど、自分から誰かを求めたことがなかった美容師の滝居の、最初で最後の恋を描いた作品です。

朝比奈は過去の恋愛の痛手から、人と深く関わることを避けているのですが、困っている人を放っておけなかったり、雑談で話したことを覚えていてくれたり、質問されたことにはなんでも答えてくれたりと面倒見の良い性格をしています。滝居は本人も気づいていないような、朝比奈の優しさや魅力に気づきます。
滝居は美容師の仕事も順風満帆、人付き合いも得意で友人も多く、外見も魅力的な青年です。特にアプローチをしなくても人が集まってくるので、自分から人を好きになったことがありませんでした。そんなイケメン滝居がどう朝比奈を口説いていくのかも必見です！

自分さえ知らなかった魅力を拾い上げてもらえたり、当然だと思われていた努力を認めてもらえたり。

この作品は何気ない日常の中で、二人だからこそ芽生えた感情や幸せが丁寧に描かれています。じっくり育まれる大人の恋模様をどうか見届けてください。