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英田節炸裂で、英田サキのファンとして大満足の一冊でした。
『夜』シリーズの一冊目です。
主人公は探偵の秋津(受)。元警視のクールビューティです。過去に大恋愛をしており、恋人を亡くしている。その恋人は元ヤクザ。
相手役はヤクザの久我(攻)。秋津にベタベタに惚れている。自信過剰で気障な俺様男ですが、大事な場面でヘタレたり微妙にカワイイ。
久我が臭いセリフを吐きまくるんです。
いまどきどんなハードボイルド小説にもないような、寒カコイイ発言のオンパレード。
私はこれがツボにきました。ウットリ読むんじゃなくて、その寒さが面白くて悶絶しました。英田サキさんはこういうのを、どこまで計算して書いてるのかなーw
クールビューティな主人公が、セックスになると微妙に誘い受になるところもツボでした。
切なくなる場面も用意されてて、笑ってキュンとして、大好きな一冊になりました。
攻めはヤクザなんで、真珠入りv
「これは女専用だ。男の尻にはもったいねぇや」
なんつってた攻めは結局、受けにヤらせろとせがむw
そしたら受けが真珠取り出せっていうんですよwww
「そんなものに頼らないと
女を悦ばせることもできないようなフニャマラ野郎には
生憎と興味がないもんでね」って!
英田さんの書かれるお話の受けは、色っぽいけど
気が強くてかっこいいんだわぁv
元警視の秋津は
今は、探偵をやっているんです。
バリバリのエリート官僚だった秋津が
どうして警察を辞めたのか・・・
辞めたときから秋津は、夜に色を失ったわけです。
そして、ヤクザの若頭の久我との出会いから
秋津に恋情を営む“夜が蘇る”というお話。
ヤクザの若頭と元警視の探偵というカップリング。
秋津の目の前で誘拐された依頼人の息子の行方をベースに
展開されるハードボイルドな世界の中で硬くなりすぎないように
ウィットに富んだ会話と大人のsexで盛り上げる!
英田さんのBLワールドは、やっぱりこうでなくっちゃねv
と、いう一冊。
すげぇ、おもしろかったです。
シリーズ第一作目なんですがもう読んでいてゾクゾク、ワクワクしっぱなしでした。
三十路なのにエロい秋津〔受〕はなんかもう魔性の男!って感じだし、元警察キャリアだったのにヤクザの情人だったっていう過去もたまりませんなー。
そしてその元恋人の羽生の事をまだ忘れていない秋津がこれまた良いんですよー、久我〔攻〕が未亡人って言うのもなんか分かるなあ、未亡人のエロス!!って感じがそこはかとなく漂ってる気がします。
でもしっかり男!でもあるんですよね。まさに魔性の男だよ、秋津!
そんな秋津に惚れている久我はヤクザなんだけどどこか憎めなくて、特にペニスに真珠を入れていて本人は気に入っていたんだけど、秋津にそれ取れって言われてホントに手術で取ってきちゃうとことかはなんか可愛い。
そう、どこか可愛い気があるんですよね、久我には。
この2人が出会い、そしてこれからどうなっていくのかもうページめくる手が止まりませんー!
面白過ぎますーーー!!しかも文庫でお手軽値段だ!!これも嬉しいー!
今回のお話は
ヤクザ×探偵
ヤクザの久我が一生懸命な感じがなんだか好感が持てます。
好きなことを隠さないし、真っ直ぐに向かっていく感じで。
秋津の言葉を真面目に捉えて手術しちゃうところなんか、秋津じゃないけどやっぱり笑えてしまうくらい。
でも、ただのクサイ台詞を吐くバカなヤクザというわけじゃなくて。
要所要所をちゃんと押さえてて。
秋津の胸に響く言葉をかけることができたり。
包容力もなんだかんだであるようでした。
秋津は過去のことをあって、全てを諦めたようなところがあったのに久我に揺り動かされて。
久我の言葉もあって前を向いていけるようになったようでよかったです。
2人の言葉のやりとりが「喧嘩するほど仲が良い」みたいな感じで、下らないといえば下らないやりとりだったりもするのですが読んでて楽しいです。
まだまだ感情的な部分からいえば、秋津の心の所在は明確ではないですが。
それでも、久我となら試してみてもいいと思えただけでも前進です。
これからの2人がどんな関係を築いていくのか楽しみです。
久我、がんばれ!!
トピ内でおすすめが上がり手に取りました。読んでみたら…
すっごく面白い〜‼︎
英田サキさんの2005年発行の作品で、お得意のヤクザの話です。
舞台は大阪で、主人公は元キャリア警視で今は小さな探偵事務所の所長・秋津。
警視時代、秋津は事もあろうに暴力団の男性と愛人関係にあり、その男性・羽生が撃たれて最期は秋津の自宅で死ぬ、というスキャンダラスな過去を持つ男。
家出少年を探す、という一見普通の依頼から香港マフィアと大阪のヤクザとの抗争事件に巻き込まれていき…
…という展開です。
危険な魅力を持つ男・若頭の久我が『惚れた、責任取れ』なんて猛烈に言い寄ってきますが、秋津は羽生が忘れられない、忘れたい、忘れてはいけない、そんな感情が渦巻いていて。
警察を辞めた後は死人のように生きていて、正に「未亡人」!
そんな秋津の、誰も見ず、触れず、愛さない、日々、夜々……そこでタイトルの「夜が蘇る」の意味が効いてきますね。実に意味深い。
秋津のあの夜々、抱かれ溺れ堕ちて怯え、1人の男を求めて溶け合っていたあの夜が、久我の熱で蘇るのです。
もう誰も失いたくないのに、ヤクザの幹部として命の危険がある久我をまた愛してしまう業。
そんな震えるような秋津の心と、秋津の過去も羽生との夜とその別れの何もかもも知っていて、豪胆でいながら繊細に秋津を包もうとする久我の姿が描かれて、途中で読む事を止められません。
香港マフィアの内実や、ヤクザの荒っぽさなども読み応えがあります。
もちろん、強引ながら情にあふれた抱き方をする久我と、その瞬間は甘く切なく乱れながら硬質な自我を保つ秋津の愛も。
『俺の夜をお前にやる』……悲しみに沈む日々を過ごして、なお毅然とした秋津の久我への愛の告白です。