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商社勤務の村上は、有名紅茶メーカーの役員で6年前に体の関係があったアランと再会する。当時、遊びのつもりだった村上は妖艶で淫らなアランにいつの間にか本気になってしまっていた。だが、本気になったのは村上だけで、結局仕事の契約は壊され、2人も破局を迎えてしまう。しかし、再び現れたアランは相変わらず美しく、しかも村上が手掛けようとしている中国茶の交渉を助けるというのだが――。
アランのツンデレ振りが秀逸です。
ヘテロの村上を架空の女・ジャスミン(女装したアラン)で誘惑し、自分からベッドに誘い、自ら村上を身のうちに受け入れてしまうのです。もちろん、あとからアランだと村上は気づくのですが、その時はもうハマりかけてます。
このときのアラン・ジャスミンのチャイナ服姿が絶品ですよ。
後発本の「フードの情熱」にもこのお二人さんがちょっとだけ顔を出してます。
この話は、村上から見た寄りになっていますが、同人誌で2人が改めてカップルになった後のアラン寄りの話がありますので、興味のある方は読んでみてください。
お茶シリーズの2冊目で、「紅茶は媚薬」のスピンオフらしいのですが、未読でも問題ありません。ストーリーに絡んでは来るので、なんとなく「このカップルが前作なのね」と分かりますが、それだけです。
村上の目線でストーリーは進んでいきます。
物語はアランとの再会から始まり、6年前のロンドンでの二人の関係が回想され、また現代に戻ります。
読み始めたときは、アランが村上を振り回すツンデレかと思ったのですが、女装し、手錠をかけてまで村上を求める姿勢が予想外で可愛かったです。アランは複雑な性格なので、村上を振り回しはするのですけれどね。
村上が、アランは父親代わりに自分求めているのではないか、アランが父親を篭絡したんじゃないかと冷静に分析しているのが、仕事のできる男っぽくて見直しました。そこまでは短気な印象が強かったので。アランに決断を迫られた際の返しとしてチャイナドレスを用意するのも面白かったです。
仕事のできる男達、一筋縄ではいかない受け、傲慢な攻めがお好きな方にお勧めします。女装ネタが登場しますので、苦手な方はご注意ください。