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後半の「土中の繭」が恐ろし過ぎて、ビビリーな私には無理でした。
作者をして、「サイコパスの気持ちなんてわからない。」と言うほどに。救いも無く、ひたすらにメリバ。メリーあるのか? な結末。
◆「土中の繭」
学内で男と付き合っている、もしくは売りをやっていると噂される宇津井に何かと絡んでは喧嘩をする葛西。コミュニティが狭い田舎の高校で、鬱屈している生徒たち。東京から赴任して来たばかりの沢先生は何とか彼らの力になりたいと願うのだったが…。
生徒たちにとって、両親以外に一番近くに存在する大人。しかし彼らもまた完全な大人では無く、心の内にひ弱で不完全な燻りを秘めている。
学校の周辺に出没しているという不審者。血生臭い事件。
物語はミステリー展開の様で、あっ‼︎ と驚かされます。
サイコパスは誰なのか、サイコパスの育ち、幼少期、サイコパスとして形成されていく発端、の様なものもきちんと描かれてはいます。が、やはり。作者も言うように、その気持ちなんて計り知れないもの。
今はただただ恐ろしい、と思うのみ。
◆「催眠術なんて信じない‼︎」
本当は「土中の繭」を表題にしたかったとある通り、すっかり霞んでしまう表題作。
いやー、そうして欲しかった。そうしてくれれば、私はこの作品と出会わなくて済んだかもしれないのに。
後半のおどろおどろしさに吹っ飛ばされてしまうし、意識してこちらをハッピーにしたと言うのに
無理。これくらいじゃ相殺されない。別にして欲しかった、と悔やまれる。
会社の飲み会の余興で催眠術にかけられたから、好きになってしまっただけ? という事実かもしれない事に振り回される大人二人。もちろん結末は予想されるんだけど、乙女になっちゃう課長が可愛いし、ちょっとの事では揺るがない押せ押せのワンコ部下杉本も可愛い。とってもハッピーなだけに、その楽しさを吹っ飛ばされた事にはガッカリもしたよ。
最近積読本が増えすぎて「早く私を読んで〜」という声が聞こえてきそうなので、新刊はあまり買わないようにしていたんです。正直チェックも怠っていました。
でも、気になるレビューが上がってくると好奇心に負けてしまう。
「恐ろし過ぎて」…なんて文句を見ると、ヤバイもん好きとしては、怖いもの見たさでつい買ってしまうんだな、これが。
作者様の名前を見て納得です。
イイモ先生ならばきっと、恐ろしいものを恐ろしいまま描き切ってくださっていることでしょう。
まず表題作。
◆催眠術なんて信じない‼︎
イケメンで仕事の出来るイケてる部下×人間関係にちょっぴり不器用な上司。
これは好きなカップリング!!!
部下から上司への強いプッシュと執着がある、というのも大変な高ポイントです♡
同僚に催眠術をかけられて?気付けばホテルで部下の杉本に抱かれていた早乙女。
イケてる杉本に懐かれ、求愛され、すっかり絆されてしまうも、これは催眠術のせいなのか!?と悩む早乙女課長。もう、可愛すぎます!
出来る年下攻めに迫られて、嬉しいけど戸惑ったり、自信がなくて悩んだりする年上受けってだーい好き!
萌えます。とても萌えました!
表紙のキーッと怖い顔をしている人物が早乙女課長なんですが、実際はとても可愛い人なんですよ♡
◆土中の繭・顔(描き下ろし)
田舎の学校を舞台にした物語。
家庭環境に問題がある生徒の葛西と、男が好きだという噂の美術部員・宇津井。
何かとぶつかり合っては揉め事を起こす葛西と宇津井の2人を仲裁する、優しく穏やかな教師の沢。
その3人を中心に展開する、サイコホラーのような、陰鬱としたおどろおどろしい作品です。
本物の病み。心理描写が巧みで恐ろしい。
ストーリー上詳しいネタバレは避けます。
真相は予想したものに近かったのですが、そこに至るまでの展開はかなり想定外で、ショッキングでした。
虐待が生み出した心の闇。
普段病み系はフィクションとして現実とはあまりリンクさせずに読むのですが、これはどこか現実にありそうだ…という思いが否定出来ない怖さがあって。
最近の社会問題なども脳裏に浮かび、親や教師、身近な大人たちが子供に対して果たさねばならない責任というものを、改めて強く感じた作品でした。
私は萌えも怖さも両方楽しめましたが(楽しむと言ったら語弊があるんですが)、たしかにこれは一冊にまとめるには、テイストが違いすぎますね。
高評価も低評価も紙一重、そんな作品だと思います。
こんにちは☆
コメントありがとうございます。
私も先程、ゆーちん24さまのレビューが挙がっているな、と思ってて。その評価の高さに「え⁈ マジで⁈∑(゚Д゚)」と、驚いていたところなんです。レビュー読ませて頂き、納得です。そうなんです、リアルな怖さ、が迫ってくるんですよね。そして作者の「サイコパスの気持ちなんてわからない」という…。そこは何らかの想定を結論付けて欲しかった。だって怖すぎる‼︎ (T ^ T)
ええ、私がビビリー過ぎるとは思うんですけど。(>人<;)
ゆーちん24さまはヤバいもの大丈夫なのですね。
だって、だって、あの宇津井を犯していた不審者とか想定出来てましたか? 私は衝撃過ぎてビビリましたよー。描き下ろしの「顔」とか、怖過ぎる‼︎ 怖過ぎるよ‼︎ なーんて、確かにいっぱい話したくなる作品ではありますね。
レビューも読んで頂きありがとうございました。
私も表題作は可愛いくって好きです♡
イイモさんの新作だーとは思っていたものの、購入まで考えてはいなかったんですが、後半の作品が怖い・あんまりだ・読まなきゃよかった、という内容のレビューを読んで「え?そんな怖いの?」と逆に興味を持ち、買ってしまいました。
表題作はリーマンものでアラサー?の爽やか後輩×アラフォー?の課長の恋。課長に対して後輩がグイグイいく展開だけどいつのまにか課長もほだされて…というコメディー。課長のオロオロぶりが可愛いお話でしたが、今アラフォー受けって結構多いし割とサラッと描きあげてる印象でした。
対して後半のサイコパスもの。作者がこちらを表題作にする予定だったという通り、こちらの作品の方が力も思い入れも入ってる気がします。後味はとても悪いですが、BLにもこういう闇&病みありの不気味系サイコ・サスペンスジャンルが数は多くないけど確かにありますからね。萌えとはちょっと違うけど怖いもの見たさでたまに読みたくなります。内容の詳細な説明はあえて省きますが、ショタ物・犯罪物とだけ。
ただやはり現代日本でこの内容は確かに表題作として大っぴらには出せないかなと思います。舞台設定をファンタジー系とか時代物にしたらいけるかもしれないけど。
イイモさんの他の作品にあるような可愛い男の子が複数の大人達から無理矢理…みたいな、そういう方向のエロは今回の本には入ってないです。
表題作は、ちょっと目つきの悪い課長が催眠術かけられた!?と焦り
結局イケメン部下の杉本と恋愛してしまうラブコメのようなお話なので
楽しく読ませていただきましたが
それでもそんな簡単に恋におちていいんですか課長…とは思いましたww
好きでしたと告白され必死なところを見てしまうと情がうつっちゃうのかなぁ。
杉本が素直で明るくいながらも、期待され続ける圧というのも大変ですよね。
そんな杉本に上司としての器をさりげなく見せた課長も素敵でしたが
喜怒哀楽を隠さない課長がもっと素敵でした。
それなりの年齢だろうに、可愛らしく思えたのです。
二人のキューピッドとなった経理部の志摩さん、
人がいいのですがリアルおっさんな見た目で理解のある御方で良かったww
そして同時収録の『土中の繭』、なんともいえない救いのなさ……。
仄暗いお話は嫌いじゃないですしショタもだいぶ前に克服しているのですが
残念なことに愛を感じられなかったです。
先生が求めた愛と全く逆の行動じゃないのかな…。
あとがきを読ませてもらっても理解出来ないことの方が多かったです。
先生が普通の幼少時代を過ごしていたなら違っていたのでしょうけど
それだとこういうお話にならないのでたらればは意味がないですね;;
賛否が分かれるお話だと思いますが
表題作と両極端の作品を描けるってシンプルに凄いですし
「そうくるか!?」という展開がお上手。
でもやっぱり表題作の方が好きだな。
萌と中立で迷いましたが課長が可愛かったのでおまけの萌です。
表題作に惹かれて購入し、コミカルエロを満喫した後で、まさかの衝撃的なダーク。
正反対な毛色の作品というだけでなく、「土中…」は読み手を選ぶ内容なので
初めに読んだ時は完全に油断していて、ドロドロ具合にかなりビックリしてしまった…。
あとがきで作家さんが仰ってましたが、出版社事情で表題作にはできなかったと…
作品を読むと解りますが、教師生徒もので年齢がハッキリしない描写になっています。
ただ、内容的に中学生?…麗人掲載されたこと自体がスゴイです。
電子描き下ろしは、この同時収録を逆手にとっていて、やるなぁ~と思わせる出来の内容。
コミックス出演者控室が受け攻め別になっており、
受け控室にオヤジ課長が入ると生徒2人がいる…この3人のやりとりも笑えましたが、
隣室攻め部屋から乱入してくるイケメン部下が最高でした。
その後ろから何だか爽やかな教師の一言に、男子二人が怒りのツッコミ…上手い!
この一冊はイイモ先生の構成の上手さが冴え渡っていました。
「催眠術なんて信じない!!」
ポジティブで優秀なイケメン部下に、枯れたオヤジ課長の組み合わせ。
目覚めれば部下の森下に挿れられている早乙女課長…なかった事にして終わるんですが、
忘年会の余興で課長が催眠術をかけられていたことが判明。
かけた本人とはなかなか連絡がつかず詳細不明な状態のなか、杉本からのアプローチに揺れる課長。
全て催眠術のせいにしていましたが…実際は違った。
このやりとりと展開がいい!課長の面倒臭さがどんどん可愛く見えてくる枯れたオヤジ受けでした。
そして、このままラブラブ終了にならないのが、イイモ先生の技あり。
実はあの忘年会で杉本も催眠術をかけられていた!
そのせいで自分のことを好きだと思い込んでいるのか…と、凹む課長。
この展開で、更に杉本の本気が心に刺さる反転は見応えありです。
そして、術師の同僚がいいキャラで、陰で大活躍するフォローもよかった。
「土中の繭」
作品としてテーマの掘り下げや構成は、内容的にこちらの方が質が高いと感じました。
田舎の学校を舞台にした、新任教師の沢と、担当クラスの生徒である宇津井と葛西の三角関係。
生徒に親身な熱血先生の沢。
ゲイの噂で他生徒から敬遠され、葛西に目の敵にされていながら萎縮することもなく、
どこか挑発的で飄々としている…才能あふれる美術部員の宇津井。
キレやすく暴力的で、宇津井の存在を敵視して過剰に反応する問題児的存在で、
両親の離婚で居場所のない寂しさを抱える葛西。
二人の関係をなんとか治めようと親身に寄り添う沢を巡り、更に二人が折衝する状態のなか、
学校では定期的に不審者が出没し、飼育小屋の小動物が惨殺される。
3人の中では周囲から問題児とされている葛西が、実は一番普通の存在として描かれ、
描き下ろしの「顔」で、虐待の産物であるサイコパスの深層にふれています。
個人的には宇津井視点の内容、宇津井という存在が一番恐ろしいと感じました…深い。
※Renta:修正は白抜き。
ゆーちん24
こんにちは(^^)
chikakumaco様のレビューを拝見し、その怖さが気になって気になって…。
早速読ませていただきました!
怖いものが好きなため評価は異なりますが、作品に対して感じたことは同じです。
レビューをあげてくださってありがとうございます!
勝手ながら、レビュー文引用させていただきましたm(_ _)m