【電子限定おまけ付き】【イラスト付き】
初読みの作家さまですが、小山田さんの美麗表紙につられ購入。
んー。
端的に言って、
すんごい面白かった!
ホラー要素ありファンタジー要素あり、ツンデレ受けさんに、一途なワンコ攻めあり。
ハマる人にはがっつりハマる。
そんな一冊です。
舞台はどこなのかな。
「イギリス」と書かれている腐姐さまもいらっしゃいますが、私は何となくイタリアをイメージしながら読み進めました。
つまり、人それぞれ、お好きなイメージで読んでいいってことかなー、なんて思いつつ。
母親の田舎で夏を過ごす少年。
何もない、退屈なその地で、彼は衝撃的な事件と遭遇する。
緑色の目を持つ子どもたちが相次いで襲われ、目玉を喰われたという。
そして、同じく緑の瞳を持ち、襲われながらも助かった少年がいた。生き残りであるその少年に強く心を奪われるが―。
という、なんとも凄惨な描写から物語はスタート。
時は経ち、その少年は刑事となっていた。
汚職、買収といった不正蔓延る警察において、その彼・レイモンド(愛称はレイ)は不正を見逃すことができない。それゆえに煙たがられ左遷されてしまう。
左遷された課は0課。
よく分からない課に配属されたレイだっただが、そこで派遣された場所で、かつてレイの心を強く揺さぶった少年・オリヴァーと再会する。オリヴァーは現在王立幻象調査部に所属しているという。
何を捜査するのかわからないまま、派遣先でレイが見たものは、人を喰らう化け物・ジェンティとジェンティの被害者で―。
というお話。
序盤、レイとともに、話が全く分からず頭の中に?マークが飛び交います。が、とにかく鏡さんのストーリーの構成がお上手。レイとともに驚き、そしてジェンティについて少しずつ理解を深めていく。このストーリー展開が非常にお上手で、読んでいて一気にストーリーに引き込まれていきます。
オリヴァーが所属する「王立幻象調査部」はジェンティを撲滅すべく奮闘する部署。
そしてオリヴァーは中でも優秀なハンターであること。
レイはオリヴァーとコンビを組み、ジェンティを滅すべく奮闘する。
レイは大雑把で楽観的な性格ではありますが、正義感にあふれるナイスガイ。そして子ども時代に出会った少年(この少年がオリヴァーなわけですが)を、ずっと心配し続けてきた。その少年と再会し、ともにジェンティを追う中で、少しずつオリヴァーへの恋心を自覚していく。
一方のオリヴァーも、すんごいかっこいいです。
子どもの時にジェンティに襲われたこと。
家族も友人も、大切な人をジェンティに殺されてしまったこと。
ジェンティを滅すべく、気を抜くことなく奮闘していること。
彼は感情をあらわにすることはほぼなし。
人となれ合うことを良しとせず、常に孤高の戦士であり続けています。
その理由がなんとも泣ける。
誰よりも優しく、そして孤独を知るからこその強さを持っている。
そんなオリヴァーに少しずつ惹かれていくレイの気持ちに激しく共感してしまいました。
そしてこのストーリーにおいて、重要な位置を占めるキーパーソンが三人登場します。
レイの同僚のエドワード。
レイとエドの上司で0課課長のブラウン。
そしてオリヴァーの同僚のリード。
伏線があちらこちらに撒かれていて、ジェンティの正体は早々にわかっちゃいます。
わかっちゃいますが、「ジェンティ」という謎のモンスターの謎解きも兼ねたストーリー展開なので、最後の最後までハラハラドキドキする、手に汗握るストーリーでした。
一応この巻で完結していますが、続編を作ろうと思えばいくらでも作れるんじゃないかな。
そんな風に思わせる最後でしたし、何より壮大な世界観を持つ作品で、すごく面白かった。
で、特筆すべきは小山田さんの挿絵。
もー、めっちゃ綺麗です。
イメージにぴったりで、萌え度は確実に上がりました。
ラスボスさえカッコよく、悶絶すること必至です。
正義感あふれるワンコ系な攻めさん。
過去にトラウマを持つツンデレ受けさん。
ホラー大好き。
ミステリーも大好き。
そんなワードにビビッときた方に超絶にお勧めしたい、面白い作品でした。
ゴシックBLにふさわしく、舞台は17世紀のイギリスを彷彿とさせる架空の都市ラヴィリオ。
石畳、馬車、猟奇的な事件とくれば、ヴァンパイアかと思いきや「ジェンティ」という謎の怪物を熱血刑事攻めとツン受けハンターが討伐する物語です。
ファンタジー系BLですが、苦手な方でもすんなり入っていける内容です。わりと事件としては現代にも通じるところがあり、(薬物で意識を奪い、命や貞操を奪う、体の一部を集める)
突然の魔法!とか、呪文!とかが無く真面目な刑事ものとして読んでいけます。
最初は全くBLの気配のないバディ。しかし当て馬が現れ・・・。というBLとしてのキモはしっかり押さえてあり、エロも濃厚でさすがの一言。(私としてはもっと濃厚なエロでも良かった。)化け物討伐の0課のメンバーも魅力的で、これからの活躍を期待してしまいます。
作中にでてくる食べ物がまた美味しそうで飯テロBLです。
オリヴァーの食欲もなかなか可愛く、こんなにモリモリ食べたらそりゃレイモンドも夜がんばらなくっちゃ・・・!!って感じ。
イラストも作品の世界観そのもの。小山田先生はこの手の衣装を描かせると天下一品だなぁと痛感いたしました。
美麗で素敵です!!
最後のラフ画も嬉しいオマケでした。
王立幻象調査部からの0課、まだまだ謎が多いジェンティ。はっきりと書かれていないのはこれからがあるのかな・・・?と思わせる物語です。
ゴシックラブファンタジーとても面白く、物語に入りやすかったです。
段々と、距離が縮んでゆく2人が見ていて可愛いのなんの。
特にお気に入りは107ページあたりからの2人の掛け合いです。
オリヴァーが初めからお気に入りでしたが、作中に何度か食事シーンが出てき、美味しいもの美味しくないものへの反応などがいちいち可愛く、たまらなかったです。
レイモンドもカッコいい中に、ちょっと迂闊なところもあり、そこがまた応援したくなる。でもしっかりコンビとしてオリヴァーを支えハンターではないのに知恵を出し熱血刑事らしく挑む姿に惹かれていきました。
BLでの攻受、というくくりではなく2人とも魅力がありコンビものとして本当面白かったのでおすすめです。
胃袋も刺激される作品です、読書のお供にマフィンとコーヒを頂きたくなりました。
今後の2人をもっと見たいのでシリーズ続編出る事に期待してます。
バディもの。
ジェンティって言う化け物退治の話。
コナン・ドイルかと思う冒頭。
レイモンド(警官・攻め)が馬車で愚痴るシーンから始まる。あれ、この馬車、ベーカー街行く?と思ってると、怪しげな館へ。
道中、化け物の話が出てきて、あ、そっちか。と。スリーピーホロウの方ね、と思ってると、別の捜査機関のオリヴァー(受け)登場。
2人で化け物①を倒す。
ここで、スリーピーホロウじゃなくて、スーパーナチュラルだった!に、私が気づく。
俄然、テンション上がりますよね。
受け・オリヴァーがツンデレ美人。ツン具合が良いの。
化け物との因縁とか、レイモンドとオリヴァーの過去とか。そこは読んでほしいところ。
ホラーなミステリーだけど、BLだし、あくまで主軸は恋愛だと思う。
だから、途中で他の仲間の正体とか、色々うっすら予測できちゃうけど、無問題。
謎解きしたいなら、最初から綾辻行人とか知念実希人とか読むから、いいの。
で。何が良いって、エロシーンがすごく良い。
描写が丁寧なんです。プレイはごく普通、特殊プレイは無い。けど、良いんですよ。
挿絵の美しさも相まって、オリヴァーの熱や息づかいすら感じる。
私は、どちらかと言えば攻めに重きを置くタイプですが、今作は完全に受け。
ツンデレ好きなので、"ツン"強めが好きだけど、オリヴァーは"デレ"が良い!
続編は無し。ありそうな終わりだったけど、無し。スピンオフで、レイモンドの同僚エドワードの話が同人で出ています。こちらも、おすすめ。堅物メガネって良いよね〜。
あと、この同人誌に本編のカット部分が載ってます。レイモンドとオリヴァーの没になったイチャシーンも。これも良かった。没にしなくても…!と思うくらいに。良かった。
読んでほしい。Kindle(アンリミだった)で読めるし、紙派はコミコミで買えるよ。
ジャンルはゴシックホラー?テーマパークの怖い系が苦手な人にはちょっぴり怖い世界や事件かもしれませんが、BLとしてはもちろん怖くなく、しっかりツボが押さえられていて作者様の巧みさを感じます。
オリヴァーもレイモンドも表現のしかたは違えどまっすぐで応援したくなります。もっと取り澄ましたものかと思いきや、ふたりとも健気で想い合っていて微笑ましく萌えました。
1作目のためか最低限の登場人物で、作品世界の提示や主役カップルの成立に重きが置かれているように感じられました。そのため多少不完全燃焼でもあり、筋立てや設定が膨らめば更に面白くなる小説ではないかと思います。
表紙イラストがつい手に取ってしまうほど綺麗で、本文の挿絵も1枚1枚とても繊細に描きこまれているため本のサイズに映えて本当に美しいです。
巻末のキャラ表も設定画とは思えないクオリティでした。