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表題作龍と竜~清明~

石神龍一郎
不動産会社会長, 52歳
石神竜城
カフェオーナー, 36歳

その他の収録作品

  • あとがき 綺月陣
  • あとがき 亜樹良のりかず

あらすじ

カフェのオーナー・竜城は元暴力団幹部の龍一郎と養子縁組の末、家族になった。
そして最愛の龍一郎が海外で不動産売買の第一人者となり仕事が落ち着いたいま、
竜城は贅沢な幸せを享受している。
だがその一方、竜城の弟で龍一郎の息子でもある颯太は、家族の病気に気がつき――?

作品情報

作品名
龍と竜~清明~
著者
綺月陣 
イラスト
亜樹良のりかず 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
シリーズ
龍と竜
発売日
ISBN
9784796412995
3.7

(18)

(9)

萌々

(3)

(1)

中立

(2)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
2
得点
62
評価数
18
平均
3.7 / 5
神率
50%

レビュー投稿数2

家族の形

前作、〜啓蟄〜で有終の美を飾ったはずの龍と竜シリーズ。
今作、〜清明〜で完結のやり直しです。と作者様が書かれていました。
やり直して頂かなくても啓蟄とても良かったのに…なのですが、今作、清明、更に良かった!笑
このシリーズ、回を重ねるごとに面白くなっている気がします。
私の拙いレビューが、龍と竜シリーズ未読のBLを愛する誰かの目に留まれば…という祈りの気持ちを込め、シリーズの概要をざっと書かせて下さい。

シリーズは①龍と竜②白露③銀の鱗④虹の鱗⑤啓蟄⑥清明と続きます。
①②⑤⑥のメインカプは龍一郎×竜城。
③④のメインカプは次郎×颯太。
シリーズ物ですのでもちろん順番に読んで頂く事を推奨します。……お話毎に登場人物のざっくりした説明などはありますので、カプごとに読めないわけでも無いのですが。
でも、⑥清明のこの読後感を味わっていただきたいので是非シリーズを通して…!
(厳密にはリンクした東西シリーズなどもあるようなのですが、現在未読の為、そちらのシリーズを間に挟むべきかなどは分かりかねます( ; ; )私は東西シリーズ未読でも問題なく楽しめました。⑥清明で少しだけ東西シリーズのキャラが出てきます。)

冒頭で回を重ねるごとに面白くなっている気がすると書きましたが、今作〜清明〜本当、涙あり笑いありなのです。
幼かった颯太に口移しでご飯を食べさせた過去を懐かしむ龍が「口移しで食わせてやった親鳥の愛を忘れたか?」と言うのに対し、「この始祖鳥は、一体いつの話をしているんだ」とゲンナリする颯太のシーン、盛大に吹き出しました。
ガサツでデリカシーの無い次郎の失言(?)に対して颯太が、さすがに心が白目を剥いた。と表現するのですが、うーん、秀逸!笑

〜清明〜では、龍と竜城の出会いから16年経った龍と竜城、そして次郎と颯太の日常が書かれています。歳を重ねた分、三者三様に落ち着き、特筆する大事件は無く、毎度お馴染みの龍と次郎の残酷さも今作では鳴りを潜めております。
しかし私は今作が一番、それぞれへの愛を感じた作品でした。今までの様なこちらまで火傷しそうな激しい愛し方では無いのですが、温かい愛でした。

タイトルの家族の形についてですが、このままのレビューですと意味が分からないし説明を書くべきかなとも思ったのですが、何を書いても蛇足になりそうなので〜清明〜を読んだ私の感想です。と、まとめておきます(^_^;)

最後になりましたが、龍と竜を私にお勧め下さった姐様に感謝を込めて。

5

6巻目は完結のやり直し版:巣立ちと別れ 

この巻のテーマは「家族の形の模索」とあとがきに有りました。
これを踏まえて読むと、ナルホド。結婚式と巣立ち、子離れと親離れ、夫々の道へ進む別れの巻です。
面白いのは、この巻の挿絵は漫画。文章もまるで漫画。そのまま絵を描けそう。
龍と竜の結婚式を颯太が企画するイベントで〆になるのですが、この巻は全ての総集編で、ほとんどが過去の回想。ややコメディで、笑う箇所が沢山入っています。

「うみのそこ」がテイクアウトを開始する切っ掛け;竜城のカフェの薬膳カレーを入院中の患者にお届け。最期に食べたい料理に選んでもらった話は、感動しました。
特にこの巻は「CAFうみのそこ」のレシピが出る場面が多くて、楽しかった。

あとがきに休筆の告知があった前作の「龍と竜~啓蟄~」は、じんわりと暗い。著者の内面が作品に出ています。著者が愛するこのシリーズで、作家生命を維持できたのかも?
キャラが脳内で勝手に動いて、それを書き留めて作品が生まれるのですが、脳内のキャラを編集者の意向が封じて、書けない期間を作ってしまった・・それで、休筆に。
前巻の、分裂鬱傾向はこの巻は消えていました。

編集者がスランプの因で、著者は書けなくなった・・売り上げを上げたかったんだと思いますが、BLジャンルの作品は、作家が好きなように書いた作品を、それを好む読者が読めばいいだけじゃないかと思います。流行りを押し付けても、無理。馬に水を飲ませる故事と同じ、作家の嗜好にあわなければ受け付けないので、書けない。流行らないなら、同人誌で活動したらいいだけです。

あとがきから抜粋。色々大変ですね。考えちゃいます。販促方向、誤ってないかな。編集者は、作家を育てる人、育児理論を参考にしてほしいです。やる気を折っちゃだめ。売れる商材を追いすぎると本末転倒になるんじゃないの?
//こんなキャラは読者うけしません / あなたの表現は気持ち悪い・・と編集者から意見を受けた//・・そんな中、「好きに書いてよい」とオファーしてきた某社。それで、思うよう萎縮せず書けるようになった。/自分から人生をたたまない/心の余裕と時間の確保// 
・・とありました。

1

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