電子限定特典付き
以前から作家さんの絵柄が好きでした。
作家名を見て、たまたま書店で手に取った際に帯の「バリタチの美少年ゲイ×超女好きのノンケ」という文句に惹かれて購入しました。
個人的には大当たりでした。
ただ「苦しい恋愛」を読みたくない人は読まない方がいいです。
BLを読み慣れてくると「ノンケが男と付き合う」ってハードルが低いことに思えてきますが、これが、とことん「高いハードルだぞ」と突きつけてくるようなストーリーです。
「くどい」というレビューもありましたが、それくらいの苦悩はあって当然だと思います。(個人的には1冊でくっつくんだから早い方だなと感じるくらい)
相変わらず絵は美しいし、苦難をたくさん乗り越えた分、幸せなシーンの萌えもヒトシオです。
易々とくっつくBLに辟易している方、同性愛ならではの苦難・苦悩を読みたい方には是非オススメしたい作品です。
作家さん買いです。
そこらの女よりも遥かに可愛くて綺麗という詩音はバリタチのゲイ。
そんな詩音が一目惚れしちゃった先輩・和葉は尋常じゃない女好きで、サークルの呼び込みで先輩達に女装させられた詩音のあまりの美少女っぷりにホイホイされちゃったのが出会いのきっかけ。
女装している詩音の顔がどストライクで、「もしお前が女だったら即プロポーズして結婚する」と先輩は言うんだけど、それを複雑な思いで聞く詩音。
とにかく女が好きで、女には手当たり次第声を掛けるんだけど、その理由は「自分から声をかけないと運命の相手が側にいてもすれ違って終わってしまうかもしれないから。」という運命の相手論を信じちゃってるゆえの行動。
それを詩音は「先輩は実は純情で一途」と評してるんだけど、そうかぁ?ただのアホなだけでは?と思ってしまった…。
片っ端から女に声をかけてるにも関わらず二年間彼女なし。
デートでは女にいつも貢いでるので金欠。
女達からは、ウザいけど金払いは悪くないから財布がわりにしとこう、みたいな扱いをされてる感じ……。
おまけに同性からは「女ばっか追いかけ回して」と評判が悪い……。
とまぁ一言でいえば先輩が雑魚キャラっぽいんですよね……。
そこがなんか微妙だ……と思ってしまいました。
こんな攻めはなんか嫌だなぁ……と思いながら読んでたら、先輩、まさかの受けだった!
詩音がバリタチとはいえ、どうせ「元攻め」の受けになっちゃうんだろうなぁと思いながら読んでいただけに、これにはビックリしました。
先輩、いつの間にそんな遠いところに到達してたの?というか、雑魚っぽいチャラ男から男前受けに変化した感じで…感慨深いというか、いろんな意味でレベルアップ。
私はどっちでも美味しくいただけるので、へぇ!と思いながら読めたけど、左右の予想が外れてしまうと読めなくなると言う人は要注意だと思います。
女大好きなドノンケに恋をしてしてしまった詩音の切なさとか、心の悲鳴を日野ガラスさんらしいモノローグを絡めて展開されていくところは、これよ!これ!感があっていいんだけど、微妙に突き刺さらなかったなぁ……。
やっぱり先輩が微妙で、どうしてそんなに好きなのか?と思ってしまうからかなぁ……。
切ない!!
まさに「ノンケに恋するゲイ」!!
サークル勧誘で女装をさせられた詩音に声をかけてきた
女大好きな和葉先輩に惚れたがノンケの為受け入れてもらえないお話。
先輩に日々アタックするも男なので相手にしてもらえない詩音。
でも、「顔は好み」なので無下にもできない先輩がなんとも残酷。
完全にフルわけでもなく「女だったら結婚してる」とまで言う先輩に
うわぁぁ無自覚こそひでぇなってなりました。
詩音も、諦めきれず女装してデートを申し込み
自分で傷口に塩を塗りたくる・・・・。
先輩の残酷なセリフに傷ついたり、
諦めようと貰ったプレゼントを捨てたり
連絡先を消したりと、
ノンケに恋をし苦しむ姿はキュンっと来ましたが
ちょっと繰り返し感が引っかかりました。
悪あがきも恋のうちではあるんですけどね。
これは所謂女装攻めでは無い。美青年がたまたま女装していたところを女の子だと思ってしまい、男だと知って壮大にガッカリされてしまう、という勘違いスタートである。
モテる服装っていうのは、古今東西地味な女と決まっている。大抵の不特定多数の男は、小ダサい女が好きだ。派手でファッショナブルな女や、抜け感が決まっているシックで美しい女に声がかけられる男は、よほど自分に自信があるいい男か、身の程知らずというものだ。
なので。無類の女好きだが 女にモテてはいない和葉先輩は、顔は美しいが 小ダサい女装をした詩音に一目惚れしてしまう。不幸な事に、そんな先輩を好きになってしまうバリタチ・ゲイの詩音。
美しい顔をして懐いて来る詩音を邪険にしながらも、拒みきれない先輩。詩音はそれを切ながりながらも、諦めきれずにいる。というノンケ落としの王道と言えば王道なんだが。
『無類の女好き』ノンケには、女にモテていて欲しい。いや、モテ無い設定の人もいるか…。うーん。
絵面的には先輩はモテそうなルックスなのに、モテていない。さらに男の友人もいない。バカ女に貢いでは利用される底辺男だったりする。なので、どうして詩音がこの先輩をそんなに好きなのかは今ひとつ判然としない。恋に落ちるのに理由なんて無いのだけれど。
日野ガラス先生の絵は美しいので。もうちょい夢見させて欲しくなるのだ。
詩音が惚れる先輩は、女好きだけど、女にモテていて欲しいし。女が放って置かないくらい優しくていい男であって欲しいし。
そして世の『童貞殺し』は、ステキな女の子であって欲しいのだ。
世の中に沢山いる、あまり可愛くなくて ダサい女の子たちが、実際は肉食系っていう現実を見たくは無いのだ。
物語はめげない詩音の執着に軍配が上がる。めでたし!ではある。
けれど、何だかモヤりとした読後感である。
顔がキレイで可愛くて、まるで女の子みたいな間野と女好きで手当たり次第声を掛けまくってはフラれている和葉のお話。
大学の先輩後輩なふたりなわけですが、学生っぽさはあまりなく若者らしいノリもあんまりなかったなと感じました。
間野がたまたま女装していた時に出会い、和葉は本当に女の子だと勘違いして運命を感じて…
でも男だとわかったらあっさり掌返し。
女好きで男のことなんてどうでもいいと思っている和葉なのでそういう態度なのも仕方ないんでしょうが
間野はなんでこんな男が良かったんでしょうかね…
惚れたら負け、的な感じなのはわかるのですが
ちょっと理解できないなと思ってしまいました。