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天馬の御曹司×健気な天狼の少年の、溺愛和風ファンタジー!
天界を舞台とした溺愛系身分差もので、ルビー小説大賞の優秀賞と読者賞のW受賞作になります。
天界で忌み嫌われる存在である不憫受けが、聖獣とされる天馬の御曹司から溺愛されと、王道の萌えが楽しめる激甘作品なのです。
が、こちら、ただ単に甘くて可愛いだけのお話では終わってないですね。
もうめちゃくちゃ切ない!
そして泣けるー!
これ、スペクタクルロマンの様相も呈してますが、これが単純に正義と悪に分けられてないのが深いんですよ。
また、そうじゃなくても、受けが健気すぎるよーーーー!(TдT)
めっちゃ尊い!
この受け、めっちゃ尊い・・・!!
もう、世界観といい、ストーリーといい、魅力的なキャラといい、面白すぎますね。
この読者賞と言うのが個人的にハズす事が少ないので、毎回楽しみにしてるのです。
が、今回は断トツの面白さと萌えでした。
「読者審査員の圧倒的支持」となってますが、これは支持するわ。
私も支持するわ。
内容ですが、天馬の御曹司・青流×天狼の少年・志遠による、天界が舞台の身分差もので溺愛ものです。
和風ファンタジーとなってますが、個人的には中華風の印象を受けました。それか、大陸ものっぽい印象。
天界で忌み嫌われる天狼の少年・志遠が、禁域である天馬の領域に誤って入ってしまった所からお話はスタート。
川で流されてた所を助けてくれた天馬の御曹司・青流のはからいにより、彼の下で使用人として置いてもらえる事になるんですね。
ここに、長年荒れた土地に追いやられ、虐げられてきた天狼と、天馬達との対決。
並行して、互いに惹かれ合いながらも、種族や身分の違いから結ばれる事が難しい二人の、切なくも甘い恋愛が語られます。
で、個人的に一番萌えまくった部分。
ズバリ、焦れったくも切ない、二人の恋愛部分になるんですけど。
そもそも拾われたばかりの志遠ですが、まだ13才。
ガリガリに痩せて薄汚れた格好と、貧しさ故に痛々しい状態なんですよね。
また、天狼であると言うだけで、周囲から冷たい扱い。
こう、噛みつかないようにと金属の口輪を嵌められ、蔵に追いやられ、皆が嫌がる汚れ仕事をさせられる。
この子がね~、とにかく健気ないい子なのです。
そんな周囲を恨む事なく、置いてもらえてありがたいと懸命に仕事に励む。
これ、種族の違い故の不幸な誤解とかもありまして、天馬と言うのは食事をする必要が無いのです。
そんなワケで、天狼には食事が必要だと気付かれるまで、食べ物すら与えられない。
ちょっ!?Σ( ̄□ ̄;)
不憫すぎるじゃ無いかよ・・・。
が、ここからが加速度的に萌え展開。
そんな志遠を不器用に気遣うのが、攻めとなる青流になるんですね。
皆が怖がる為に口輪を付けさせられてますが、夜だけでも外してやるように指示する事から始め、食事が必要だと気付いてからは、食べ物を小まめに運んで食べさせる。
汚れ放題の志遠を洗ってやり、字が書けるように勉強を教えるー。
決して、甘く優しい言動では無いのです。
でも、面倒見がよく、不器用な愛情と言うのが透けてみえちゃうんですよね。
で、そんな日々を積み重ね、16才となった志遠。
その真面目で控えめな仕事ぶりと言動から、周囲に受け入れられ、可愛がられるようになってるんですね。
また、髪も伸び、美人に育つのです。
そんな彼を、相変わらず不器用に溺愛する青流。
実は志遠ですが「零の種」です。
大人になれば耳と尻尾が無くなって「春(発情期)」が訪れ、男でありながら妊娠が出来るー。
いつまでも耳と尻尾があるままで、なかなか大人にならない志遠を心配する青流。
志遠の為に、天狼の本来の食べ物「仁老樹の実」をわざわざ天狼山脈まで取りに連れていき、「腹はふくれたか?」と優しく頭を撫でる。
そして「早く大人になれ」と言いつつ、パタパタ揺れる尻尾には「可愛い」と言う言葉を飲み込む。
かなりですね、彼は独占欲も強いんですよね。
志遠の水浴びを他の使用人が面倒見ようものなら、眉を吊り上げ、「俺が拾ったのだから、俺が面倒を見る」みたいな。
いや、最初こそ分かりにくい男だと思ったのに、もうこの時点ではめちゃくちゃ分かりやすい溺愛攻めですよ。
もうデレデレですよ。
と、ここに、碧家の嫡男として見合いが持ち上がる青流。
更に、志遠にも「春」が訪れと続きます。
実はここからが、かなり切ないんですよね。
志遠ですが、かなり聡くて人の気持ちにも敏感な子なんですよ。
自身が青流に惹かれているように、彼もまた自分を愛してくれている事に気付き始める。
しかし、青流の立場や未来を思えば、よりによって天狼である自分と、決して結ばれるワケには行かないー。
青流の「(志遠の為に)家を捨てる」という言葉を聞くと、一人ソッと碧家を去り・・・と続きます。
いや、こういう互いの立場や状況故に、結ばれる事の出来ない二人って、めちゃくちゃ切ないです。
それでも止められない想いと言うのに、「切なっ!」とか言いつつすごく滾っちゃんですよ。
てかこの子、泣き方まで健気すぎるんですよ!
こっちまで泣けちゃうじゃんかよ。
この後ですが、二人を巻き込んで天狼と天馬の対決と、一大スペクタクルロマンと言った様相になります。
ここもまた、めっちゃ面白い!
これ、本当の正義とは何かと、色々考えさせられるんですよね。
そして、ボロボロになりつつ青流の為に走る志遠に、これまた涙が出てしまう。
ホント、健気すぎるんだよーーー!(TдT)
まぁそんな感じの、とにかく面白い作品でした。
王道の身分差もので溺愛系がお好きなら、間違いないと思います。
最後になっちゃいましたが、主人公のバックボーンがとても面白いです。
これにより、作品に深みが出てると思います。
今回は天界に住む聖獣の中でも位の高い天馬の唯我独尊系御曹司と
聖獣の下位の天狼の中で罪人の弟として虐げられていた天狼のお話です。
天狼の受様が天馬の攻様の伴侶として幸せを掴むまで。
受様は聖獣の中でも下位の天狼です。天狼の多くが住む天狼山脈は天狼が
主食とする仁老樹を除けば腰の高さの灌木しか生えず、麓でもまばらに草が
生えるだけの痩せた土地で、受様の住まいも崖に空いた洞を利用したもの
でした。
受様は両親亡き後は大学を出た長兄を中心に兄弟で支えあって生きてきま
したが、長兄がある事件を起こして罪人扱いされると、兄弟は離散し、
すぐ上の兄と受様は遠い親戚に預けられたものの食べる事もままなら生活と
なります。
その後、兄弟は長兄の友人によって親戚宅から助け出されますが、彼の率い
る集団もまた天狼の世界では異質な集団で心休まるものとは言えませんでした。
そんなある日、受様は兄のために崖の上に大きく枝を張る仁老樹に登り、
実を取ろうとして枝ごと落下してしまいます。そして天狼たちが決して超え
てはならないと定められた生図川に落ちて流されてしまうのです。
次に受様が気づいたのは暗い納屋のような所でした。縄でぐるぐる巻きに
され、口元も何かに覆われた状態で引っ張られるように出た外の世界は、
澄んだ青い空と豊かな緑の茂る美しい場所でした。引き立てられた大きな
屋敷も豪華で煌びやかで受様は自分は死んだのではと思ってしまいます。
広く温かな部屋で受様を取り調べようとで待ち構えていたのは部屋に相応
しい華やかさと怜悧さを兼ね備えた気品に満ちた緑の髪の男性でした。この
男性こそ今回の攻様になります♪
攻様は天界をすべる成獣の中の聖獣である天馬であり、中でも名家とされる
五大家の御曹司だったのです。天馬の地は天狼にとって禁域である事は知っ
ていましたが、天馬についてはおろか天界についても何も知りません。
天狼の長は無断で禁域に入った受様を兄同様に罪人と見做し、天馬側にその
処置を一任します。攻様は受様がまだ13才の幼い子供である事から攻様の
生家預かりとなります。天馬が好む蓮の露を集める仕事を任された受様は、
感謝をもって仕事に対します。
天馬は天狼と違って食べるものを必要とせず、生図川の清浄な流れで命を
繋いでいます。水出しの茶や果汁、蓮の葉に降りた露"甘露"も口にしますが
蓮沼の泥水に浸かる甘露集めは汚れを嫌う天馬には辛いものらしく、仕事は
嫌ではないのですが、常に空腹な状態な受様は空腹で倒れてしまいます。
そんな受様を助けてくれたのは天帝の御子を夫に持ち、ちょうど里帰りして
いた攻様の弟でした。実は彼らは天狼たちに襲われた過去があり、攻様は
受様との接触を良しとしません。その上、天馬と天狼には300年前からの
因縁があり!?
角川ルビー小説大賞の優秀賞と読者賞をダブル受賞した佐竹さんのデビュー
作は天界を舞台した和風ファンタジーです♪
天界の聖獣にはすべての男女の別の他に3種の性(霊、壱、弐)があり、霊の
種は大人になると春と言われる発情期を迎えて壱の種を抗いがたい香りで
誘う種なので、明記はされていませんが、オメガバースでもあります。
聖獣の壱の種は体が大きく優れた力を持つ者が多く、弐の種は数は多く、
零の種は小柄で数が少なく、男女に関わらず子を産むことができる種とされ
ています。
天狼族は女が何人も子を産むことが普通で、食べていくのがやっとな家が
ほとんどでしたが、300年前に天狼に天馬の女を喰らいつくされて滅ぼされ
た天馬族では霊の種が子を孕む事で種を存続し、天狼は天馬の女を滅ぼした
咎で、天界の果てにある険しい山のあたりから出られなくなった事を受様は
この地に来て初めて知るのです。
攻様は天狼族から見放された受様を哀れに思い、何かと世話を焼くように
なります。天馬族は天狼を怖がるからと食べものを運んだり、文字を教えた
り。
受様がそんな攻様に惚れちゃうのは仕方ないし、素直に懐く受様を攻様が
可愛く思ってしまうのもまた仕方がないかな。但し攻様は自分の気持ちに
なかなか気づかず、受様は攻様への気持ちを必死に隠しながら3年の月日が
経っていくのです。
その3年で御曹司である攻様には結婚話が数多寄せられ、受様は春を迎えて
大人になり、天狼族の中に自分達の地位を覆そうとする叛乱分子達が勢力を
広げ、武器商人である天狐は諍いの目を育み、攻様の弟は天帝の孫を身ごも
ります。
受様という天狼が天馬の地に生きる事で様々な要因が複雑に複雑に絡み
合い、2人の恋の行方にドキドキ、天狼の反旗にハラハラで楽しく読ませて
頂きました♪
世界観がとてもしっかりしていて、部族間の確執や憎悪の背景、登場人物の
性格付けがキチンとされていて、最終シーンの山場でもその良さ(悪さ)が
いかんなく発揮されていたも良かったです。
本作の元になったのは攻様の弟と天帝の御子の馴れ初めだそうなので、そち
らもぜひ読ませて頂きたいな (^O^)/
今回は馬繋がりで白露にしきさん『ユニコーンのイケメン王子は処女厨でした』
をお勧めとします。こちらは明るいラブコメです。
この作品は、カドカワでw受賞した著者の作家デビュー作。
大賞は逃したけど、ダブル受賞。https://bit.ly/3Had6ah
面白い世界観を持つ作品で、スピンオフが「天馬の貴公子の箱入り花嫁」。
コンテスト出品時のタイトルは、『天下に見せよ、紅蓮の花嫁』
評価を参考にすると・・
「読者賞」: 運命的に出会った二人の交流のドラマティックな展開
「優秀賞」: 高い構成力/読者のニーズを読み取り、作品に落としこむ力
改善点は、設定を盛り込み過ぎ/設定の取捨選択・・スピンオフをこの後、出している。
この作品、だいぶ以前に読了済みで、レビューは他サイトで投稿済みだけど、ちるちるには投稿していなかったので、遅れて投稿。
誤字や誤文法が無いので読みやすい。
後続の作品数冊を読むと、直近の作品のほうが今作より面白いと思ったので、
力をつけている作家だと思う。
・・なんて、ちるちるにレビューしても仕方ない感じ。
天馬と天狼にオメガバ要素をプラスしたファンタジー。
元も子もない言い方をすれば、天馬が拾った天狼の子を育てて大人になったら喰っちゃうお話だけど、共に世界を変えていこう!という話でもある。メインだけでなくサブキャラたちにもドラマがあって、作り込みがすごく丁寧だった。
志遠と青流は、早い段階で両片思い状態。志遠が子供のうちは両者とも恋かどうか分からないけど、好きの気持ちはあふれまくってる。
志遠の方はケモ耳シッポの動きが隠せないので、青流にバレバレ。青流の方は気付かないのは志遠だけで周知の事実っぽい。序盤からこんな感じなので、深刻な話も甘々な空気に包み込まれてソフトに感じた。
危険分子になり得る天狼の自分をなぜ助けたのかと、不思議に思い続ける志遠。青流から明かされたのは、裏切者をあぶり出すためという、純粋な親切心のみでない理由。
ここで志遠はショックを受けるわけでなく、冷静に受け止めて納得し、やっと恩を返せると前向きに考えたのがとても好きだった。なのでその志はしっかり貫いて欲しかったと思う。途中で恋愛脳に切り替わってブレた気がして残念だった。
真実の隠蔽や歴史の改ざんなど、現実世界のどこかで今日も行われているようなことが積み重なり、種族間の戦へと発展していく。
戦自体で青流の活躍はそんなになかったものの、その後に天馬の翼設定がこういう形で……!と感動が待っていた。この時の青流の描写がとても好き。正直メインキャラとして少々弱い気がしていたが、これで取り戻した感がある。それくらい好きなシーンだった。
色鮮やかな光景が浮かぶ情景描写も素晴らしく、絵本を見ている気分になれて良かった。“星屑の堆積地”が特に好き。
馬と人の姿になれる天馬の青流と狼と人の姿になれる志遠の種族の違いや身分差による恋模様が描かれたファンタジーBLです。
男でも妊娠出産できる零の種というオメガバースのような設定があり、妊娠出産描写がありますので苦手な方はご注意下さい。
両想いになるのは早かった割に、種族の違いや身分差から好きだと言えない時間が長くて切なかったです。
青流は志遠の気持ちには鈍感で、周りに志遠への気持ちを隠す為とはいえ酷い嘘もつくので大分ヤキモキさせられました。
最後は青流が志遠と一緒にいる為に世界を変えていくと決意して終わります。
両想いになった二人のイチャラブがもっと見たかったし、二人がどんなふうに頑張っていくのかも見届けたかったです。