来るもの拒まずな男×性的欲求を持たない純真

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表題作初恋、カタルシス。

唐木田 透真(30)別れたばかりの元恋人
月島一騎(25)ノンセクシャルの青年

その他の収録作品

  • 下ネタ短編集(描き下ろし)
  • エピローグ(描き下ろし)
  • あとがき(描き下ろし)
  • カバー下イラスト

あらすじ

風邪を引いた一騎の自宅に別れたばかりの元恋人・唐木田がやってきた。
性的欲求を持たず恋なんてできないと思ってた一騎が、自分で区切りをつけた初恋の人。
フラれたにもかかわらず優しく看病する唐木田は、寝込む一騎にキス。そして……
「いつか、あの手に、触れられてしまう。」

pixivで感動を巻き起こした臆病な初恋が、大量加筆修正で待望の書籍化。

作品情報

作品名
初恋、カタルシス。
著者
鳩川ぬこ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビボピーコミックス
発売日
ISBN
9784799745137
3.7

(213)

(114)

萌々

(28)

(18)

中立

(11)

趣味じゃない

(42)

レビュー数
26
得点
747
評価数
213
平均
3.7 / 5
神率
53.5%

レビュー投稿数26

泣きました

こちら、久々に読み返した際によくよく見たら、「諸般の事情により販売を終了しました」の文字が…!愕然としました。今年の6月までで販売終了していたんですね。
紙本ならまだ手に入るのかな。。

色んな方に手にとっていただきたい作品なので、事情のあることとはいえ、とても残念です。

LGBTQという言葉は広く認知されるようになりましたが(100%とは言えないまでも)、アセクシャル:性的欲求を持たない人、などの認知や理解は、私自身も含めまだまだだなあ…と思わされる内容。

性的欲求がなく、求められることに強い恐怖と不快感を持ついっきくん。
攻めの唐木田に求められることに応えられないことから思い悩み、「いい彼氏になれない…」と吐露します。

そんないっきくんに攻めがかけた言葉を読んだ時…涙腺の堤防が決壊し、涙が止まらなくなりました。

「おれがいっきくんのいい彼氏になる。だからいっきくんは何かになろうとしなくていい。いっきくんの性別はいっきくんだから。」

「あなた」だから好きになる。

”最後までできないから恋愛を諦める”のではなく、好きだから、確かめ合いながらお互いのできる範囲を最大限まですり合わせていく。究極の愛の形。

BLの枠にとどまらない、本当に素晴らしい作品だと思います。
何かの形で、また多くの方の目に留まるようになりますように。。

0

ボーダー

普通の人(語弊があるかも知れないけれど、普通の恋愛等作中でも書かれているので)のスキンシップの内何が友愛で何が性愛でとか色が分れているわけではないと思っていたけれど、縞模様みたいにちらっと覗いては隠れたりしているのかも知れない
もし色分けが見えるなら、恋人と一緒にいるときならなおさら実際しましまになるのかも

唐木田があまり深刻に考えるたちでなく、一輝くんが恋人として甘えて振る舞うことを喜んでいるのが良かった
性的に魅力を感じてもらえないことにそんなに傷ついたりしないで自分の性欲についてもちょっとくらい我慢してくれたって良いじゃんと言えちゃう

一輝に肩入れすると唐木田ひどいって風に見えなくもないけれど、一方的に全部我慢してくれたら逆に付き合えないような気もする
自分が触るときの唐木田は怖くなくて性的に興奮していても可愛く見えるって気づけて良かったじゃん
それがしてあげられることであんなに安心して甘えることができるようになったんじゃない

一緒にいたい内は一緒にいるしかないもんね
相手の性指向にある程度合わせるのはお互い様で、無理になっても誰も悪くないと思うんだ

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テーマを形にする素晴らしさ

うむむ。これはこれは…評価が別れそうな漫画ですね。個性的な絵柄とキャラクターとストーリー。雰囲気が好きなのと、試し読み部分で2人の先が知りたくなって読みました。

結果として、私的には残念ながらハマりませんでした。同人誌をまとめたのかな?と思いましたが…なるほど、やはりそうなのですね。編集さんが付いていたらもっと分かりやすい漫画になっていたかもしれません。

時系列もそうですが、ノンセクシャルについてもっと丁寧に伝えてほしかったです。知っている前提で描かれているような感じで、なぜそのときにそういう反応をするのか、何が辛いのか、それでも求めるものとはーーそのような部分が情景だけでは伝わりにくく、エピソードもバックボーンが分からないので理解が難しかったです。ノンセクシャルの中でも一騎くんはこういう考え、こういう個性、という主張を結局想像で補うしかなく、なかなか感情がついていかなかったです。

でもまず漫画を描くということ、頭の中の映像を2次元に表現すること、その技術と執念が本当に素晴らしい。私は世の中の漫画家さんを尊敬しています。そして羨ましい。自分にはできないから。それを描きたい!という一心で最後まで描ききった作家様に拍手を送りたい。そしてまた次の漫画を読ませていただきたいです。

0

ある意味理想のハピエンなのかも。

熱烈に好きアピールをする方だけど実は超受け身な男×恋愛感情はあるけど性愛はいだけない男のBLです。

一読して、いっきくんの方が一人で我慢してるのかなあと思ったんですが、よくよく読んでみると唐木田さんもけっこうノンセクシュアルの事を解っていないなりにも頑張っていっきくんに合わせようとしているんですね。触ったりキスしたりすることにも逐一お伺いをたてていたりとかして。

唐木田さんは性的指向の点では複雑さはないけど、付き合う相手の熱量にガッツリ影響される繊細な部分がある。いっきくんは唐木田さんのそういう所をよく見ているから、唐木田さんの性欲を全否定して心を折るようなことにならないように努めているのかなと。


お互い、相手の根の部分は解り合えないままだけど、それでも互いに歩み寄ってそこそこ折り合いをつけて仲良くやっていくというラストは、なかなかやって出来ることじゃないよなぁと思いました。

完全の一致を目指せば、我慢か別れかって二極になりますもんね。


独特の絵柄や表現、登場人物の繊細な心理描写が好きです。

0

何度読んでも胸が熱くなる恋愛漫画

※ネタバレけっこうしていると思います。
まだ読まれてない方はお気をつけ下さいm(__)m


あらすじにもあるように、一騎の家に、別れた元恋人の唐木田が訪ねてくるところから始まります。

二人のやり取りを見ていて、お互い好きなんだな、と。
一騎もですが、むしろ唐木田がかなり好きなんだな。

そこから付き合う前のお話に変わるのですが、最初は一騎から好きになって、唐木田はむしろ余裕なんです。
そこから唐木田もだんだん好きになり恋人になるのですが、そのエピソードや二人のやりとりがすごく良かったです。

一騎は唐木田の事が大好きなのに、性的な接触とその時の唐木田に嫌悪感を感じて、そんな自分にも自己否定のような感情を抱いてしまっています。
その負のループが辛くて、別れを切り出します。
でも、一騎にとって初めての恋で、幸せだったことを実感し、辛すぎて心身ともにボロボロに。
そんな時に唐木田が突然やって来ます。偶然のタイミングとはいえ、唐木田ってやっぱり一騎のエスパーなのかな?と思ってしまいます。

唐木田も別れている時に、可愛い女の子から「魚心」的なものを察知しますが、そこから一騎への思いが溢れてきます。
5年付き合った彼女にフラれた時も、自分を好いてくれてる相手(一騎)がいるからと落ち込まない男・唐木田が。
一騎曰く、プライドがめちゃくちゃ高いから執着を示さない男・唐木田が。
フラれた相手の家に自分から行っちゃうとか、マジですごいことなんじゃないの!?
冒頭でさらっと訪ねてきてるけど。ちょっと胸熱でした。

それからの二人は、その経験を乗り越えたからか、めっちゃ仲良しです。
お互いの気持ちも言い合えるし、素直に甘えているし。
鴨鍋からの帰り、玄関の前での告白(と思っています)とか、何度読んでも感動してしまいます。

運命的とかじゃなく、唐木田の「水心」的に誘導されていった始まりかもしれないけれど、こんなに愛し合える二人になれるなんて!
リアルで現実的な流れだけれど、愛って素敵、と思わせてくれる恋愛漫画と思います。

3

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