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表題作愛にふれさせてくれ

久世竜治
刑事
瀬尾裕也
調律師

あらすじ

ある事件が元で両目の視力を失った瀬尾裕也は、手術後、事故の後遺症に悩まされていた。
そんな裕也の姿を見た恋人で刑事の竜治は、同じ事件現場に居合わせながら、裕也を守れなかった事をひどく後悔していた。
学生の頃から凶暴で危険な破壊願望のある竜治は、裕也以外は何がどうなってもいいという程、裕也に執着している。
しかし、事件のことで刑事を辞めると言い出した竜治から裕也は距離を置いてしまう。
次第にすれ違ってゆく気持ちに苛立ち、竜治の中で再び暗く危険な感情が目覚めてゆく。
「裕也が離れていくとおかしくなる。
失わないで済むなら人殺しでも平気で出来る」そんな竜治の闇に目をつけたひとりのヤクザが、刑事である竜治に揺さぶりをかけてくるが…。

作品情報

作品名
愛にふれさせてくれ
著者
夜光花 
イラスト
ひたき 
媒体
小説
出版社
竹書房
レーベル
ラヴァーズ文庫
シリーズ
灼熱を呼べ
発売日
ISBN
9784812424186
3.5

(27)

(7)

萌々

(7)

(9)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
10
得点
93
評価数
27
平均
3.5 / 5
神率
25.9%

レビュー投稿数10

シリーズ2冊読んでのレビューです

シリーズものです。
「灼熱を呼べ」→「愛にふれさせてくれ」の2冊。
前に灼熱〜を読んで、今回愛に〜を読み終わったのですが、
この「愛にふれさせてくれ」を読んで、
やっとこのお話を読み終える事が出来たと思いました。
勿論1冊目の灼熱〜だけでも面白かったんですが、
あーなりました、こーなりました、
それで最後はこーなりまして2人はやっとスタートラインに立ちました、終わりって感じ。
スタートラインに立った所で終わりっというお話はいっぱいあるけど、
竜治は犯罪者と紙一重の執着ぶりなので
(まぁ、ここまでいかないと執着攻めファンは納得しないのかもしれないけど)、
正直な所、この人大丈夫かしら…感で終わってました。
(ま、大丈夫かしら感があっても、竜治の事は気になってしゃーないと、竜治の魅力には取り込まれてはいたんですけど。)
それでもって裕也の方も、
ここまでされてるのにすぐに取り込まれ過ぎというか、
勿論文章で裕也の心理は説明されていたけれども、
なんかしっくりこなくって、
おいおい、君も大丈夫かしら感がありました。
面白かったんだけど、なんか釈然としないというか…
そんな気持ちが残ってました。
なので、絶対続きを読みたかったんですよね。
話もキャラも好きなんだけど、
なんか納得出来てないというか、終われない感があって。

なので私は「愛にふれさせてくれ」は読んでて楽しかったです。
やっと納得出来たというか。
異常なまでの執着攻めの竜治に対しての裕也の葛藤とか、不安とか、自己嫌悪とか、好きだからこその覚悟とかが見れたし、
また、竜治の過去が少し読めた事で竜治を少し身近に感じられましたし、後その竜治が裕也に怯えなくなっていく様が読んでてなんか嬉しくて。
なので、裕也が笹来に捕まった時に、
脅されて笹来に屈しそうになる竜治に対して裕也が
「竜治、俺をあまり見くびるな」と言い、
「どうするよ、俺には何も出来ないよ」と、竜治が笹来に対して開き直る所、好きでした。
なんかここでやっとお互いがお互いに対して腹くくったって感じ。
相手を信じるも信じさせるのも自分に覚悟を決めたから踏み込めるって感じ。

その後も好きでした。
お互い相思相愛になった途端、急に空気甘々、開放感いっぱいで、受けが攻めの変貌ぶりに驚きながらも全身で喜びを受け止めちゃうっ♪ってのが多い気がするんですけど、
この2人は元元相思相愛でもあったので、そこまで急に甘々空気に変わりました感がないように感じまして。
それでもって最後の最後があんな感じなので…
関係ないですけど、最後のあのシチュエーション、
昔やってた「太陽にほえろ」シリーズを思い出しました。
死ぬ間際の刑事がボスだったり誰かに電話する感じ。
解っちゃいるけど、ちょっと〜竜治〜、カッコ良すぎるわー。
夜光花さんが「竜治死んでませんよ」とおっしゃってると、どこかで既に聞いてたので、ドキドキはしませんでしたが、
でも竜治〜、もうカッコ良すぎはやめてーと言いたくなりました(笑)

書き下ろしちょっとだけでもいいので、この後のお話も読みたくなりました。
夜光花さん、書いてくれないかな。
不器用な2人、この2人のファンになりました。
このままの世界を崩さずに、お互い支え合って幸せになって欲しいです。

1

想いの強さ

「灼熱を呼べ」の続きとのことですが、Kindle版で単独でも読めるとあったのでチャレンジ。

裕也は爆弾事件に巻き込まれ視力を失っていた。アメリカに渡り手術を受け成功する。まだ視力を取り戻していないときに公園である日本人の老人から封筒を託される。
竜治は裕也を想うあまり心配するあまり束縛し、ヤクザからの圧力もあり守ろうとして裏目に出て、ふたりはすれ違う。
裕也に託された封筒の中身に纏わるある不正と竜治の父が関係していた。
いろいろなしがらみと圧力からふたりは逃れられるのか?

複数の事件が上手く絡み合っていて秀逸です。裕也が託された封筒の中のデータにあった楽譜が上手く使われているので実際はわかるはずもないメロディーが頭の中で流れました。

託された手紙を渡す相手を一緒に探したり、ヤクザが絡んで来て危険な目にあったりする中で、ふたりがすれ違いまたお互いを守ろうとして絆は強くなっていきます。

危ない世界と隣り合わせで命さえかけなければならない苦境に立たされますが、裕也は竜治にどうしてもあちら側に行ってほしくないので覚悟を決めるところはたいへん男らしく想いの強さを感じます。
竜治は裕也がいなければ生きてはいけないほど裕也に執着しています。裕也はそれに応えたのです。

ラストはハッピーエンドに見せかけて、実はバッドエンドなのかもしれません。
どちらともとれる終わり方だと思います。

普段はバッドエンドはダメなんですが、これに関してはアリだなと思いました。
個人的にはハッピーエンドと思ってはいるのですが、読み返すと切ない気持ちがあふれるので、これはやっぱりバッドエンドなのかもとつい思ってしまいます。

それでも読み返したくなるくせになる小説でした。
1巻もぜひ読んでみようと思います。

1

縋り付く愛。久世竜治という男

狂おしいほどの攻めの執着が恐ろしい「灼熱を呼べ」の続編!

一般に、こういうのの続編は逆振りに激甘に変身してラブラブに…的になる傾向があると思うんだけど、今回攻めの竜治は相変わらず。
フキハラと縋り付きを交互に繰り返すような愛し方の竜治。
一方受けの裕也は、竜治を受け入れて自分も竜治を求めるようになっているんだけど、2人は決してマッチしてない。
その不安定さが、様々な「波乱」と共にドラマチックに描かれるんだけど。

今回、正直色んな要素を詰め込みすぎてると感じる。
裕也が巻き込まれる、ある老人の過去。
亡くなった叔父さんの恋人(男)。
竜治を取り込もうとするヤクザ。
警察内での情報漏洩疑惑。
裕也の抱える爆破事件のPTSDと、角膜移植の後遺症。
竜治の父親の威圧と竜治のトラウマ。
…という感じで、結構てんこ盛りなんですよね…
そこに、竜治の破滅的で暴力的な性格と裕也への偏執的な執着と愛までも濃密に書かれていて、かなりお腹いっぱいです。
だから、重めな作品が読みたい方にはおすすめです。

私的には、気を抜こうとしていたラストまでもがこういう終わり方か!と夜光花先生の追い込みに感服という感覚。
だって、竜治は大丈夫なの?腕はこの後動くの?刑事続けられるの?
何より裕也に超絶叱られそうなのが心配よ…
だって裕也だって「姐受け」に変貌してますからね!

0

キケンな男とのロマンス・受難編

裕也は「灼熱を呼べ」の件で失明した。目の手術のためサンフランシスコに渡った裕也は、老人・田中から「川辺にこれを渡してくれ」と荷物を渡される。田中は裕也に荷物を渡した後事故死してしまう。一方、竜治はやくざの笹来に、「自分の組に入らないか」と持ち掛けられる。裕也のことを想い断った竜治に、さらに誘いをかけてきて…的なお話。裕也が竜治との関係に覚悟を決めたシーンは感動しました。ラストのハードボイルドさにどきどきしました。

0

執着愛

「灼熱を呼べ」の続編です。

前回からの続きになっていますので、そちらから読む事をお勧めします。

前回で事故に巻き込まれた裕也が、アメリカで手術を受けて帰ってくるのですが、その事について電話で話している内にケンカに。
竜治は、どうしても裕也の1番でありたい、裕也には自分を1番優先して欲しいという切ないくらいの執着心があります。
勿論、人として分かる気持ちではありますが、そこに至るまでの竜治の生い立ちなどを考えると、やっぱり少し切なくなります。
勿論、裕也もそんな竜治の気持ちは分かっているのですが、逆に裕也は平凡な家庭で平凡に育ってきたので、やはりそこには齟齬が生じて、それが原因でケンカになってしまうのですが。
それでも自分を優先して帰ってきてくれた裕也に懐く様は、さしずめご主人様に懐き捲くる大型犬、といった所でしょうか。
そんな可愛いところもあるので裕也としても、怒ったり、むくれたり、乱暴したりしても許してしまえるのでしょう。

今回もまた事件や、竜治の家族関係などに巻き込まれてしまいますが、最後には竜治がちゃんと助けにきてくれます。
そこでの二人の絆には胸を打たれるものがあります。

取り合えず、今回でこの話は終わり?ですが、きっといつまでもケンカしながら仲直りしたり、と過ごしていくんだろうなあ、と思えます。

2

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