電子限定書き下ろし短編付き
期待していたより凄く面白かったです。
初めはノエルと婚約していたジークフリートがノエルに冷たいのがとても腹ただしかったです。虎族皇帝に嫁ぐ事が決まったノエルを出立当日に知って、絶望の表情を見せたジークフリートにとても同情しました。
ヴィスナー帝国皇帝のファリドが出会った時から溺愛としか言いようがないほど、ノエルを大切にしていました。自己否定的なノエルが自分の意見を言えるようになりファリドに惹かれるようになります。
ファリドには亡くなった前妻が居ましたが、ジークフリートより相性が良いと読んでいて確信しました。
ノエルがジークフリートを慕っていたのは家族のような感情でした。一方ファリドはノエルが幼い頃に出会っており皇妃にしたいと父皇帝に訴えていました。
皇帝が激怒してノエルを殺そうとしたので、ファリドはノエルの記憶を消していたのです。
ノエルを想いつつ虎族の女性と結婚し子どもも産まれますが、皇妃が人間の男性と無理心中して亡くなったのをきっかけにノエルを迎えるんです。だからあれだけノエルを歓迎してたんです。
一方でずっと想っていたノエルを奪われた形のジークフリートは、国力をつけて奪い返そうと焦り他国との紛争の危機に陥ります。ノエルの提案で両国は同盟関係を結び直近の危機は脱します。再会したジークフリートに別れを告げるわけですが、ファリドが嫉妬しながらも見守っているんです。
ジークフリートは好きな子を虐めて素直じゃなかった為にノエルを失うわけですが、後継が必要な為に女性の婚約者がいたのでノエルと結婚しても寂しい思いをさせていただろうと思いました。
再読、ふとした時に読みたくなる。
人間の国ヘルブストの王太子妃になるはずだったノエルが、虎族皇帝ファリドに嫁ぐお話。ヘルブストでは王太子の態度により不遇な日々を送るノエルが、国家間の政略結婚で嫁いだら実は‥と夢があって楽しい。ファリドがまたいい男で、ノエルの本質を見抜いて溺愛するのが最高。ノエルも才能があって、自分で道を切り拓いてるのがいい。軽くざまぁがあるのも楽しい。イラストも可愛くて綺麗で素敵。もふもふ・ざまぁ・溺愛好きな方にオススメです✧*
獣人+花嫁のファンタジーで、大陸ものになります。
こう、不遇な主人公が、異国の獣人王に嫁ぐ事になる。
両国の架け橋たるべく、その身を捧げる覚悟だった彼が、たどり着いた先で見た世界はー。
って感じの、とても読後感の良い、爽やかなお話だと思うんですけど。
作者さんのデビュー作から追っかけていますが、獣人に溺愛に花嫁にと、個人的ツボ満載でして。
今作が一番好みでした。
いや、主人公がひたすら真摯に行動し続ける事で、いつしか周囲に受け入れられ、自分の居場所を作っていく的なお話に弱いのです。
ちなみに、昨今はWeb小説からの書籍化がちょこちょこ見られますが、それでデビューされた後、2冊目が出る事はとても少ないです。
出版業界の厳しさを思えば、仕方ない事かもしれませんが。
そんなワケで、作者さんがこうして4冊目(1冊は電子専門)を出されている事に、素直に称賛させていただきたいです。
ザックリした内容です。
ヘルベスト国の名門王立学院に通う、没落貴族のノエル。
王太子ジークフリートの幼馴染みで婚約者なのですが、それも名ばかりの状態なんですね。
そんな中、虎族の隣国ヴィスナーに、学院の人間が妃として差し出される事に。
国交も無く冷酷で恐ろしいと噂される獣人の皇帝に、皆が恐れをなしますが、国の為になるならとノエルは自ら行く事を決意しー・・・と言うものです。
まずこちら、主人公であるノエルですが、聡明で芯が強く思いやりある青年。
ただ、口下手で引っ込み思案な事や、没落貴族でありながら王太子の婚約者であるという微妙な立場から、周囲から浮いている感じでしょうか。
こう、軽んじられていると言うか。
また、幼馴染みである王太子ジークフリートですが、幼い頃は仲が良かったのに、いつしか冷たい態度。
お飾り状態の婚約者であるノエルの他に、正式な婚約者も存在する。
そこで、ここに存在しない方がいいであろう自分が、ヴィスナーに行く事を決意する。
えーと、決して悲観的なワケでは無く、両国の架け橋になろう的な真摯な決意でもあるんですけど。
と、序盤はちょい主人公が気の毒な印象なんですよね。
が、ここからが萌え処。
ヴィスナーですが、ノエルをあたたかく迎え入れます。
また、夫となる皇帝・ファリドは、最初からノエルへの溺愛ぶりを隠しもしない。
そう、超甘々溺愛パートです!
いや、両国の間で起きた不幸な事故もあり、人間である自分は反発されるだろうと覚悟していたノエル。
それが、周囲からあたたかく迎え入れられ、更にこれでもかとファリドから溺愛されるのに、嬉しくなっちゃうと言うか。
また、そんな中、ノエルがファリドへの想いを穏やかに育くんで行くのにも、萌えちゃって。
ついでに、全てが順調と言うワケでは無く、人間との婚姻に反対する王弟レナートの存在だったりと、逆境はあるのです。
あるのですが、主人公がただ真摯に、誠実に行動して行く事で、いつしか受け入れられて行く。
個人的に、こういうエピソードが大好きなのです。
あと、ちょっとした事件はあれど、基本的にはそこまで派手な出来事は起こりません。
ただ、それで飽きちゃうかと言うとそんな事は無く、最後まで面白く読ませてくれるんですよね。
えーと、国に関わる不穏な事態だったりを、主人公の機転で鮮やか乗り越えるみたいなエピソードもニヤリとさせてくれて。
とても面白いです。
ちなみに、出会った瞬間からノエルにベタ惚れ状態のファリド。
ちゃんと納得の行く理由があるのです!
いや、爽やかに見えてたけど、意外と執着系だな!って感じでしょうか。
ところで、若干気になる部分。
ファリドは特別な力を持っていて、それによりノエルの奪われていた記憶と言うのがキモになります。
ただ、最後の最後にこの「特別な力」が出てくるので、唐突感がある。
あと、ファリドの姿が見る人によって、醜悪だったり美形だったりと言うヤツ。
この設定が生かしきれてないような。
特に必要なかったんじゃ無いかくらい地味なオチ。
ちなみに、両国間の不幸な出来事により、ファリドの前皇妃が亡くなっています。
その前皇妃との間に、二人の子供まで居て。
これも色々事情があったりするんですけど、気になる方はご注意下さい。
ところで、婚約者でありながら、ノエルに冷たかったジークフリート。
彼には、いい年して何やってんだと言いたいですね。
まぁ、オドオドされたら苛立っちゃう気持ちは分かるけど。
でも、笑顔を見せて欲しいなら、優しく接しなきゃね。
切なく泣けて溺愛で、とってもよかったです。
本当は自分の事が好き、もしくは後で自分を好きになる相手に冷たい態度をとられている、相手のために身を引く健気な人、という展開にすっごく泣けて、そういう話が好きなんだな、と最近気付きました。
もちろん最後はハッピーエンドが前提です。
そして溺愛、甘々なお話も好きなので、その点ですごくよかったんですが
1つ気になって納得できなかったのが、ジークのノエルに対する冷たい態度。
好きなのに意地悪する、素直になれない、にしては再会した最初から冷たい表情で、話しかけることもほとんどなくなっていくとか、顔を合わせると不機嫌そうな態度をとるとか、嫌味も追い打ちをかけるような事まで言い放つって、あんまりにもひどすぎて、ほんとに好きなの?って思いました。
なので、なぜそこまでの態度をとってしまったのかの弁明を聞きたかったんですが、ノエルとジークが最後に会って話した時に、そこについてはただジークが辛くあたって悪かったと謝罪しただけで終わってしまいました。
ノエルも、王になる者としての今後の叱咤激励をジークにしただけで、学園にいた頃の冷たい態度について触れなかったし。
結局、素直になれなかっただけって事なようですが、それであそこまで酷い態度をとるのかっていうのが私には納得できなかったです。
ジークのせいでジークからだけでなく、周りの人達からもノエルが嫌な態度をとられていたのはわかってただろうし、ジークが何か酷いことを言った後の、ノエルの傷ついた顔を見て、心が傷まなかったんでしょうか?
そこら辺のジークの心情が描かれていなかったのが、不満でした。
最後のジークとノエルの会話でジークは
「そんなお前自身と向き合うことから逃げていた」
「お前が本来持つ美しさに気付くことができなかった」
ということを言ってますが、ジークがノエルを自分の意見をハッキリ言えない奴と思っていて、気づけない部分があったかもしれないけど、それでもジークはノエルがすごく好きだったんですよね?
この話の流れだと、気付けなかった、だからお前を失った、って事を言ってるようにみえますが、失った原因はそこじゃないですよね。
気付け無い部分があったにしても、ジークはノエルが大好きだったんだし、手放そうと思ってなかったんだし。
それともここは、気付けなかった、だから酷い態度をとったっていう事を言ってるんでしょうか?
ジークが酷い態度をとった原因って、ノエルが自分の意見を言えないような人だったからなの?
それだとしたら、学園で再会した最初から冷たい態度だったのはおかしいですよね。
ジークがノエルを失ったのは、ジークが冷たい酷い態度をとってたからだし、ノエルの良さに気付けなかった部分があるのは関係ないと思うんだけど、なぜここでそれを言うのか、わかりませんでした。
国を動かしてまで奪い返そうとしたくらいノエルを好きだったのに、なんであんな酷い言動をしたのかが、わからなかったのが、一番の不満点です。
あとファリドがノエルの優しさはジークにとっては残酷とか、引導を渡したつもりだろうが、って言ってた事がいまいちピンとこなかったです。
ノエルは優しい事言ってたっけ?
引導を渡したつもりでジークの心をとらえるようなセリフってどこら辺の事をさしてるのか、読み返したけど、わかんなかった。
もしかして「さようならジーク」って愛称呼びした事?
それだけの言葉にそこまでの力があるの?
それとファリドの弟のレナートが最後の方でノエルに言った
「兄上はそこまでわかっていて、お前を妃にむかえたのか」のセリフは
後にファリドとノエルは小さい頃に会っててファリドはノエルを妃にむかえたいと思っていた事をレナートは知っていた事がわかるので、レナートがこういう言い方をするのはわかるんですが、
ノエルの方は、この時点ではヘルブストが選定した妃だと思っていて、ファリドがノエルを望んでいた事を知らないはずなので、ファリドが選んだような言い方をされる事自体をおかしいと思うはずなのに、さあどうでしょう、と返事をする事に違和感を感じました。
冷たい態度をとられて、健気に身を引く展開は好きですが、
冷たい態度をとった奴には、その事を後で後悔するか、酷い目にあって罰を受けるというしっかりとした報復?があってほしいと思うし、ほんとは違うならその理由をちゃんと説明してほしいと思うので、その点で不満が残りました。
最後の、実は子供の頃に出会っていて、ファリドはノエルだけを愛してたんだっていう話はよかったです。
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この頃読みたいと思っていた要素が全て積み込まれていましたので、個人的に大満足です!
主人公ノエルの婚約者である王太子がツンデレ(の域は越えていた気がするが...)であるがために、ノエルにはきつい言葉・態度で接していた。
ストーリー的には実は愛しているが〜ですが、読み手的には正直愛なんて全く感じませんでした(笑)
ノエルは王太子から離れ、隣の国の王様に嫁ぎます。この王様が獣人!ホワイトタイガー!!美しすぎるネコ科!!!太い尻尾がもうツボ...!
夫となった王様はノエルにひたすら優しく甘い。ノエルは幸せな毎日を送っていきます。
一方捨てられた王太子は落ち込み怒ります。
受けに捨てられて落ち込み後悔する攻め、一方、受けは幸せになる。こんな話を最近は読みたかったです(笑)
ストーリー全体では、そんな特に山も谷もないです。しかし、最後まで飽きずに楽しく読めます!
昼ドラみたいなドロドロ展開は好きではないので、よかったです!