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表題作冬色ドロップス

白井豊樹
伊吹に想いを寄せる高校生
高丘伊吹
怪我で入学が遅れたクラスメイト

その他の収録作品

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  • 七色ドロップス(書き下ろし)
  • クリスマス・ドロップス(書き下ろし)
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あらすじ

幼なじみの豊樹(とよき)と洋平(ようへい)は、高校に入学して伊吹(いぶき)と仲良くなった。伊吹は受験当日に交通事故に遭った自分を助けてくれたという洋平を密かに想っているのだが、豊樹の片思いの相手は伊吹だった。伊吹の恋を応援する豊樹。ひと触れで均衡が壊れてしまいそうな十代の恋と友情の行く先は……?

作品情報

作品名
冬色ドロップス
著者
尾上与一 
イラスト
さがのひを 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784344846197
4

(73)

(37)

萌々

(19)

(9)

中立

(3)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
14
得点
291
評価数
73
平均
4 / 5
神率
50.7%

レビュー投稿数14

爽やかな読後感

 高校生同士のお話で、最初は攻めのトヨ視点で始まり、話の中で視点は変わっていく。
 トヨは中3のとき、第一志望の受験の日に雪でスリップした車に人が跳ねられるのを目撃し、その人に付き添って病院に行ったため、第一志望の受験を諦めることになります。滑り止めで入った高校で、その事故で助けた相手である受けの伊吹と再会しますが、受験の日にトヨは幼馴染で親友の洋平の定期券を借りていたので、伊吹は助けてくれたのが洋平だと思い込んでいて、最初は洋平のことを好きになります。
 そんな伊吹のことをトヨは好きになりますが、事故で助けたのが自分だと言えば、救急車に同乗して第一志望校の受験を諦めたことを伊吹が知り、負い目を感じるだろうと思って、洋平と口裏を合わせて助けたのは洋平だということにしていました。

 あらすじだけ読んで三角関係ものかと思いましたが、洋平はノンケで伊吹が告白する前に彼女ができて、その後、助けたのが本当はトヨだったとわかり、伊吹の気持ちもすぐにトヨに向いたので、三角関係というほどの切なさは感じませんでした。
 トヨが息吹を好きになった理由についても、きっかけとなるエピソードやそれまでに伊吹の人物像を知る描写はなく、「伊吹のことは昔から好きだったと思う。言葉選びが柔らかく、しかし自分の意志ははっきりと言う」という感じでトヨのモノローグでさらっと語られているので、好きな気持ちへの共感は薄かったです。

 萌えや切なさは少なめですが、出てくる人物がみんないい子ばかりなので、最初から最後まで爽やかな気持ちで読めて、読後感もよかったです。

0

表題作はとても面白くて好きだった

表題作の短編と、付き合った後の二人の話や過去話などが半分以上。本編といえる表題作はとても面白かったけど、後半半分以上はおまけのような話がいくつも入っているだけで、大きな動きも特になく、途中で飽きてしまった。

男子高校生の三角関係で、片思い相手の恋を応援する主人公という、切ない系のお話。
この主人公の豊樹が高校生とは思えないほど冷静で慎重で思慮深くなんでも受け止める包容力を持っていて、なんかすごい。モノローグの中にコンプラ配慮の一言まで自然に入れ込んでいて、商業対応もばっちり。

自分の恋を叶えることより、相手への気遣いを優先して秘密を打ち明けないところも良かった。

伊吹はもし洋平への告白が成功していたらどうしていたか気になる。告白を決意したってことは、その先まで洋平を相手に考えていただろうから。まあそうならないのが運命だったってことかな。

ドロップの使い方が上手くて、可愛らしく読後感の良い本編だった。

付き合ってからの話は、伊吹のすぐ感情的になる面が目立ってきて、豊樹は自己満足と自己完結を見せたりと、幼い二人の描写が続く。
文章の比喩表現から漂う妙な陶酔感が合わないのもあって、読んでいて楽しいとは思えなかった。

これを一冊の文庫本として見ると満足度が低く、最初の短編だけで良かったな、という感想。

0

ドロップス占いがこう利いてくるのかと。

高校の同級生同士のピュアラブを数年にわたって追う物語ですが、タイトルどおり大部分が冬の話です。

学生らしいささやかで素朴なお付き合い。一緒に共通の友達を待つとか、相手の家で一緒に友達を待つとか、クリスマスにちょっと背伸びしてプレゼント交換をするとか、大概の恋愛物語だったら一回こっきりしか描かれないものを、何度も描いてくださることに斬新さを感じました。同じイベントを通して二人の成長や愛の深まりがうかがえ、ふふってなります。

冒頭から出てくるドロップス占いが印象的なのですが、それがトヨから伊吹へのプロポーズにかかっていて、感動的というかなにそれ素敵すぎない!? と。

黄色のドロップは、「好きだった人と再会できるかも 」

“再会”というと一回こっきりの事の様につい思ってしまうのですが、よくよく考えれば人は身近な人と毎日小さな別れと再会を繰り返しているんですね。

行ってきます・行ってらっしゃい
ただいま・お帰りなさい

と言い合うことを、君と末長く続けたい。そんなトヨの素朴な願いにして最高の口説き文句にやられました。

0

No Title

恋の矢印がトヨ→伊吹→洋平になってて最初はつらかった〜!切ない。2人の思いが通じ合って少しずつ関係を進めていく様が高校生らしくて甘酸っぱくて良かった。証拠隠滅しようとする2人の右往左往まで楽しく読んだ。あとがきにかえた最後のストーリーが現実の厳しさを感じさせて切なかったけど2人はこれからもずっと一緒にいるんだろうなと感じられる最後でした。缶に入ったドロップスで占いをするとか、その中身によって告白決めるとか高校生ならありそうな事で物語の素敵なアクセントでした。さがのひを先生のイラストがまた合ってて最高。

0

高校生ってこんなにかわいいんだσ(≧ω≦*)

なんだろう、高校生ってこんなにかわいくてピュアできゅんなんだ〜ってしみじみですよ。


受け様の伊吹と、攻め様のトヨは高校一年のクラスメイト。

伊吹は、高校受験の時に事故にあい、同級生より遅れてトヨと、トヨの幼なじみの洋平とクラスメイトとなった。

事故の時に側についててくれて、自分を気遣ってくれた人が心の支えとなり、恋心を募らせていた伊吹。
恩人の落とし物の定期券のおかげで、名前だけは知っていた伊吹だけど、登校初日にその恩人と出会う。
その恩人の名前が洋平。

洋平に片思いの伊吹と、そんな伊吹に片思いのトヨ。

どうなるのかな、とドキドキきゅんきゅんで見守りました。

事故の顛末を自力で調べた伊吹。
トヨに告白するのがとってもかっこよかったです(^-^)

洋平視点のクリスマス会の様子がまたとても好きでした。
高校生、いい子達でかわいいなぁ。


でも、恋人になってからも、いろいろあるわけで。
「七色ドロップス」では、そんな2人の、嬉しい気持ち、悲しい気持ち、恥ずかしい気持ち、苦しい気持ち。
高校生のいろんな気持ちがキラキラでした。

初めて、えっちの予行練習的な事を致した時が新鮮。
そりゃ、みんながみんなして初めてが成功って訳じゃないですよね。
そして、その後始末のあれこれがまたリアル。
そうだよね、証拠隠滅しなきゃだよね。
慎重に、徹底的にもなるよね。
なんともピュアでかわいらしくて微笑ましいったら。

この2人の初えっちでは、どんなにか幸せな気分になることか、と思っていたので、次では大学生となりすっかり手順ても慣れた2人で、なんてこったい!!(゜ロ゜ノ)ノ

でも、とっても幸せそうでご馳走さま。

ドロップスが、最後まで恋心や思い出として、ステキに登場していて甘酸っぱい気持ち増量です。

3

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