ボタンを押すと即立ち読みできます!
表紙で選びました。新刊だったんですね。
毎月30冊くらい読んでますが、今月いち当たりでした!
雰囲気、儚さ、昭和ロマン…ぜんぶ性癖ぶっ刺さり。
めっっったにレビュー書かないのに、書いてるくらいですからね…。
同じ性癖の人とこの作品が出会えますように。
佐藤アキヒト先生の作家買いです。
現代より少し前の時代。日本がまだまだ安保闘争で揺れる時代。
こないだ、たまたま見たテレビで学生運動をしていたマダムが話していたのを思い出しました。道路の石畳すら剥ぎ取って機動隊に投げつけたんだとか。その話をすると目の力が変わったのを見ました。
熱狂的に周りが運動をする最中の、気づいてしまった北條と神谷の互いの気持ち。古い学生寮でのやり取りや、初めて身体を重ねる場面がぐっときました。
おおっぴらに言えない2人の関係は、北條が収監されて途切れてしまう。
刑期を終えて、再会した時には2人とも大人に変化していました。
大学生の時は、互いを特別だと知ってしまった事に昂っていた2人ですけど再会してからは深い愛情に変化していたのが分かります。
昼間に障子戸を閉めた薄暗い和室。
ただ、ただ相手を求めるようなセックスがとても良かった。
北條の実家を訪れるエピソードは、静謐な感じがして好きですね。
仲間達の取り巻く雰囲気も良いなぁ。
縁側で、月に照らされながら愛し合うのも良い。
こういう話は、佐藤アキヒト先生が惚れ込んだエピソードがあってこそなんですね。
頭の芯が桜吹雪と月夜のイメージで、くらくらします。
好みの話で、きっとまた読み返し続けると思いました。
1960年代頃の学生運動後期のお話でしょうか?
あとがきで佐藤先生が述べておりますが、
本作は、井伏鱒二の「勧酒」の有名な書き下し文からオマージュされた作品です。
『ハナニアラシノタトエモアルゾ「サヨナラ」ダケガ人生ダ』
学生運動盛んな時代、大学生の神谷は同級生の碧眼の青年・北条に秘めた想いを抱えていました。
ある日、寮の部屋で自慰をしているところを北条に目撃されてしまいーー…
北条を想い自慰をしていた神谷は、北条に問い詰められます。
そして、北条も神谷のことが好きだということが分かり、
二人は身体を重ね合わせ恋人のような関係になるのです。
早々に両想いになった二人のラブストーリーです。
当時は同性愛に寛容な時代ではなかったので、
特に生真面目な神谷には葛藤があったと思います。
そんな時、学生運動で目立った北条が逮捕されてしまい、
二人は二年間離れ離れに……
二年後、北条の気持ちがどうなっているか心配しながら読みましたが、全く変わらない神谷への愛にホッとしました。
変わりゆく時代の中で2人の気持ちは揺らぐことはなく、
強い想いと大きな愛を見せつけられます。
「サヨナラだけが人生」そんなの寂しい……
そう思いましたが、人生はサヨナラの繰り返しで、
必ず死をもって人生を別つ時がきます。
それが分かっているかのように愛を囁き、幸せを噛みしめて生きる二人が眩しかったです。
嵐が吹けば簡単に花は散ります。
人生は儚いけど、だからこそ後悔しないように今を一生懸命生きようーー
そんなメッセージが込められたタイトルとストーリーなのかなと思いました。
昭和モノなので、ちょっと古い言葉使いに萌えます♡
特に、Hの時に〝挿れるよ〟じゃなく、「失礼」と言って挿入した時は転がった(笑)
北条が先にイッたあとの「ふがいない」もイイ(゚∀゚)
レンタ 修正はトーンに白短冊
「幼馴染みとのアレについて」がとってもよかった先生の作品!学生運動の創作物、好き故にこだわりが強いので手を出すの躊躇ってました。
◾︎北條忠臣×神谷
「花に嵐」で終わっておけばいいんでしょうけど、まさかの月で終わりましたね…この後の雲を暗示していると思うのはあまりに悲観的でしょうか。
「目が悪くてよかった もう少し目が良くてもよかった」の心内セリフが好き。神谷からこんな冗談めかした思いが出るのも面白いし、理性と欲望〜
時代背景を思うと厚い作りだったと思うのですが、あっさりと思った方も多いのかしら?自分は通じ合うところから始まる構成と、会えない間の2人の後悔に思いをはせるエッチシーンとのバランスが好きでした。
エロス部分(作品の時代的にエロスと書きたくなる)、佐藤先生らしく下品でもないのに濃厚で、良かった!
学生運動モノ的には自分としては冒頭通り思い入れがあるのでまぁ。「面倒くさい考えはどうでもいい 好きな人と一緒に居られたら」というセリフが個人的には好きではなくて。神谷は途中から運動と距離を置いていた人だけど、リーダー格で学生運動をしていた北條にそう言ってしまえるのか…北條の2年間は「面倒くさい考え」に全力を投じた結果なのか…?と。北條が気にしてなさそうだからいいけど。
ところで、登場人物名からシティー◯ンターを思い浮かべた人がいたらお友達。かなり回りくどい連想なので、なかなかいないかな笑
アメリカ人を祖父に持つ北條は、小さい頃からその容姿のせいで周囲からいじめられます。
彼が大学で学ぶ頃はちょうど学生運動が盛んな時代で、激しい戦いに北條も身を投じていきます。高校の同級生の神谷は、主義主張を通そうとするタイプではないものの、彼もまたその大きなうねりの中に巻き込まれていきます。
北條は逮捕の後にされ、出所しますが、二年間、北條を待つ神谷は切なかったです。北條の出所後に二人は愛し合いますが、どこか歪で、わだかまりがあることが気になりました。これも学生運動が盛んな時代に出会った二人の運命ですが、やっと手に入れた安息のシーンは、二人の息づかい、虫の鳴き声まで聞こえてくるようでした。