電子限定かきおろし付
最近は、オメガバースの苦手感が薄れまして。おかげで、良い作品に巡り逢う機会が増えました!
まず、関西弁のオメガバースが予想以上に良かったです。いつもの言葉も、関西弁だとより沁みると思いました。
Ωとしてα一家で生きている(生き抜いていると言える…)柚季がふわふわしているようで、心に重りを付けて居ることの意味。
どうにもならない性の為に生き方まで、否定されて、型にはめられているのは辛い。
なんで、性差で人を見るのか?同じ人なのに。
でも、柚季自体はその疑問すら持てない状況なんですよね。
余り関わりがなかった同級生の津賀(つがるん,と呼びます!)とふとした事で交流を持つんです。ほんと些細な出来事。
つがるんの家族が、温かいβ一家。でも、つがるんだけが突発性αなんですよね。
つがるん自身は、性差じゃなくて、人は同じと言う思考の持ち主です。だからこそ、柚季はΩという型に嵌めないつがるんに好意を抱くのですね。
タイトルにもなった、純愛。
人は同じ。性差で区別つけない。
柚季だから、つがるんだから惹かれるわけです。ヒートに苦しむ、柚季に当てられてもラットにならない。
『αなんやと思ってんねん ケダモノちゃうぞ』『普通やろ αがΩを食い物みたいにしていいわけない』これが、つがるんの柱になっている性差に対する率直な気持ち。
つ、つがるん~!めちゃくちゃかっこ良いじゃないか。
この言葉もしかり、まだまだつがるんのかっこ良い言葉が、あちらこちらに出てきます。
んも~柚季じゃなくても惚れちゃうよ…
柚季の兄に放った、言葉も良かった。兄との関係性に悩む柚季を間違いなく救う力のある言葉です。
2人がちゃんと未来を考えて、そこから番という選択を選ぶのが良かったです!
柚季も、陰がありつつ健気な可愛らしさ。
読んでみて良かった。締め付けられるようなときめきをありがとう!
Luria先生の次回作、楽しみにしています!
〖DMM電子書籍〗
修正 : 白抜き
カバー折り返し : あり
カバー下 : あり
帯 : なし
裏表紙 : あり
カバーデザイン : 円と球さん
電子限定特典 : 漫画1P(表紙に触れる2人)
備考 :
三言 : Ωの柚季くん、頭とお股緩い子かと思ってたけどめちゃくちゃ良い子で泣いてしまった。りゅうやくんと幸せになってくれ。そしてあわよくば続編を…
〖紙媒体〗
未読
とりあえず...最高でした!
Ωバース特有の格差社会について考えさせられる1作です。
本当にストーリーが素晴らしく良くて、最終回では涙してしまいました。
買うか迷っている人はとりあえず1度購入してみることをおすすめします!買って後悔はしないはずです!
なんって素晴らしいお話なんだろう…
「君は純愛にふさわしい」まさに、まさに。
オメガバα×Ωだけど、αとΩだから好きになったわけじゃない。ひとりの人間として、彼だから、好きになった。
性と感情の狭間で模索し悩む、等身大の高校生のお話です。
つがるんの考え方がとても好きです。
α、Ω、β、性差のまえに、同じ人間だということ。人間に上も下もないということ。
つがるんはβ一家に突発性のαとして生まれて、でも特別扱いされることもなく、そういえばアンタはαだったね、くらいの扱いで育ってきて、そんな家族の影響が大きいと思います。
でも一歩外に出れば、誰がαだ、誰がΩだなどと、性差ばかり先に語られる。そんな世界への苛立ちが強く感じられます。
でも、ゆずと過ごすにつれ、自分の中にも、強烈にαとしての本能を感じてしまう瞬間があり、そんな自分に苛立ってしまうことも。
それでも絶対に本能のまま相手を求めたりしない、流されない強い精神を持っていて、努力のうえでの冷静さを保っています。
自分の気持ちを確かめながら、ゆずという人間をちゃんと見て知って、好きになる。
ほんとにこの子はすごい。すごいです。
人としてかっこよくて、強い。
強くあろうとしている。
いままでオメガバたくさん読んできたけど、こんなαに出会えて良かったと心から思いました。
ゆずは本当につらい環境にいる子でした。
Ωでいちばん読んでて悲しいのは、ゆずのように実の家族にまで疎まれ蔑まれている子がいること。
学校ではフワッと幼い振る舞いで浮いていて、はじめはつがるんもゆずを苦手に思っていたけど、橋から川を見つめるゆずの顔は壮絶に虚ろで。
Ωとして下に見られ、虐げられることを当たり前の日常にしてきたゆず。でも心はもう限界なのです。
兄のしたことは人間として許されることではない!
αとして生きるストレスがあっても、それをΩにぶつけていい理由なんかないのです。
つがるんの本能に流されない強さ、ゆずを人間としてみてくれる優しさは、ゆずの世界を変えていきますが、つがるんと自分を取り巻く環境には差がありすぎて、ゆずが思い悩む姿には胸がぎゅっと苦しくなりました。
川でのふたりのやりとりが、まさに純愛。
純愛にふさわしい…ふたりとも。
言葉にできないくらいの名シーンだと思います。
お互いを思い合う、思いやる気持ちがものすごく尊いです。
性差のしがらみというドブ沼を抜けて、人と人として愛し合って番になろうという強い決意。
このふたり、めちゃくちゃ愛しいです。
オメガバはもともと大好き。
でも、どうしても前提にある性差やそれに伴う差別、それが面白くもあるんだけど、どこかで反発する気持ちもあったと思います。
そのモヤモヤを晴らしてくれた、「同じ人間なんやから」という優しいつがるんの言葉に出会えたことに感謝します。