ボタンを押すと即立ち読みできます!
レビューなっが!と思った方には申し訳ない
作品が凄まじすぎました
① ご褒美みたいな作品
シリーズを読んできた分だけ面白くなるよう設計されたストーリーデザイン。
よくある「シリーズものですが今作だけでも楽しめます」の真逆を行きます。
皆のこと ちゃんとわかってる?
あのシーン ちゃんと覚えてる?
という問いが散りばめられ、その問い自体にもワクワクし、
シリーズを咀嚼した自分の答えが上手くハマった時、ご褒美みたいな面白さを体験できます。
1想起
わかりやすい所で言うと、冒頭のビーチや中盤のホームパーティーシーン。
シリーズのイケメンたちがわんさか出てくるあの場面です。
忙しい本編では彼らのカッコよさを一から説明する暇など無いのが正直な所。
ゆえに初見さんにはおよそ伝わりきらないであろうサラッとした描写が並びます。
特にヨシュアやルイスなんて、いくら「その美貌が」と書かれていても魅力の半分も伝わらないのでは…と心配になるくらい。
でも、シリーズ読者にはこれで十分なんです。
だって彼らの溢れる魅力をその数行で瞬時に想起できちゃうから。
例えばヨシュアの過去、ロブとの出会い、俳優転向までの道が自然と脳内に描けちゃうから。
その瞬間ビーチもホームパーティーも顔や上辺だけじゃない、生き様まるっとカッコイイ正真正銘のイケメンパラダイスになります。
そのオールスターぶりに眼福を得つつDEADLOCKの新たなストーリーも進むことができる。
まさに過去作を読み込んできたご褒美のような贅沢時間です。
2熟慮
でも、こうしたキャラプロフィールなどの表面的部分に留まらず、今作にはもう一段深い問いも組み込まれています。
過去の出来事、当時の彼らの感情思考、その後の変化をきちんと覚えていますか?
それが今の彼らに与える影響は?という問い。
ユウトが囮捜査でギャングと初接触する緊迫のシーン。
敵の部下カミロからシェルガー刑務所にいたことを指摘され、驚くユウトと読者。
まさかネトと一緒にいたところを目撃されていたなんて。
その瞬間思い出すのは、あの塀の中のスリル溢れる空気感。
プリズンギャングたちと交わした激しい言葉の数々。
ネトと親しくなるまでの複雑な経緯。
当時のドキドキと今のドキドキが見事に重なる瞬間です。
それは作品の立体感、そして読者との一体感が生まれる瞬間でもあります。
このシンクロ体験も過去作を読んできたからこそ味わえる特典です。
また、思わぬ形で話題に上る過去のジム・フェイバー殺害事件。
今度は当時のディック、ユウト、ネトの困惑と痛みを思い出さずにはいられません。
複雑な心境で会話に参加する彼らの視線に息をのみ、改めて紐解く正解のない答え探しにうーんと唸る。めちゃ深い。
こちらもシリーズを読んだからこそ、より心がザワつくシーンでした。
そして決定的だったのは、クロウとコルブスの繋がりにより今作の運命までもが動いてしまった点。
コルブスは、死んでいる
しかし、死んでなお生きている
ユウトの中で、ディックの中で、元ホワイトヘブンの中で、彼らを巡る運命の中で。
書かれてはいないけれど、シリーズを通してそう感じてしまう。
いつの間にか読者もコルブスに囚われ、この命題に関してイケメンもBLも関係なく夢中になってしまう。
DEADLOCKの一つの究極はここなのかな
と思わず考えさせられる深みのある展開でした。
3予感
さらに言うと、脳内で過去と今をリンクさせたからこそ気付くものもあります。
それが、未来への予感
キースもきっとこの出会いで変わっていく
その根拠はBUDDY一冊では足りないかもしれない。
でもシリーズを通し、出会いで変わった皆の姿を見てきた読者には無理なくそう思える。
ああ、これは過去シリーズを燃料にどんどん前へ進む物語なんだなぁと確信しちゃうんですね。
こうした素敵な余韻も、過去作を読んできたご褒美に他なりません。
② BLとブロマンスの有機的な融合
一方、BUDDY単体での魅力も恐ろしいほど素晴らしい
今回のテーマ、バディ。
ディクユウが大好きなので、ユウトとキースの関係性を受け入れられるか正直不安でした。
が、これが想像以上に良かった。
まずバディもの特有のブロマンス感自体が良い。
特に中盤以降。
コカイン吸入事件からキースのマンションに至る一連のやり取り。
苦しみも含めて過去を開示し深まる理解。
相手の中に自分を見つける真剣な眼差し。
最後も名前で呼ぶとか呼ばないとか。
縮まる距離がめちゃめちゃアツい。
しかし誓ってセクシャルなものではない。
そんな描写は出てこない。
それに対してディックとの親密さはもう完全にラブなわけです。
それも尋常じゃないラブ。
ユウトが病的と言っちゃうくらい。
ディックの描写はいつだって心も身体もユウトにメロメロ。
エッチも激しく、二人はラブラブでエロエロ。
もうね、この対比が良かったということに尽きますね。
人間関係を何でもかんでもセクシャルラブにブチ込まない上品さを感じつつ、ディックが嫉妬する十分な理由にもなる。
ラブじゃないのはわかるが、ブロマンスは否定できない現状。
その先を勝手に勘繰れる要素だけは揃っている。
カレーとシチューみたいに完成品は違うけど、材料が似てるんですよね。
実物・現実ではなく、その匂いたつ関係への嫉妬っていうのがね、BL作品ではちょっと斬新。
だけど わかる ディックの気持ち。
正直ダブルで萌えました。
ユウトとキースのブロマンスについて、あえて絆を弱めることなく、ラブに歪めることなく、真正面から描くからこそ引き立つディックの激しすぎる愛情。
当て馬や横恋慕ではなく、こういう見せ方もあるんだなーと
男性同士の関係性の超複雑構造に大満足です。
他にもこの本やばばばと踊り狂いたくなる所が多々ありましたが、文字数制限のため書ききれません。
でも要するに、このシリーズ本当面白いよっていう話です。
まだ読みたい。
また読みたい。
そんな作品って話です。
私はユウトが死ぬほど好きなんですよね。
いや、マジで、ディックに負けないくらい愛してると自負してる。
私の受け史上主義の原点って、ユウトなのです。
そんなワケで、コルブス編で散々ユウトを傷付けたディックにイラ立つ部分があって、これまで何かとディックをこき下ろしてきたのです。
で、今回はタイトルに「BUDDY」とある通り、新しいバディを得たユウトの刑事としての活躍がメインとなります。
ディックは直接的には活躍せず、主に後方でユウトを支える感じなんですけど。
そう、出番としては結構少ない。
ただ、出番としては少なくてそれほど活躍してないのに、読み終えた後に強烈に印象に残ってるんですよね。
大活躍したユウトより。
何故なら、今回、ディックの危うい部分や、心の奥底に秘めた闇みたいのが強く印象付けられるのです。
こう、危険な任務に疲弊し、更に新しい相棒・キースに振り回されるユウトを、抜群の包容力で受け止めるディック・・・。
かと思いきや、実は嫉妬を燃え上がらせていて、まさに妄想バリバリな心配を本気でしてたりする。
もう、ディック、暴走しすぎだって!
こいつ、こんなに愉快な男だったっけ?
てな具合で、相変わらずヘタレ全開のディックに笑わせてもらえるのです。
最後の最後に美味しい所を全部持っていっちゃって、いやもう、ディックしょうもないな!と、ユウトじゃなくても言いたくなっちゃうんですって。
ただこれ、ディックがこんな行動に出ちゃう理由が語られると、なんだかすごく悲しいし心が痛む。
ディックがこれほどユウトを心配し、暴走と言ってもいい行動に出ちゃう理由ー。
愛する人を失う恐怖からなんですよね。
大切な人間を失う怖さを知っているディックは、その事を過剰に恐れる。
だから、失うくらいなら、自分を犠牲にしようとする。
自分が死ぬ事で、愛する人を守ろうとするのです。
土壇場でも共に生きる道を選ぶユウトとは、対照的ですよ。
今回、そんなディックの危うさみたいのがチラチラと見え隠れし、なんとも切なくて胸が締め付けられるのです。
また、ディックのそんな心の傷と、自身の人生とも言うもの。
恋人を安心させてあげたい。
でも、刑事と言う仕事にやり甲斐を覚え、辞めたくはない。
そんなユウトの葛藤もまた、丁寧に綴られます。
人を愛する事。
自分を生きる事。
人生に意味を持たせる事。
今回、そんな人生や愛についてが語られ、すごく心を打たれます。
読みながら、私も色々考えさせられたんですよね。
すごく深い。
ユウトがラストで出した答に、なんだか泣きたくなりましたよ。
ところで、ユウトの刑事としての活躍も、大変面白かったです。
事件の真相がですね、完全に予想外で驚かされたんですよね。
いや、片がついたと思っていた過去が、こうして関わってきたか~!と。
そう、ストーリーとしてもめちゃくちゃ面白いのです。
少しほろ苦いですけどね。
ちなみに、今回の台風の目となる新しい相棒・キース。
彼もまた、強烈なキャラでした。
最初はイライラしっぱなしだったんですけど、だからこそ、キースの態度の変化に萌えたわ。
そう、ディックじゃないけど、ユウトを嫌い続ける事が出来るヤツなんていないのですよ!
と、ストーリーとしてもとても面白い上に、すごく深い十作目でした。
初回限定ペーパーにつられてAmazonさんで予約して、楽しみに待っていた本です。発売日に読むには何とか便というのを指定しなければいけないと知ったのは発売日を過ぎて3日目、到着してからでした。
まあ、そんなことはどうでもよくて。
二人で暮らし始めて2年のディックとユウト、相変わらずのラブラブっぷりですが、実はディックが不治の病に侵されていると判明。ディックは「このままでいい」と言うのですが、そのときユウトは!?
という話のわけがない(笑)
いやー、つい限定ペーパーから読んでしまって(だって表紙をめくったら挟まってたんだもん)ユウトの仕事上での相棒、キースに嫉妬をメラメラ燃やすディックが可愛くて可愛くて。
でも本編を読んでいると、キースの愚痴を零すユウトに対して、なんとかなだめようと苦心しているディック。おいおい、と突っ込みつつ、後にそれは建前だったと判明します。
だよねー、メラメラディックの方が可愛くて私は好きです。
さて、冒頭はオールスターズのビーチでのシーンから始まります。
なんと、ネトが帰ってきてる!! もう、ここで私は狂喜乱舞しましたよ。ああ、ネト~。
皆さんが相変わらずイケメンでカッコよくて毒舌でキュートで優しい。いいなあ。
こうして相変わらずのみんなに会わせてくれるのが英田サキ先生の優しさですね。有難うございます!
そして今回の「BUDDY」初登場のキースですが、やっぱりイケメン。後に、我らがユウトに転ぶのか、転ばないのか!? その辺が気になりますが、本冊ではノーマルのままです。
うん。ユウトはやめた方がいいよ。ディックに暗殺されちゃいますからね(笑)。
あらすじは割愛しますが、今回、裏テーマ(?)は罪。
過去に犯した罪と向き合うディック。どうしても断罪できずに罪を隠蔽してしまったユウト。家族を裏切ってしまったと自分を許せないキース。そして親への思い。
なかなかに重いテーマでした。
愛する者を守るための殺人は許されるのか。
でも、私も子供がいるので、目の前で子供が殺されそうで、犯人を殺さなければ助けられない、となったらためらわないかも。
考えさせられる一冊でした。
読後は上質な洋画を観たあとのような感じです。
キースのその後も知りたいのでぜひ続編を!!
シリーズ10作目!
刑事のユウトをたっぷり堪能できますよ!
麻薬課での仕事ぶりや同僚たち。新しいユウトの相棒は三歳年下の不良少年。
ストーリーは相変わらずの完成度!さらっと読めて、謎が謎を呼ぶなんて仰々しいところはなく、でもまとまってる。読んでいて本当に面白かった!ページをまくる手が止められない笑
出番少なめのディックですが、ユウトとの語らいではお互いに対する愛が溢れてて、その中に垣間見られるディックの危うい愛の深さがちらほらあってなんとも言えなかった。正直いうと大好物です。
物語りは囮捜査を軸に進むのですが、最後はなんとも悲しい真実で締めくくられます。とても切ないけど、実際に現実にあることなのでしょう。きっと珍しいことではないはず。
そして、ユウトはその真実を隠したことによって罪の意識に苦しみます。とても彼らしい心理ですが、「これ以上不幸になるべきじゃない」というキースの言葉がなによりも正しいと思いました。
誰も幸せにならない真実なら、打ち明ける必要はないのでしょう。
まぁ切ないとこもありますが、ユウトとキースの噛み合わない会話が変化していくのはみていて楽しく、囮捜査はユウトが無茶したりで目が離せないし派手な銃撃戦は相変わらずドラマや映画のようで手に汗握り、ユウトが見抜けないほどのポーカーフェイスを貫いていたディックも必見で、今作も見所しかない!
次回作も期待してます!
ところでアトキンス、あれ本当にただの部下だったの…?深読みしすぎた…?
ユウトに新しい相棒が登場!
ということで、ディックの出番は少なめか…
なんてちょっとがっかりしたけど、全然そんなことなかった。
相変わらずユウトが人生の全てであるディックと、そんな彼と深い愛で向き合い続けるユウトを堪能できるお話でした。
続編と言ってもただのイチャイチャ後日談じゃないのがこのシリーズの魅力だと思います。
たしかに甘々ではありますが、第二の人生を一緒に歩むために、お互いの価値観や信念を擦り合わせていく様子がシリアスに書かれています。
だから飽きない〜!
ずっと見守っていきたい、という気持ちにさせられる。
まぁ単純に、結ばれるまでが辛すぎたので
(ユウトの目の前でジェシカとイチャついた罪は重いんだからな!涙)
幸せなふたりをもっと見たいというのもあります^^;
今回は「罪」がテーマ。
やはりこれについてもディックとユウトでは捉え方が異なるので、自分はどうかな?と考えさせられる内容でした。
それにしても、DEADLOCKシリーズにはハンサムガイしか出てこないのか。
新キャラである、ユウトの相棒・キースも例に漏れず。
キースは見た目も中身も狼系のクールガイ。
うんうん、麻薬課っぽい。
系統の違うハンサム達が一堂に会する尊さよ...
ありがとうございます、先生。
ヒータン
このコメントにやられちゃいました。私が言いたかったこと、感じたこと、的確にコメントしてくださって、本当に有難うございます!!