てんてん
本品は『はなれがたいけもの 恋を知る』のコミコミ特典ペーパーです。
ディリヤとユドハが南の離れから自宅に戻る帰路での出来事です。
ある日、ユドハとディリヤと2人で南の離れに行く事になります。用件
そのものはすぐに片付き、自宅までは徒歩圏内でもある事からユドハは
側近や侍従を下がらせ、ディリヤと散歩しながら帰る事にします。
数少ない2人きりの時間を少しでも長く過ごしたいと思ったのですが、
歩き始めて間もなく雨に降られてしまい、庭園の一角にある四阿で雨宿
りすることになります。
ユドハはディリヤと長く一緒に居られると雨さえも喜び、卒のない従者
は気を利かせて傘を持ってきません。ディリヤはそんなユドハをどうか
と思いますが、ユドハは急ぎの用があれば彼らが遠慮をしない事もわか
っているのです。
ディリヤは袖口でユドハの鼻の頭の雨粒を拭ってくれ、ユドハはディリ
ヤの頬の滴を拭い、次いでとばかりに唇を奪います。1度は足りず、小鳥
が求愛するように唇を啄みあっていると、ディリヤは自分がお伽話の王子
様になった様な気がします。
じゃれ合っているうちに雲間から青空が覗き始め、2人は再び自宅への道
を手を繋いで歩き始めます。するとディリヤは昨日、アシュと一緒に船を
作って浮かべた噴水が目に留まり・・・
B5サイズ4つ折り両面にて2人時間を堪能しようとしたディリヤとユドハ
がちょっとした騒動を起こしてしまうお話です♪
薔薇園の片隅にある噴水はモザイクタイル張りで、金の装飾が施され赤や
緑の色石が嵌め込まれ、壁面には大きなクジャクの模様が象られ、嘴から
滔々と水が湧き出ています。
湧き水の落ちる水面にはアシュの掌に乗るような小舟が浮かんでいます。
ディリヤによると後ろに蔦で括り付けられている二艘がララとジジ、子供
達の前を進む大きな船がユドハの船だそう。当然、ディリヤの船もありま
したが、クジャクの足元で蓮の葉の隙間に引っかかっていました。
それを見たユドハは1人だけ離れているのは可哀想だと噴水の縁に片膝を
ついて身を乗り出します。慌ててディリヤがユドハの尻尾を握りますが、
もう少しとユドハが身を乗り出した事でディリヤが足を滑らせ、2人で
噴水に落ちてしまうのです(笑)
たっぷりあふれた水のおかげかディリヤとユドハの船は船首同士が絡まる
ようにぴっとりとつっつき、ユドハが3つの小舟をそっと押すと5つの船が
全部そろってひとかたまりになります。
船まで仲良しだとユドハとディリヤは水を掛け合ってじゃれ合っているう
ちに、雨降りだから迎えに来たというアシュも水遊びの仲間に入り、ひと
しきり遊んで帰宅して家令のアーロンに優しく叱られる
・・・という幕引きまで恋人同士の様な他愛無いやりとりから親子で童心にか
えるところまで、どこもかしこも微笑ましい短編でした♪
ディリヤもユドハもアッシュもすごく可愛いくて癒されました (^▽^)o
※他店舗特典(レビュー済)
アニメイト特典はユドハに関するお約束のお話です。