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上川きち先生と言えば、ちみっこ化したキャラが、ワチャワチャ。出て来る犬がワチャワチャと。
騒がしいのが癒しでもあり、コメディしちゃうのが定石だけど。
なんと‼︎ 本作は結構シリアスめ。ど直球なんです。まぁ、ありますけどね、ワチャワチャも。
まさか2巻に続くとは思ってなかったので、ビックリ。しかも、本作単独で読んだとしても、完結されたお話になっています。
めでたくお付き合いしている、咲哉さんと馨ちゃん。ところが堅物で変なところで生真面目な馨ちゃんは、自分の気持ちに素直じゃない。分かっていたけど、と、ちょっぴり寂しげな咲哉さん。
そんな折、出雲屋百貨店の新社長に咲哉さんの父が就任する。ダンディーな強引イケおじの父に、早速馨ちゃんを秘書に取られ、イライラする咲哉さん。
そう、この強引な父こそ、本物の「ダンディーウルフ」そのもの。まぁ、血は争えないと言いますか。
この父あっての咲哉さんだったのですねー。という、中盤からは父の過去編。
父は後継の兄が家を出てしまったので、已を得ず、政略結婚を受け入れ、自分の恋を諦めたのだった…。という切ない物語。
ただ、側に居てずっと支えて欲しいと、願い。その通りにして来た、父の最後の恋人こそ、静かに側に仕えている秘書、加賀見さんだったのだ。老いてなお。その愛情は変わらず。
咲哉さん以上に美しかった父、雄史と、これが最後と抱かれる加賀見さんの美しかったこと。
ジワリ来ます。何となく気付いていた息子、咲哉さんも、「やっぱりな。」と、父の恋を見守っている。父は諦めてしまったけれど、自分は馨ちゃんとの恋を決して諦めないと誓うのでした。
家を出て行ったという兄は早逝し、遺された幼い子供・香哉くんを、咲哉さんと馨ちゃんが育てる事になる。父は最初こそ馨ちゃんを咲哉さんの嫁とは認めなかったけど、きっと兄の子が後継者となってくれる事を信じて、2人の仲を認めるのだ。
そしてやっと。妻に先立たれ独り、仕事だけに人生を費やしてきた雄史は、残りの人生を愛する加賀見と過ごす事にする。加賀見は病に倒れたが、最後の時を2人だけで過ごすのだ。
数十年越しに、止まった時間が動き出す。「ダンディーウルフ」の愛の時間。
いやぁ、ダンディーウルフとは、実に。父、雄史の事だったのだなぁ。って。
この「犬の幸せと僕の憂鬱」から始まるシリーズがこんなにも胸に迫る展開へとなって行くとは思いもしませんでした。
この物語に限っては、犬の響も猫の拾もワチャワチャお喋りしません。心配そうに寄り添ったり、さり気なく見守ったり、実に普通の役割。その代わりおまけ漫画でワチャワチャ他の兄弟がお喋りしてます。花緒パパの天然っぷりも相変わらずです。
エッチは薄っすらトーンとチビ白玉。咲哉さん絶倫攻めなので、めちゃ激しく馨ちゃんを抱き潰しております♡
まずは、あれ?これって一巻で終わってなかった?と言うのが初めの感想です。
そう、一巻できちんとハッピーエンドになっていたので勝手にお仕舞いにしてましたけど、真面目な馨ちゃんとしてはきちんと「付き合って」、「うん」って言うやり取りが必要でした。咲哉にきちんと付き合いますと言うのですが、そのきっかけが大好きな弟にセフレなんて、ふしだらと思われたこと。その時の弟とのやり取りもそうですが、その話を咲哉にする時も何から何まで話してしまうあたり、弟も馨ちゃんも正直者でいい子なんだけど、全部声に出さなくても…と心配してしまいました。そして、その心配通り、咲哉は付き合う事にした理由を聞いて拗ねてしまいます。
こう言うスタートで、その後は咲哉パパが出てきたり、超絶可愛い甥っ子が出てきたり、ストーリーとしてはちょっとよくある感じでしたがハッピーエンドのその先のイチャイチャ後日談を読めたので良かったかな。