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その海辺の町に青海が越してきたのは4歳の時だ。
漁業を主立った産業にした小さな町は、古くからの祭が残る。
ひっそりとした町もその時は観光客が来て賑やかになる。
都会から町に越してきて初めて出来た友達の勇作は、青海からみると野生児みたいな男の子だった。
時間は二人の関係をかけがえのないものに育てていく。
そして事件が起こったのは二人が中学生になった時、青海が祭の稚児に選ばれた時だった……
物語は二十三歳になった青海が祭のために町へ帰ってきた所から始まります。
この現在と二人が出逢ったところからの時間が交互に描かれてお話は進んでいく。
出逢ったころの二人がものすごくほほえましくて可愛かったです。
真剣にキスをしたら子供ができると信じていたり。
その上での勇作の「泣きやまんとキスするぞ」は名言。かわいい!!
海の男が一番偉いとされる漁村の町が舞台の男同士だからこその物語でした。
好きあいながらも勇作の立場を考えて離れようとする青海と、なにをしてでも青海とともに生きることを決めた勇作の思いが切ない。
これぞ葛藤!!という展開でとても楽しかった。
以下若干ネタバレです
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こういう閉鎖的な社会で自分たちの関係を明かした二人ですが、その二人が町を離れるのではなく、あくまで町で生きていこうとすることを選んだのが印象的でした。
ちょっと都合がよいんじゃないかと思わなくもないですが、私はこのラスト好きです。
幼馴染みモノです。めちゃくちゃいいお話でした。
剛しいらさんも作風が幅広いですねー。
海の町で育った幼馴染み二人が、一緒に過ごすうちに、自然と心通わせるようになります。
でも、受けのほうは、「このままじゃいけない」と、自ら彼のもとを離れようと決意し、東京の大学へと進学する。
冒頭、祭りのために帰省してきた受けと、彼を故郷で待ち続ける攻めの、再会のシーンから始まります。
話は過去にさかのぼったり現代に戻ったりします。
幼いころの二人がめっちゃカワイイ。
この、海の町での伝統的な祭りが、物語を盛り上げるためのいいアイテムになってました。
十年という長いスパンで、この祭りの裏側で大変な事件が起きていたこと、そしてラストの十年目の節目に、「悪しき因習が完全に終わったこと」を予感させてくれたこと、なんか運命じみたものを感じてゾクゾクしました。
神官と顔に傷のある男のサイドストーリーも、想像力をかきたてられました。
いいラストでした。