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友達としてそばにいる間、少しずつ友情という気持ちを注いできた器から入りきらなくなった想いが、そっと溢れる瞬間を切り取って描いた物語だと思う。
必然的に一緒にいる時間が長い分、友情が愛情に変わる危うさを誰よりも秘めている親友という関係の二人。
二股三股は当たり前、女にだらしないが人を好きになる辛さは知っているという野田と、お人好しで誠実だが、苦しくて不安な夜を過ごすほど誰かを好きになったことがない友坂。
中三の春に初めて喋ってから、相手が落ち込んでいる時は余計な詮索などしないが、静かに気持ちに寄り添うような心地好い関係を続けてきたはずなのに・・・
野田に恋をしていると気づいた友坂は、バイト先の店長(ゲイ)に冗談とも本気ともつかない感じでセックスをせまられたり、かと思えば「彼のこと好きだろう」と、野田への恋心を店長に見透かされそうになったりと 心の奥に押し込んで、握りつぶしても失くならない親友への想いを持て余し途方に暮れてしまう。
そして、そんな友坂の自分への気持ちに気づいた野田は「お前が望むなら平気だし やれるよ俺は」と、とうとう友坂と体を重ねてしまうのです。
セックスした後も大学で会って、以前と変わらないように見える二人の関係。
でも何気ない日常の一コマで彼らの心情を表してくれる描写が、決して前と同じのままではいられない二人の間の綻びを痛いほど伝えてくれる。
バイト先で店長に「そんなになるまで必死で自分に嘘をついて つらいだろう?」と声をかけられ、彼の足元にすがって泣いている友坂は、とても見ていられなかった。
あの出来事をなかった事のようにして、いつも通り必死で振る舞う友坂に対し野田の気持ちは・・・というところで物語は次巻に続きます。
ほんのちょっとしたキッカケで、親友に恋してしまった。いつ、友情と恋愛の境界線が揺れ動くだろうと、はらはらしながら読みました。
友坂は野田に気づかれないよう隠します。しかしバイト先の店長(ホモ)に「君――彼のこと好きだろう」と言われ極端に焦ります。この必死さが見所の一つです。
「友情でセックスなんてごめんだな」と友坂は野田に言いつつ、二人は一線を越えてしまいます。これは友情?愛情?…友坂は同情でされたと思い、野田には友達でいよう宣言をします。でも、気持ちは変わらない。そんな友坂の気持ちが痛いほど伝わってきます。
続編が気になりますね!
私も木下先生の作品が大好きですが、読んでみるまでどうして皆さんからの支持が高いのか分かりませんでした。(カバーがごく標準的な感じだったので。)
物語の冒頭から、野田が好きだと自覚してしまう友坂。全く、この二股男のどこがいいのかと思ってしまいます。友坂は自分の気持ちが「友情」ではなくて、「恋」だと気づいてしまう。一線を越えてしまった後、これまでの関係が壊れるのを恐れて「友達でいたい」なんて、よっぽど野田のことが大好きなんだなーと思ってしまいます。
へたれでも、わんこでも、アナログでも、年の差でもありません。むしろこの1冊に「現実」を見たような気がします。自分が学生だったときのことを無性に思い出してしました。講義、大学、居酒屋、一人暮らしのアパート、静かな時間…。
木下先生はこの物語を描くにあたり、大学の取材をしたそうです。そういう「取材力」が根底にあるから、ストーリーも絶対にぶれることを知らない。同級生同士のカップリングといえば、さほど珍しいものではありませんが、ここに流れている静かな時間は甘くて、苦しい(笑)こういうの大好物だなーと思いつつ、すぐに2巻が読みたくなりました。
何気なく読んだ作品。
むちゃむちゃハマりました!
せつなさMAXでした!!
よくある「友達から恋人」の同級生のお話なのですが、
とても丁寧に書かれていまして、
先に恋をする友坂のせつなさは半端なかったです。
またこの2人、本当仲がいいんだなーという2人で、
それがまったく無理がないんですよ!
「こいつが近くにいてくれて良かった」って思った所、
お互い相手を大事に思ってる所、
お互い相手を見てるなーという所、
いっぱい心に残るシーンがありました。
最後2人が話し合うシーン、本当良かったです。
野田からの言葉、最高でした。
恋愛ものを読んだっていうより、
お互いを思い合う、いい意味で友情の物語を読んだ気分です。
なんか今回の場合、恋愛って言葉の方が軽い気がしました。
一読の価値ありです!!
おすすめです!!
親友の野田に恋をしていると気付いた友坂。でも親友だからその気持ちを伝えることもできない。
一人で気持ちを押し殺し、「親友」であり続ける友坂。でも、それは限界にきていた。
バイト先の店長に気持ちを悟られるくらいに友坂の気持ちはあふれ出ていたのだった。
そんな友坂に対し「好き」とか「お前とだったらやれる」とか簡単に言ってしまう野田。
その言葉は友坂を傷つける言葉になるとは知らずに。
そしてついに友坂の気持ちは野田に知られてしまう。
野田は「お前が望むならやれるよ」と二人は体を重ねることとなるのだが。
気持ちをひた隠しにしている友坂も見ていてかなり辛いんですが、関係を持ってしまってからの友坂のほうが見ていてかなりきつい!!見てられない!!
平静を装っているけど、中身はかなりボロボロなんでしょうね。
店長にすがりついて泣いてしまうシーンはほんとうに切なかった。
野田はそういう点では全然男心?がわかってないダメ男だと思う。
でも、完璧なようでいてどこか抜けてる、その危うさが魅力なのかもしれない。
二人が関係を持って、必死に親友であり続けようとする友坂を見て、野田のほうも困惑しているよう。
いいやつなのを知っているからこそ、どうしたらいいのかわからないんでしょうね。
でも、そのやさしさがさらに友坂を傷つけてると思うんですよね。
振るなら振るで、キッパリしてくれたらいいのに、変なやさしさで抱いてしまうから、こんな微妙な関係になってしまったんだ。
親友でいて、もう2度と親友には戻れないような、また自分の気持ちもどう整理したらいいのかわからず、
ぐるぐるぐるぐる自分の中で整理しきれずに、進む道さえもわからない。
そんな友坂はそうとう辛いんだろうなぁ。ほんと、可哀相すぎる…
天禅桃子「wonderful days?」でもあったんですが、自分に想いを寄せる親友に対して、「お前だったらヤれる」と言うことはすごく残酷な台詞ですね。
「したい」と「できる」は全然意味が違うわけで、同情でされたって本気で好きな側からしたらかなりツラいですよね。
それでも好きだから、ついついヤってしまうわけですが…。
それで恋人同士になれるのならめでたしめでたしなのですが、それで恋愛として成り立たなければ、二人の関係は親友には戻れない気がします…