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表題作恋する魔王

リチャード・ランブロウ
FBI捜査官
小野上真倫
28歳,警視庁捜査一課の刑事

その他の収録作品

  • 後日談
  • あとがき

あらすじ

真倫は警視庁捜査一課の刑事。とある捜査で埠頭の倉庫に踏み込んだところ、爆 発に巻き込まれ死を覚悟した真倫の前に、黒髪長髪の悪魔にしか見えない風体の 男が現れる。男は「命を救ってやったのだから私の妻になれ」と言い出す――。 目覚めるとそこは病院だった。夢だったかと思う真倫だったが、その夜、「夢」 に出てきた男が現れ『魔王』だと名乗る。魔王が言うには、真倫は前々々々々世 で婚礼をあげる直前に死んでしまった自分の『花嫁』の生まれ変わりだという。 命を救ってもらったことに感謝しつつも、魔力で愛するようにするという魔王に 反論する真倫。魔王は「魔力は使わない。心を操らない。これから知り合えばい い」と言い姿を消す。翌日、仕事復帰した真倫は、捜査一課長から、来日した FBIのプロファイラーを紹介される。リチャードと名乗る男は魔王そっくりで… …!?

作品情報

作品名
恋する魔王
著者
愁堂れな 
イラスト
蓮川愛 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344846746
3.2

(7)

(0)

萌々

(2)

(5)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
23
評価数
7
平均
3.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

魔王、面白すぎるなー!!

タイトルや表紙からイメージする通りの、コミカルなファンタジー+刑事ものになります。

こちら、主人公が刑事として追う事件の真相といい、「妻になれ」と突拍子も無い事を言い出す魔王の真実といい、ストーリーとしてもとても面白いのです。
いや、序盤からめちゃくちゃ笑いましたもん。

ただ、個人的にそれ以上に魅力的だったのが、主役二人のキャラクター。
特に魔王!

もともとキャラ萌えで読むタイプなのですが、偉そうなくせにどこかトボケた魔王の言動が最高に面白いのです。
また、彼はかなり健気でもあると思うんですよ。
こういう攻め、弱いんだよ。
やたら肩入れして読んじゃうじゃん。
男前な受けもめちゃくちゃ格好いいじゃん。

ちなみに輪廻転生ものでもあるのですが、オチがとても素敵でした。
いや、輪廻転生ものってドラマチックな反面、扱いが難しいとも思うんですよね。
個人的には、前世の君も今生の君も同じ人物とかじゃなく、今を生きている一人の人間として主人公を愛して欲しいと願っちゃうから。
そんな私にとって、とても痛快なオチでしたよ。
いやもう、最高ですね。


内容です。
警視庁捜査一課の刑事・小野上ですが、捜査中に爆破事件に巻き込まれ、自身の死を悟ります。
すると、黒髪長髪の魔王を名乗る凄まじい美貌の男が現れ「命を救ったのだから私の妻となれ」と、突拍子も無い事を言い出しー・・・と言うものです。

で、この「妻になれ」ですが、小野上の前々々々々世が魔王の恋人・マリーン(男で騎士)だったんですね。
マリーンの生まれ変わりをずっと探し続けていた魔王は、やっと見つけ出した小野上の元に意気揚々と現れ、さっそく妻にしようとした・・・と言うのがこの件の真相になるんですけど。

繰り返しになりますが、こちら、ストーリーとしてもとても面白いのです。
現在、小野上達が追う人身売買事件を軸として展開して行くんですけど、警察は犯人一味に裏をかかれてばかり。

果たして、内通者が存在するのか?
存在するなら、それは一体誰なのか?
また、犯人一味の正体は?

と言った具合で、刑事ものとしてとても面白い展開だと思うんですけど。
いや、正義感に溢れる上に、その美貌に反して意外と図太い主人公の刑事としての奮闘が面白いのです。
ついでに相棒である新城とのやりとりにも萌えちゃうのです。
や、新城、明らかに親友以上の想いを小野上に抱いてるよね?と。
当て馬好きにとっては、親友ポジションで主人公を密かに想ういい男って、滾って仕方なくって。

また、更に萌えちゃったのが攻めのキャラクター。
えーと、魔王ですが、偉そうなのにどこか天然と言いますか、妙にトボケた言動で笑わせてくれまして。
そもそもですね、彼にとってはやっと見つけた愛しい恋人と言う事で、最初から愛情マックスなのです。
小野上自身も、自分を愛してくれてると微塵も疑ってないのです。
が、前々々々々世の記憶が無い小野上は、当然「妻になれ」と言われても拒む。
「マリーンと言う男はどうだったか知らないが、少なくとも自分は(魔王を)愛していない」的に。
すると、愕然とした顔で「・・・愛していないだと・・・?」とショックを受ける
いや、魔王かわいそう。
マジで、魔王かわいそう・・・。

これ、魔王ですが、妙に素直でポジティブなのも可愛くて。
魔力を使われる事や、魔王自身を知らない事が問題だと小野上に言われれば、魔力を使わない事にする、そしてこれから知り合えばいいみたいな。
それで私を愛せるな?みたいな。
いやもう、一人で納得して自分に都合の良い解釈を超ポジティブにする魔王。
こいつ、面白すぎるんだけど!
共に過ごせば愛するようになると、FBI捜査官・リチャードとして捜査に参戦しと、展開としても楽しすぎるんだけど!!
えーと、魔王がこんな調子なので、主役二人のやりとりがボケとツッコミと、まるで漫才みたいでとにかく笑えちゃうんですよ。
こういうやりとり、個人的に好きで好きで仕方ないんですよ。

ちなみに、そんな感じで全体的には笑えて可愛いお話なんですけど、事件の真相だったり、前々々々々世・マリーンとの真実だったりは、結構ほろ苦いものになります。

これな!
魔王ですが、こんなオトボケキャラでありながら、実はとても健気だし一途だと思うんですよ。
そして、深く傷付いてもいる・・・。
真実が分かった時、切なくて切なくて仕方なかったですよ。
だからこそ、小野上の強さが救いになるワケですが。
いや、小野上もめっちゃいい男。
人を愛する「怖さ」に負けない、すごく強い人間だと思う。
こういう受けも、めちゃくちゃ好きなんだけど。

と、そんな感じで、とにかく個人的ツボの素敵な作品でした。

6

黒髪ロン毛

愁堂先生の新刊、なんとルチルさんで89冊目とのこと!(すごいです)「警察もの」にがっつりファンタジーも入っていたためちょっと驚きでしたが、さらっと読んでしまったので萌にしました。久しぶりにhontoさんで買いましたがイラストも入っているし電子限定特典もあるし、嬉しい限りです!本編+後日談(多分紙で8Pぐらい?)+電子限定おまけ5Pほど?でした。

麻布で偶然見覚えのある男が運転する車を見かけたため追跡している小野上(このうえ)。人身売買の疑いがあるため晴海ふ頭まで追いかけてきたのですが、気付かれてしまい、やむなく単独で押し入ったところ、地響きと共に体が吹き飛び・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
新城(受けの相棒)、ライカ(攻めの従者、金髪ロン毛イケメン♡、ツン)、キース(攻めの使い魔、烏、しゃべらないがタバコ好き)、警察の上司、仲間少々。ライカもキースも良い感じでした!

++ より中身に触れる感想

攻めは魔力等の凄さを感じるより、尊大どっしり殿様という印象な魔王様(冗談ではなく)。受けに受け入れてもらうため人間の姿を取ると、ストレートの黒髪ロン毛になって、挿絵的にはパタ○ロに出てくるバン○ランな方でした。美形なのですが、魔力使うなと受けから言われたのを忠実に守っているので、万能感はあまり感じなかったです。(従者のライカが代わりに魔力バリバリ使う)

受けさんは熱血鈍感刑事さんで、私がそんなに萌を感じないタイプだからかな、彼の恋心の盛り上がりをあまり感じられなかったです。攻めも最初から受けを「前世の恋人の生まれ変わりだ」と熱愛しているので、盛り上がる恋心を楽しむという点ではちょっと物足りなかったかな。

人身売買という事件話と、超ファンタジーな部分が半々ぐらいな印象で、ちょっと珍しいかなと思ったお話でした。もうちょっと前世の恋人とのエピが多めにあると切ない方に傾いて萌えたかな・・?

1

可もなく不可もなく

サラッと読めてしまいました。

そして内部の内通者も思った通りの展開で…親友で実は受けに恋愛感情を抱いていて、犯罪に手を染めている…あのシリーズにもありましたよね。

面白いし魔王がマリーンを亡くした話は可哀想だと思ったけど、真倫がその時のマリーンの心情を知ってしまった所で冷めてしまいました。

魔王がFBIのプロファイラーとして捜査に参加したり、タバコが好きな使い魔のキースは面白かったけど、読み終わると物足りなかったかなあ。

私は何度も何度も愁堂作品のレビューに書いて来てますが、先生にはシリーズ物を優先して欲しいです。
途中で止まったままのありますよね!

本当は中立よりの萌です。

1

気軽に読める焦れ恋ファンタジー

面白かったです。
一途で可愛いい魔王って、もうテッパンですよね。
ただ、安心して読めてキュンとするけど、これといった個性や独創性は感じませんでした。

前々々々々世で魔王と恋に落ちた青年が、現世で刑事として生まれ変わって……という、輪廻転生もののファンタジーです。
前世で愛してくれたんだから現世でも愛してくれるよね?という感じの魔王に対し、〝いやいや、愛してませんけど?〟みたいな受けの小野上とのやり取りが面白くて、そう言われる度に落ち込む魔王が可愛いっていうね。

そして、魔王なので何でもあり。
FBIとして警察内に入り込み、小野上が追っていた人身売買事件も解決しちゃうし、人の心を読んだり記憶をコントロールしたり、正直チートです^^;
これでいいのか?と思わなくもない。  
でも、事件の影で暗躍する意外な裏切者とか、まさに2時間サスペンスのような世界観でそれなりに楽しめます。
(犯人はすぐ分かっちゃいますけど)

気持ちのすれ違いは切ないし、無理強いせず小野上の気持ちを大切にしてくれる魔王の態度は好きだなと思いました。
ラストも魔王の優しさが滲み入る素敵なものです。

全体を通して魔王が可愛く、正義感あふれる男らしい小野上も好感度高いです。
壮大なファンタジーでも読み応えがあるわけでもないけど、ほのかな温かさが残る読後感は、愁堂先生の読みやすく優しい文章によるものだと思います。
もともと蓮川愛先生が大好きで手に取ったのですが、作中のイラストも多く、とても素敵でした♡

それにしても、魔王って普段は何してる人なんだろう?なぞ。

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