てんてん
本品は『もふもふ遊郭の初夜花嫁』のコミコミ特典小冊子です。
本編後、2人が互いの手紙を読みあうお話です。
貴仁の仕事がない午後、2人は屋敷の部屋に籠もって「黙読会」を
行います。
銀花は貴仁のために紅茶を入れて部屋までやってきますが、目的の
扉の前で目を瞬かせてしまいます。両手でお盆を持っているせいで
ノックができないと気付いたのです。
でも茶器やグラスといった口につけるもものを熨せたお盆を廊下に
置くのも戸惑われます。足で蹴ってノックするなんて行儀が悪くて
出来ないと悩んでいると内側からそっと扉が開きました。
ただ貴仁は険しい顔で銀花を見下ろしていて機嫌が悪そうですが、
両手がふさがっていたら声を出して助けを求めればいいし、お茶も
メイドに用意させたらいいのにと言われてしまいます。
銀花は貴仁の手を煩わせたりしたくないし、この紅茶もどうしても
自分で入れたかったのです。というのもルークから貴仁が英国にい
た頃は夏に檸檬の紅茶を好んで飲んでいたと聞いていて、茶葉も
ルークにもらっていたのです。
それを聞いた貴仁は複雑そうな顔をしたので、ルークのように身分
の高い人と話すのは良くないのかと慌てた銀花でしたが、銀花が
ルークと親しく話す事に妬いたと言われてしまいます(笑)
貴仁のために入れた紅茶は上手に入れられたらしく、貴仁に美味し
いと言われた銀花はとても嬉しい気持ちになります。異国での貴仁
の暮らしに知る事ができたように思えたのです。
そして2人は「黙読会」を始め・・・
A5判カラー表紙(文庫カバー同イラスト)12頁のボリュームにて、
2人が離れていた間の手紙を読みあうお話です♪
銀花は貴仁の手紙にみるみる目の前がぼやけてきてしまいます。
手紙の中の貴仁は今の銀花と同じ年頃ですが、どの手紙にも銀花を
想い、手紙のない不安と寂しさが伝わってきました。
帰国した貴仁が桜楼閣で着飾った銀花を見て裏切られたと思っても
仕方がないと思うのですが、貴仁は寂しかったし、猜疑心も沸いた
けど今はあの頃の自分に申し訳ないなと言います。
銀花がこんなに大好きを伝えようとしてくれた事を知らないままで
今の俺が独り占めして
そん貴仁のために銀花は沢山勉強すると宣言しますが、貴仁は一緒
にいる時間も確保して欲しいと言い、冬になったら美味しいミルク
ティーの入れ方を教えてあげると微笑む
・・・というラブラブな後日談でした♪
幸せな今を過ごしているからこそ、過ぎた昔のやるせなさも寂しさも
払拭できるのでしょう。これからは2人で一緒に幸せを積み重ねていっ
て欲しいなと思える優しいSSでした (^-^)
またしても言葉足らずで紅茶を淹れてくれた銀花に誤解を与えてしまっていた貴仁でした。
独占欲でルークにヤキモチを焼く前に、銀花をデロデロに甘やかして欲しかったです。
それでも今回のお話では貴仁の届かなかった手紙から、銀花への切ないまでの思いが伝わって来たので良かったです。
銀花の事が好きで好きでしょうがないのが伝わって来ました。
ただ気になってしまったのが、相変わらずな銀花の思考でした。ちょっとは理不尽だと怒っていいし、過去の事も納得しないで欲しいと思ってしまいました。これでは混合種の地位向上の礎になる事が出来るのかと不安になりました。