kurinn
本編で気になっていた末弟の庸介視点のお話でした。
森吉の本質に庸介が気がついた理由が書かれていて、庸介がとても聡いコだというのが分かりました。
森吉をかなり理想化してる上の双子たちとは違います。双子たちは森吉に彼女が出来たと思ってて結婚したら嫌だなとか思ってて、この2人もかなり問題があると思ってしまいました。
組木との惚気を聞かされる庸介には気の毒だと思ったけど、人間らしい表情を見せるようになった森吉に良かったと思っていると知れて良かったです。
やはり庸介と彼氏とのスピンオフに組木と森吉が登場して欲しいし、双子が長兄と末弟の恋人を知ってどうなるか読みたいと思ってしまいました。
本品は『完璧な恋の話』のフェア書店特典ペーパーです。
本編後、庸介が慧の恋人について探りを入れられるお話です。
森吉家の双子は長男である慧を尊敬できる兄と思っていますが、三男
である庸介は慧を胡散臭い男だと思っています。
今も双子の兄姉は、最近しょっちゅう帰りの遅く、泊まりもある慧に
彼女ができたのではと話し合っているのを、庸介は聞こえないふりで
スマホをいじっていました。
2人は長男の恋人が男である事を知りません。知っているのは末弟で
ある庸介だけで、庸介はその事実を双子達に言うつもりはなく、話題
に巻きこまれたくなくて自室に逃げ込もうとした矢先に、次兄から
「彼女のこととか聞いていないか」と問われてしまいます。
年下野やたらと出来る彼氏との馴れ初めとか、順調に交際している事
とか、聞きたくもないのに隙あらば襲い掛かる惚気話なら嫌という程
聞いていますが「彼女のこととか、知らないけど」とそそくさと居間
をでました。
彼女等存在しないので嘘はついていません。廊下に出たところで玄関
の鍵が開く音がして長男が帰ってきて・・・
B5版片面2段組にて庸介視点での兄と恋人のその後が語られています♪
慧は組木と言った鉄鍋料理屋の杏仁豆腐が美味しかったからと土産に
してきたらしく、鼻歌交じりに双子の待つ居間に向かいます。
庸介はあった事がありませんが、組木というのが兄の恋人らしく、
双子は長兄並みに顔が良くて優しくて気が利くタイプと言い、慧も
自分とは比較にならないハイスペック男だと言います。
付き合ってから初めての泊りがけの旅行の後に惚気話をする兄の照れ
た様な幸せそうな笑顔は見ている庸介の方が恥ずかしくなるようなも
ので、人間らしい感情が宿ったなら良かったんだろうなと思います。
ただ少しだけ、それが家族にのみ向けられる特別なものではなかった
のかと思うと、腹が立つような、寂しいような気がしないでもない
・・・という長兄の近況と末弟のなんとも言えない心情が読めるほのぼ
のとしたお話でした♪
本編では長兄を突き放しているような末弟でしたが、双子達同様、
長兄が大好きだったのですね。大好きだから気付いてしまってモヤ
モヤしていたのでしょう。
長兄がそういう機微に疎そうなので更に複雑になってしまったのかな
と思うとちょっと可哀そうです。まぁ、その分、精神年齢は長兄を
抜いてますね。
末弟の恋バナがますます気になったSSでした (^-^)