聡明な王子×子を為す性に生まれた僧侶の、オメガバース風ファンタジー!

小説

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瑠璃の書の司は碧の王子の番

ruri no shonotsukasa wa midori no ouji no sho

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表題作瑠璃の書の司は碧の王子の番

シグレス
16歳,ソディア国第三王子で貴種(α)
ナイティス
19歳,僧侶で種器(Ω)

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

生来の可憐な美貌ゆえに、男でも子を産む「種器」ではないかと疑われてきた僧侶のナイティス。成年を過ぎても発情の兆しがないため、疑いを打ち消してきたある日、ナイティスは憧れの王宮図書館で司書の見習いをすることになる。そこで年下ながら聡明で美しい第三王子・シグレスと出会い、互いに本好きなことで共鳴して親しくなる。しかし、好色な第二王子に目を付けられ、囲われそうになったところをシグレスに助けられるが、その方法は彼の妃として過ごすというもので…?

作品情報

作品名
瑠璃の書の司は碧の王子の番
著者
魚形青 
イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784041097946
3.1

(22)

(3)

萌々

(6)

(7)

中立

(3)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
5
得点
63
評価数
22
平均
3.1 / 5
神率
13.6%

レビュー投稿数5

罪作りな無自覚超美貌の僧侶の物語 

受賞デビュー作
「第20回ルビー小説大賞で優秀賞・読者賞をW 受賞!読者審査員絶賛の受賞作」
https://bit.ly/3dYkwNN
・・「設定の面白さとドラマティックな展開」が評価された作品。

出版社が推す作家だけあって、みずかねりょう 先生が絵師。
丁寧に作画された表紙が美麗。この作品は、絵師買い。 
受賞作だけあって、面白かった。
オリジナルのオメガバース。

★カクヨムにあるSSはココ➡https://bit.ly/3F4GkTP

オメガ=種器
アルファ=貴種

主人公は、僧院の前に置き去りにされた捨て子。
外観や容貌からオメガではないかと思われるけれど、成長・性徴が遅い。
17才で成人。オメガは僧侶に成れない。
でも主人公は性徴が遅いので、僧侶となり、王都の図書館司書に就く。
・・・主人公の美貌に魅了されて、王都に着くまでに二人の人生を狂わせる。
本人無自覚の美貌に、惑わされるアルファが出てしまう。
主人公は、稀に見る美貌の持ち主なのに、田舎の僧院育ちの為に自覚がなく(鏡で見たことが無い)、無防備。
禁欲を美徳とする宗派の崇拝する聖ヒラスは、出家する前はオメガ。番の騎士が戦死した後、去勢して僧侶になった人。
・・・捏造隠ぺいされて神格化された聖者の真実を知った主人公。・・ここの匂わせぶりは、匂いだけだった。
そして、婚約中の王子が、成人の儀の行事、領地巡行で一年外に出る。
その間に起きる、無自覚超美貌の主人公が、ただそこに居るだけなのに、周囲を惑わす騒動が面白かった。

村長の息子、還俗した先輩僧が番と登場する場面で仕込んだ伏線の回収がほんの一行だったりで、萌えきれないと思う人が出るのかもしれない。
この規模の世界観の広げ方だと、一巻で終わらせるのは難しい。不完全燃焼の感。
続編 お願いします。

2

主人公の数奇な運命に萌えるのです

角川ルビー小説大賞、優秀賞+読者賞のW受賞作になります。
デビューおめでとうございます!

で、こちら、ストーリーに捻りがあるとか、アッと言わせる派手な展開で読ませてくれるってお話では無いのです。
ただ、主人公の数奇とも言える人生を丁寧に綴った、感動作なんですよね。
オメガバース設定が、巧みに生かされた。

捨て子として僧院で育ち、僧侶となった主人公。
司書見習いとして王都へとやって来た彼は、そこで第三王子と出逢い、親しくなるんですね。
そんな中、突然の発情が襲い、自身が種器(Ω)だったと知ると共に僧侶としての資格を無くしてしまう・・・。
悩み、もがき苦しみつつも、自分の道を探す主人公。
やがて彼は、第三王子と愛を育みー・・・と言った感じで。

主人公であるナイティスですけど、すごく真面目で敬虔な僧侶です。
ただ、その美しさから種器だと疑われ、またトラブルに巻き込まれる事も多い。

で、そんな彼と王立図書館で出会ったのが、年下ながら包容力があり、快活な第三王子・シグレス。

シグレスが図書館に通う形で二人は親しくなりますが、ナイティスがその美貌から、好色な第二王子に目を付けられてしまう・・・。
そこで、シグレスが自分の妃にすると言う形で、ナイティスを保護し・・・と言う流れ。

繰り返しになりますが、主人公の数奇とも言える運命を、とても丁寧に綴った作品なんですよ。
ナイティスはかなりの本好きなんですけど、念願の司書見習いとしての日々に、明るく快活なシグレスとの楽しい時間。
そして、僧侶としての道を閉ざされ、ただただ絶望を味わい苦悩する日々。
そんなナイティスと、厳しくも真っ直ぐに向き合ってくれるシグレスに、やがて恋している自分に気付き・・・みたいな。

こう、主人公の心情がですね、すごく丁寧に追ってあるのです。
ただただ彼の健気さや敬虔さと言った美しい部分だけでは無く、彼の弱さと言った部分まで。
でもそこが、すごく読み応えがある。

また、攻めであるシグレスがとにかく格好いい。
彼の言動と言うのは結構厳しくもあるんですけど、ナイティスが大切だからだと言う事が伝わってくるため、嫌な気持ちにはならなくて。

これね、主人公の歩む道は、決して平坦なものでは無いのです。
そんな中で悩み迷いつつも、真摯に誠実に生き、やがて大輪の花を咲かせる主人公に、すごく感動するんですよ。
どこか大河ドラマみたいな雰囲気もあって。
特にラストシーンは素晴らしくて、胸にこみ上げてくるものがある。
すごく素敵なお話なのです。

が、若干引っ掛かる点と言うか、注意点。
えーと、こちらですね、なんかWeb小説っぽい雰囲気なんですよね。
こう、良く言えば丁寧だし、悪く言えばクドクドしく長ったらしい。
主人公が種器だと判明するのも100Pを越えてからと、「ここでやっとかい!」と。
いや、ここまでずっとずーっと、「(自分が)もし種器だったら・・・」とかナイティスがやってる為、ちょいイラっとしちゃったりして。
もちろん私が短気なだけで、主人公に共感される方も多いと思うんですけど。

あと、これは完全に個人的な好みの問題ですが、主人公モテモテが好きでは無い。
いや、村長の息子から同じ僧侶から、町に出れば通りすがりのモブからと、皆が皆ナイティスに惚れちゃうんですよね。
終盤で、ナイティスを恋敵として目の敵にしていたサブキャラまで惚れるに至っては、「ブルータス、お前もか!」と。
や、彼がナイティスに惚れるのは、何か嫌だなと。
お前のシグレスへの想いは、そんな簡単なものだったんかい!と。
まぁ、これは本当に好みの問題なので、逆に「主人公モテモテで最高!」って方も多いとは思うんですけど。

ちなみに、「溺愛オメガバース!!」となってますが、溺愛で甘々って感じでも無かったりします。
いや、溺愛の定義は分からないけど。
う~ん。
なにをもって「溺愛!!」になったんかなぁ。
最後は確かに甘いんですけど。

この、人気があるからってやたら「溺愛」を持ってくるの、やめた方がいいと思うんですよね。
溺愛を期待して読まれた方が、「溺愛じゃねーじゃんか!」と裏切られて、結果的に評価が下がる事になりかねないから。
こういう事で評価が下がるのって、一番やりきれなくない?

と、若干引っ掛かる部分もあるんですけど、とても感動的な、個人的にはツボ作品でした。
「甘~い!」「可愛い!!」と萌え転がるってよりは、主人公の人生をじっくり丁寧に読ませる穏やかな雰囲気の作品だと思います。

8

無自覚で魅力を振りまく僧侶について

今回は青の王子と呼ばれる第三王子と書の司見習いの僧侶のお話です。

書の司見習いとして王宮の図書館に入った受様が攻様の伴侶となるまで。

受様はアトレ教ヒラス派僧院前で拾われて育てられます。僧侶を目指して
励みますが、幼い頃から優し気で美しい顔立ち故に種器の者ではないかと
言わ続け、成年を迎えてもすぐには正式な僧侶になれませんでした。

この国には頭脳や容姿に優れる貴種に待遇する存在として種器が存在しま
す。種器は発情すると交接のことしか考えられない淫ら極まりない性質で
蔑視されたり、貶められたりしますが、貴種が種器を求める本能は強く、
互いを求める想いが一致すれば比類なき番として幸福な人生が約束される
と言われています。

ヒラス派は純潔を守るため種器の者は入れず、種器が17の成年前後で発情
する事から、受様は17を過ぎ、20が近づいても発情する気配がない事で
ようやく僧侶見習いから僧侶になれました。

受様は学僧として僧院の図書館の書の司の手伝いをしていましたが、王宮
図書館の赴くはずだった貴種の武僧が還俗、代理となります。受様には荷
が重い役目でしたが、貴種である村長の息子から種器として妻にと迫られ
ていた事もあり、王都に向かう事となります。

そうして辿りついた王都の中心そびえる白い王宮は壮大で、王宮のすぐ横
にあるアトレ教最大の宗派であるガダイ派の寺院もまた豪壮であり、清貧
を旨とするヒラス派の受様には華美に見える程でした。

受様は王宮内にある小さなヒラス派僧院に滞在し、務めと勉学の為に図書
館に通う予定です。派遣されるはずだった武僧は血筋も良く人脈つくりも
期待されていましたが、受様にそんな役目は出来ない為、僧院に無い本の
写本作りを目標とします。

僧院長と共に向かった図書館は王宮に比べて古びていましたが、大きくて
立派な書架が壁を埋め尽くす様に受様は目を見張ります。その上僧院には
無かった物語の本が多くあると知ると更に目が輝きました。

そんな中、受様はまたもや種器と間違われて、威風堂々とした豪奢な青い
マントに身を包んだ少年に声を掛けられます。この少年こそ今回の攻様に
なります♪

攻様は今年16を迎えたばかりの第三王子です。とても聡明で既に大学の上
の級まで納めていて、本好きで図書館に理解があり、三兄弟の中では一番
物がわかった方だと教えられます。

第一王子は病弱、第二王子は武芸に秀でては要るものの勉学を好まず、貴
種としての性質が過ぎて自分の宮に多くの種器を召し抱えていると言うの
です。その上第二王子の母は大臣の娘ですが、攻様の母は隣国出で後ろ盾
がなく、王宮内の勢力図は複雑な様相を呈していたのです。

受様が書の司見習いとして図書館に通い始めると、図書館通いを日課とす
る攻様と本を通じて次第に親しくなっていくのですが、北方の辺境守護の
任務に就いていた第二王子が帰還し、受様に目を付けられます。

第二王子は受様を種器と断言して自分の宮に来いと受様に迫りますが、発
情していない受様には受け入れられません。ましてや種器ならヒラス派の
僧侶ではいられないのです。

果たして受様は第二王子の言うように種器なのか!?
種器だとしても第二王子の手から逃れる術はあるのか!?

角川ルビー小説大賞の優秀賞と読者賞をダブル受賞した魚形さんのデビュ
ー作は側室腹の第三王子と清貧を旨とする僧侶のオメガバースとなります♪

但、受様が自分が種器である事をなかなか認めないというか信じないので
オメガバースな設定は貴種と種器の存在、種器の発情、運命の番的な関係
性くらいしかなかったです。

攻様が受様は僧侶であり、貴種はないとしてなんとか第二王子の手から逃
れた受様でしたが、第二王子が自分の宮に入れた種器により、発情を促す
薬を盛られた受様は強引に発情させられ、種器である事が明らかになるの
です。

そんな受様を救うべく攻様が受様を自分の妃にすると宣言するのですが、
第二王子は益々受様に興味を引かれ、攻様の妃を狙っていた貴族の姫に
忌避され、攻様を慕う騎士に疎まれるようになります。

彼等との関りと共に味方である攻様の母、攻様の母を慕う騎士や書の司の
力添えで、受様も徐々に種器である自分を受け入れて攻様の伴侶とて成長
していく様子を楽しく読ませて頂きました。

受視点よりなので、攻様の思いが上手く伝わっていませんが、攻様的には
一目惚れに近い感覚で受様に引かれていたのかと思います。鈍感な受様が
攻様の思いにも自身の気持ちにもなかなか気づかないジレジレは萌えツボ
を刺激されて良かったです。

しかしながら受様を狙う貴種が元武僧、村長の息子、第二王子、名のなき
モブとパラパラ登場しながらも、意味深な言動のみで後に繋がらない為に
期待したほどのハラハラやワクワクな展開が少なかったのが残念でした。

世界観やキャラクター設定は魅力的でしたので次作に期待しています♪

3

待て

みずかね先生なのでマストバイ。魚形先生は当本がデビュー作とのこと、おめでとうございます。デビュー作なのに申し訳ないですが、すごく長く「待て」をされた心地でしたので中立にしました。前半、まだ少年らしさが残っていたころの攻めさんは可愛かったんだけどな。焦らしプレイがお好きな方でしたらいいのかもです。本の虫な受けさんのオメガバースもどきのお話、ひ○りTVブックさんで購入、イラスト付き、電子限定SSあり。

ソディア国のイクシの谷にあるアレス教の僧院の前に捨てられていたナイティス。村長の息子からしつこく言い寄られ困っていたのですが、王宮の図書館に行き書の司の元で勤めながら学んで来いと言われ・・・と続きます。
オメガバースもどきの設定は、オメガ=種器、アルファ=貴種という表現になっていること、発情、抑制剤はあるけど、定期的な発情やうなじを咬んだら等という設定は無かったような気がします。

攻め受け以外の登場人物は
ケディン、クラン(攻めの従騎士)、フィグレン(王宮図書館の一番偉い人)、イザリク(病弱な第一王子)、ガイナス(沢山の種器のものを抱える第二王子)、攻め母(青宮妃)、デイラ(受けの侍女)、リンドロ(ガイナスの側にいる種器)ぐらい?

++攻め受けについて

受けはクセなし素直で本好きなまじめちゃん僧侶。図書館で働いていたころから攻めさんと交流あり、惚れられていたようですが、にぶちん受けさん、まったく気づかず(笑)。一生懸命攻めさんはアピールしているし、周りもそれとなく受けさんにほのめかしているのにねえ。種器とわかり僧侶でいられなくなった時はしょげてましたが、攻めさんに大切にされて、良いお妃さまになられると思います。

受けさんが発情するやいなや、「これはおれのもんだ」と自室にかっさらっていった攻めさん。最初からずっと好きだったんでしょうね。前半は未成年で、少し体が出来上がっていなかった様子。「受けさんを抱き上げることも出来ないお子様」というような発言を、好き者兄貴から言われてました。それが1年修行?外交?の旅に出かけて、すっかり大人の男になって帰ってくるや、結婚、ハピエンというお話。

やることやるまで長い長い。途中発情して、お、来たかと思ったら一年待ちですよ、奥様。美麗な想定本の記載や、宗派に関することなどは面白かったし、未成年扱いされて頑張る年下攻めは可愛かったんですが、ぶっすりと刺さる箇所があまりなく。挿絵はめっちゃ美麗だったんですけど、少し残念でした。ごめんなさい。

3

ネガティブ続き

僧侶のナイティスと王子のシグレスが少しずつ心を通わせていくお話で、アルファを貴種、オメガを種器と表現しているオメガバースです。
しかし、首を噛まれたら番になる設定はなく、運命の番の定義もよく分かりませんでした。

未遂とはいえナイティスが村長の息子とシグレスの兄から襲われるので苦手な方はご注意下さい。
途中からナイティスに言い寄る男の多さに辟易してしまいました。

序盤から種器ではないと否定するナイティスの独白が続き、種器だと分かったら憂い、シグレスと離れたら浮気の心配をして……とネガティブな感情が続く割に、シグレスとのイチャイチャが少なかったのであまり萌えられず残念です。

特にシグレスが旅から帰ってきて即結婚式を挙げて初夜という流れが性急過ぎて、そこまで我慢したなら結婚式もちゃんと挙げてほしかったなと思いました。

0

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