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鏡よ鏡、毒リンゴを食べたのは誰?

kagamiyokagami, dokuringo wo tabetano wa dare?

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表題作鏡よ鏡、毒リンゴを食べたのは誰?

氏家紹惟
完璧主義の天才写真家
瀬戸永利
22歳~,元子役で元アイドルの俳優兼モデル

その他の収録作品

  • あとがき
  • 写真家 氏家紹惟は砕けない(描き下ろし)

あらすじ

売れない元子役のアイドルが、
一夜にしてトップモデルへ転身!?
クビ寸前の永利(えいり) を抜擢したのは、
完璧主義の天才写真家・ 紹惟(しょうい)。
彼のモデルは代々『ミューズ』と呼ばれ、
撮影中は一心に紹惟の寵愛を受ける。
求めれば抱いてくれるけれど、
冷静な態度は崩さず、想いには応えてくれない。
深入りして、疎まれるのは嫌だ…。
そんな思いを抱えたまま、十年――。
恐れていた、新しいミューズが現われて…!?

作品情報

作品名
鏡よ鏡、毒リンゴを食べたのは誰?
著者
小中大豆 
イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
鏡よ鏡、毒リンゴを食べたのは誰?
発売日
電子発売日
ISBN
9784199010125
4.2

(210)

(120)

萌々

(56)

(18)

中立

(4)

趣味じゃない

(12)

レビュー数
28
得点
882
評価数
210
平均
4.2 / 5
神率
57.1%

レビュー投稿数28

10年の思いが報われてよかった

写真家×俳優の年の差ラブ。

子役出身で崖っぷちタレントの永利は天才写真家の紹惟から被写体に抜擢されることで芸能活動の転機を迎えます。
紹惟は仕事のためなら何でもする男で、ステージママから搾取され愛情に飢えていた永利を自宅に住まわせ、お風呂に入れて髪を洗ってあげたり食事を作ってあげたりと甲斐甲斐しく世話を焼き、そんな紹惟に永利が惹かれるのは当然の成り行きでした。
永利は紹惟にのめり込むのですが、紹惟が永利に構う理由は恋愛とは別のところにあって、同じ気持ちを返してはくれません。紹惟は過去にも、ミューズとして被写体にしてきた女性と結婚しては離婚、を三度繰り返し、永利と性的な関係を持つようになってからも、そういう相手が他にもいました。

友達兼セフレの関係が10年続いたところで、紹惟の写真も二人の関係もマンネリ化してきて、次のステップに進むために非凡な才能を持つ役者をもう一人のミューズとして抜擢し、二人のミューズとして作品を作っていくことになります。
その若手役者の昴也を白雪姫、永利を魔女のイメージで作品作りをしていたため、永利を追い込むために撮影中は関係を持たないことにすると紹惟が告げ、てっきり紹惟の興味が昴也に移ったのだと思った永利は、狙い通り一度どん底まで落ちて、そこで俳優という仕事の面白さに気づき、また這い上がって来た、といったストーリーでした。

10年のうち9年は他に相手がいた紹惟が、これからは永利だけにすると告白したことについて、9年かかってようやく永利の大切さに気付けたというより、年を取ったことと仕事が落ち目になったことが理由なのかなと思ってしまったので、思いが通じ合ったことに対する感動は薄めでした。
歴代妻のように途中で愛想をつかさなかった永利には、10年の思いが報われてよかったねという気分です。

1

面白かったけど萌え少なめでした

先生の「気難しい王子に捧げる寓話」が大好きで、他にも数作拝読しています。本作も気になっていたので読んでみました。
ずっと受け視点の作品で、ラストの書き下ろしのみ攻め視点です。

22歳で氏家紹惟(しょうい)に見出され売れっ子となったモデルで俳優の永利。それから10年、紹惟とはエッチもする友人関係だが、実はずっと一途に恋をしている。
永利がずっと一途に紹惟を想っているけど、紹惟に捨てられないために、そんなそぶりは見せないように振る舞っている様子が、健気でちょっと切ないです。

一方紹惟は、受けの視点でしか描かれないので、本当の気持ちは見えませんが、クールであまり永利に執着していなさそうに描かれています。

中盤、とうとう新しいミューズが見つかり、二人のミューズとしてプロジェクトが進む。ここで永利が、恋愛も仕事もかなり厳しい壁にぶつかることに。
紹惟と口論して仲違いするシーンや、荷物が送り返されるシーンなど、かなり永利が追い詰められて「死んでしまいたい」というモノローグも。読んでいる方もしんどい気持ちに。
しかしその後、自分自身と向き合い、足掻いて、自分の殻を打ち破っていくシーンは夢中になって読み進みました。

終盤にようやく紹惟の真意が明らかに。この辺は想定内の展開でした。

巻末書き下ろし【写真家 氏家紹惟は砕けない】
こちらのみ攻め視点。紹惟がなかなか重めの執着で良きでした。脇役3人も楽しかった。

当て馬キャラで永利の親友でもある誠一が、すごくいい奴で、永利との掛け合いも楽しくて好きなキャラでした。ゲイなのでスピンオフ読んでみたいです。

最後まで面白く拝読したので、星4と5で悩みましたが、主役の二人があまりにも美形な上セレブなせいか、終盤になってもあまり萌えを感じられなかったので、この評価になりました。
高評価の続編も気になるので、そのうち読んでみたいと思います。

0

言葉足らずの焦れったさ

小中大豆先生の既刊作品は拝読させて頂き、今作も作家買いさせて頂きました。

個人的、各項目5段階で
焦れったい 3
すれ違い 3
拗らせ 2
エロ 1
な感じだと思います。

紹惟さん×永利さんのカプです。

タイトルから、白雪姫モチーフなのは分かるのですが、ミステリーやサスペンス、ファンタジー物ではなく、芸能界を舞台にした現代物です。

クビ寸前だったアイドルの永利さんは、天才写真家の紹惟さんにモデルとして抜擢され、トップモデルの仲間入りをする。だけど、紹惟さんに飽きられてしまうと、ミューズである永利さんはお役御免になってしまう。

ミューズ間、身体を重ねる紹惟さんと永利さん。だけど紹惟さんの言動から深入りして嫌われたら、後々辛いのは自身だからと、紹惟さんに想いを寄せながら不安を抱えている永利さん。でも、何だかんだ10年も紹惟さんのモデルをしているのだから、何かしら想いがあるだろうと、察することは出来るのですが、ほんのり拗らせているのと言葉足らずなので、2人の仲はすれ違っていますね。

焦れったくてもどかしい紹惟さんと永利さんですが、モデルや俳優などの芸能界を舞台にしたお仕事要素やキャラクターの心理描写などが味わえるので、是非とも読んでほしいです。

0

No Title

いやー辛かった。10年セフレは辛いし突き放され方が辛い。攻め、一年ぽっちじゃ全然寝てないとかどの口が言ってるんだという感じでした。こういう話大好きだけど。依存してしまった受けが脱皮していく様は良かった。本当に言葉が足りない攻めでした…。誠一いいやつ。

0

シンデレラのその後

売れっ子写真家 紹惟と売れっ子モデル・俳優 永利。紹惟のミューズの写真集は売れる。彼は被写体に飽きるまでのめり込む性質で、過去3人の女性を被写体(ミューズ)として売れっ子にし、結婚・離婚した。2人は10年前に鬼才の売れっ子写真家と元売れないアイドルで元子役として出会い、紹惟に見初められて永利は4人目のミューズになった。当時22歳で元子役としてお人形のように仕事をこなしていた永利は、撮影のため彼と共に暮らし、大事にされる中で抱いて欲しいと頼み体を重ねた。そして撮影が終わった後も「自分は他の男とも寝ていて、身体だけの関係」と偽りながら紹惟に片思いを続けている。そんな中、永利を含めた2人のミューズで撮影するという話を聞き、いつか新しいミューズに目移りして紹惟に飽きられるかもしれない恐怖に、現実味が帯びて…、というお話。

過去の2人の話は、短いながらも永利が紹惟にのめり込んでいく、そしてシンデレラのように芸能界を駆け上がっていく様がわかって凄かった…。32歳になった永利は、紹惟のミューズでいられる自信がなく、真面目で、健気。彼の紹惟への想いと仕事への姿勢、そして成長していく様子が愛おしく、ワクワクしてページを捲る手が止まりませんでした!
また、周りの人たちが生き生きしていてみんな魅力的!特にお友達とマネージャーが大好きです!

主人公の成長ストーリーが読みたい人には非常にオススメ。
なぜか怖いしんどい話と勘違いして今まで手にとらなかった自分が信じられません(笑)続きも一緒に購入したので楽しみです!

3

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