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表題作拒まない男

黒瀬望海
探偵
白石律
ホテルコンシェルジュ,探偵助手

その他の収録作品

  • もうひとりの拒まない男
  • あとがき(描き下ろし)

あらすじ

探偵の黒瀬望海は、ある議員の浮気調査中。
議員の浮気相手として浮上したのは、優秀なホテルコンシェルジュで黒瀬の探偵助手でもある白石 律だった。
ひそかに律を想っていた黒瀬は、嫉妬と怒りから律を抱くが実は両想いだったと判明!
公私ともに最高のパートナーを得た黒瀬に対し、律は何かを隠しているようで…?

ストーリーテラー三月えみが描く一筋縄ではいかない男たちのダウトな恋愛模様。

【収録作品】
拒まない男1~7
もうひとりの拒まない男

作品情報

作品名
拒まない男
著者
三月えみ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス 麗人セレクション
発売日
電子発売日
ISBN
9784801971752
4.5

(510)

(347)

萌々

(107)

(41)

中立

(8)

趣味じゃない

(7)

レビュー数
60
得点
2294
評価数
510
平均
4.5 / 5
神率
68%

レビュー投稿数60

ストーリーテラーの名に恥じない!

めちゃめちゃ良かったです!
コミカルかと思ったら意外とシリアスで、救済の物語でもあります。

情に厚い探偵×拒まないホテルコンシェルジュ

美人で優しいコンシェルジュに一目惚れした探偵・黒瀬と、クールな接客のプロ・白石。
二人は実は両思いで……と、いうラブストーリーかと思いきや、読み進めていくうちにお互いの意外な内面が曝け出されていきます。
ストーリーが二転三転しながら進むので、少しも安心出来ない。
もしかして騙されてる……?と、最後までドキドキしました。

有能なホテルコンシェルジュ・白石のもう一つの顔は、探偵・黒瀬の助手。
早々に両思いになるものの、黒瀬は、依頼人の浮気相手は白石では?と疑い始めて……。

公私共に完璧にみえる白石の本当の姿に驚くと同時に、その一途さにグッと心を掴まれました。
白石の過去、黒瀬との接点、それら全てが絡まり合って見えてくる真実の顔。
……と、ここが読み応え抜群で本当に面白かった。
黒瀬に恨みを募らせている白石の底意。
本人も気付かない恋心が重くて切実なんですよね。

一方、軽そうに見えて心の内に重いものを抱えている黒瀬。
白石を疑いながらも、そんな事どうでも良くなるくらい白石に惹かれていきます。
正直、探偵には向いてないタイプよね;

「表の顔」を剥がされた白石の本性は、探偵もびっくり!
でも、そこには白石の真の努力がある。
黒瀬への強い思いがある。
だからこそ心が動くんです!

そんな白石の「表の顔」も「本当の顔」も受け入れる黒瀬のプロポーズ?が素敵でした♡

愛が深まる中、お互いの弱さを見せないといけない時って必ず来ますよね。
本作ではそこに向き合い、乗り越え、次のステップに進んでいく姿がきちんと描かれている。
そこが何より素晴らしかったです。
お互いの存在によって救われていく過程に感動しました。

黒瀬の先輩・詠太視点『もうひとりの拒まない男』がまた最高!
このお話から本編の全体像が見えてきますね。上手いなぁー
白石の父親と中田議員との関係には度肝を抜かれましたよ;
よもやよもやでした。

いやー、脇役達もいい仕事してました。
ハムラッシュの存在感も良かったですね(笑)
白石には、父への復讐を是非とも果たして欲しい!
そうはいっても優しいから結局出来ないんだろうなあ。
まぁ、そんなところも好きですけど〜

エロも多く、白石のえっちな下着には注目です!
毎回、探偵業の時のコスプレ?も面白くて楽しみでした♪

27

生きる目的と本気の恋♡

作家買いしている三月えみ先生の作品です。

RJ探偵社 黒瀬 望海と高級ホテルのコンシェルジュ 白石 律のお話。

探偵の黒瀬は浮気調査の依頼で中田議員を調査中でした。
そんな黒瀬が目を付けたターゲットは…ホテルの男性コンシェルジェ。
そのコンシェルジュ 白石は、幅広い知識を持ちあらゆる客の要望に応える「絶対に拒まない男」として有名でした。
しかし、白石には勤務時間外に秘密の顔があって…。

おぉぉ~!!すごく面白い!!!
今回もさすが三月えみ先生だなと感心しました。
予想の斜め上をいく展開に読みながら思わず唸ってしまいましたよ。
三月えみ先生の丁寧な絵柄がミステリアスな雰囲気を盛り上げ、さらに作品全体にコミカルな要素もちりばめられているのでとても読み応えがありました。
でも、ちゃんとラブストーリーが軸になっているんです!
長い時間を掛けた復讐と言う名の「純愛」が…。

前職の探偵社では勤務中に傷害事件を起こして解雇された黒瀬。
その後は、先輩 青山が独立した探偵事務所に勤務しています。
ある日、本音を話せる唯一の友達 ハムスターのハムラッシュが亡くなり、黒瀬は悲しみのどん底に陥りました。
1人では泣けない黒瀬が大金はたいて宿泊したホテル…そのホテルのコンシェルジュが白石だったのです。
イケメンで優秀な白石はメディアも取り上げるちょっとした有名人。
ハムラッシュのために黒瀬と一緒に泣いてくれる優しい心の持ち主でもあります。
この出来事がきっかけで、業務時間外に黒瀬の探偵助手をするようになった白石。
さまざまな変装で読者を楽しませてくれますよ~。
どの変装もマニアックな設定で萌えました(笑)

そして、物語は現在の2人と過去に遡りながら思わぬ方向へ進みます。
2人の駆け引きの行方は後半までわかりません。
本当のターゲットは誰なのか?
ここからは、ぜひネタバレなしで読んでいただきたいです。

脇キャラとして、RJ探偵社の代取 青山、中田議員とその奥方、中田議員の秘書、白石の父親で上原元議員が登場します。
全員が重要なポジションなのですが、やっぱりイチオシはハムラッシュかな(笑)
ハムラッシュには感謝しかない!

Hシーンは、三月えみ先生のこれまでの作品の中でも多めだと思います。
どれもエロさの中にせつなさと愛情がこもったセックスでした。
ちるちるの作家インタビューに「攻め視点のお話ですが、最後まで読んだ後もう一度読むと受け視点で読めると思います」と記載されていますが、白石視点で読むと胸が締め付けられますよ。

描き下ろし『もうひとりの拒まない男』
本編に絡んでくる大事な話なので必見です!

人生を狂わされた男の盛大に拗れた恋心。
目的のために努力して願いは叶ったけれど…。
本当の自分で愛されたい。
「これからもずっと一緒に居てほしい」
白石の心が救われたひと言に泣きました。
これから、もう一つの復讐が始まります。
いや、もう始まっているのか…。
白石が最終的にその復讐を成し遂げるかはわかりません。
個人的には、そんなこと忘れるくらい黒瀬にいっぱい愛されて欲しいな♡
2人が結婚するまで見守りたかった(泣)

まるでドラマや映画を観ているようなクオリティの高さです。
三月えみ先生ファンの期待を裏切らない素晴らしい作品に仕上がっていますよ。
本当におすすめなのでご覧ください♡

22

『白石さん』

どんな無茶ぶり案件も拒まない超有能なホテルコンシェルジュ『白石さん』の白石律。
眉目秀麗で思慮深くて、物腰が柔らかで、まさにミスターパーフェクト。

そんな白石さんが探偵の黒瀬とまさかの両想い!
あの車での誘い方、情事、お泊まり後の朝の食卓のひまわりの種の気遣い…うわあ〜、白石さん、こんな所まで完璧なの?これはもう結婚しかないわ!と胸が高まり黒瀬と律の蜜月を期待していたら…

ん…?あれ?白石さん、なんかこれちょっと一筋縄ではいかなくないですか…?と一抹の不安と胸騒ぎを抱えて探り探り読み進めることに。

律の作り上げてきた『白石さん』の正体が少しずつ見えてくるのですが、あの過去のいろいろとないまぜになった黒瀬への感情が原動力となり自分を変えた律も、ハムラッシュを思い泣いた白石さんも、黒瀬に抱かれて余裕の無くなるりっちゃんも…
黒瀬への想いがブレずに根幹にあって、どんな律も紛れもなく白石律なんですよね。
パーフェクツ!な『白石さん』も素敵ですけど、最後の方の本性が出てきちゃっている律も好きです。

全てが明かされて、不安と胸騒ぎは解消し、前半とラストでは律の印象がガラリと変わる。
拒まない男に振り回される骨太なストーリーを読み終えて、もうひとりの拒まない男、青山目線のお話しから即2周目に入り、一話目から読み返してその緻密な構成にまた唸らされました。
登場人物のあの発言も、あの行動も…全部が全部意味があって無駄がない、点と点が繋がっていくときのいい意味での胸のざわめきを感じて、脳みそがふわ〜ってなりました。

17

幸せなら、それも合法。目眩く展開に酔わされて。

はぁ〜。嘆息するしか無い。何なの⁈ オシャレなの⁈ 目眩く展開に、ドギマギ。
カッコいいオシャレ映画を観せられた様な。この充足感。心の中で、私はスタンディングオベーションを高らかに贈る。何なの、もぅ。素晴らしいとしか言いようが無い。

探偵業を営む黒瀬は、比較的大手のホテルの美麗コンシェルジュ、白石律に惚れている。
隙のない優秀なホテルマンである律は、時々黒瀬の有能なアシスタントもしている。
律は、探偵業に興味があったと言うが…。
ホテルマンは決してお客様の情報を漏らす事は無い。
対して、探偵は依頼人の要望に忠実に、調査対象を探る。
コレは。嘘と秘密の攻防戦なのか、と読み手側に思わせておいて。まぁ、その通りなんだが。互いの思惑を越えて、物語は核心に迫って行く。
黒瀬は律への愛情に眩惑されているだけなのか。素直に身体を開く律の言葉に嘘はあるのか。

ヤルことヤリまくってしまってから。『結婚したい!』と本気で願い出る黒瀬。どうやらハニトラでは無いものの、恋という本質を分かっていない律。
分かっても無いくせに、周囲の人も本人をも巻き込んで、人生の目的を黒瀬そのものにして生きて来た律の、完全なるストーカーものとして読めてしまうんだけど、彼等をずっと見守り続けて来た諒太さんの、「幸せなら、それも合法」という言葉が全て。
愛情が上回っていて、相手が喜んでいれば。それは外野がとやかく言う事では無いのだと。
本文中で全て回収されて行く気持ち良さとは別に、描き下ろしの、「もうひとりの拒まない男」視点からの裏回収とでも言うのかな、種明し的なモノにもクルものがあって。
オシャレの上にオシャレの上塗り的な。温かさとカッコ良さに痺れてしまうのだ。

同性愛を差別され、父親に見捨てられ、引きこもりのニートであった頃の律は、コロッと太っていたのに。引きこもりを脱して、徐々に美しく成長して行くのも良い。
黒瀬のアシスタントをする時、気分を出しているのか、何やら「細か過ぎるモノマネ」的なコスプレをしているのも可愛い。特に、ピシッと髪を撫で付けたホテルマンスタイルとのギャップがイカン!コレは萌える。何を着ても『かわいい。』と、隣でデレデレしている黒瀬もいい。
普段澄ましている、ホテルマンの顔が快楽に乱れるというギャップももちろん良い!
何重もの意味で。とっても良いのだ。

同性愛者である事は、社会的に大っぴらにする事は、簡単では無い。そういう主題を盛り込みながら。周囲の人たちや本人の苦労や、過去に置いて来た気持ちをも曝け出し、浮き彫りにして行く。暴いて行くと言っても良いかもしれない。
律の父親との訣別や葛藤、それを見守り続ける周囲の温かさ。冒頭に登場した中田議員までもが、後に物語のキーマンとなっていくコトには本当にビックリ。
皆んなが律の恋を応援してる。彼が生きて行く事を応援している。そんな物語でした。
いやー、美辞麗句しか思い付かないよ。

修正はトーンに細っそい白線シャーッ。つまりとってもエロいよ。

15

是非とも結婚してくれ…!

BLは"萌え"が重要で、好みの萌えをかき集めると
……出てきませんか?「先が読める」ってやつ。
それが様式美のひとつで萌えに繋がるんですが。
(さぁコイコイ……、萌えキターーーー!ってなるの)

で。
この作品は"先が読める"を踏み外してくれました。
中盤まで良い意味で「思ってたのと違う…?」となって
この先まだなにかあるんじゃないかとドキドキワクワク。

かといって腹の探り合いや駆け引きでギスギスした感じはないんですよね。
キャラクターに魅力があって、『善』と『情』が温かくさせてくれる。
真実が見えづらい内容でありながらベースにある優しさと慕情がしっかり伝わる。

最後の最後までカラクリが詰まっていて、
面白かった!!!の一言に尽きました…!(﹡´◡`﹡ )
地雷がなければネタバレ無しがオススメです♪


(度を超すネタバレに気を付けますが以下ご注意)

受け:白石律。
彼は高級ホテルのスーパーコンシェルジュです。
何もかもが完璧で「NO」がない。別名:拒まない男。
そのスーパーっぷりはホテルのコンシェルジュってこんなことまでするの?と思うほど。

大人気コンシェルジュの"白石さん"のもう一つの顔は、
探偵業の助手をしている"りっちゃん"。
客で探偵業の黒瀬に助手を志願してお手伝いをしています。

攻め:黒瀬は探偵さん。
職業上 様々な顔を使い分けて口八丁な男かと思いきや、
一本気で情の深さが魅力的…!
りっちゃんにベタ惚れしてて、ことある毎に結婚しようと誓う面白い男ですv

お話の始まりは、ある議員の浮気調査から。
白石の客であり懇意にしている議員の浮気調査を依頼された黒瀬は、
議員の浮気相手として白石に疑惑の目を向けます。

しかしそれは完全な勘違いで、逆に両想いが発覚…!

りっちゃんが恋人になってウッキウキの黒瀬なんですが、
議員との関係については完全にシロとは言えない状況。
限りなくグレーに近い条件ばかりが出揃うのですね。

情に流されるなと探偵事務所社長から強く釘を刺され、冷静に判断したいけれど
りっちゃんと結婚したい気持ちは変わらないww
(シリアスなのに黒瀬のこういうとこホンマ笑う。好き)

そんな中、りっちゃんの過去を知ってーーーと展開していきます。


誰が調査対象で、誰が誰を調査しているのか。
境目がどんどん曖昧になってきて最後の最後まで見えない。
別視点「もうひとりの拒まない男」がすべてのアンサーで、
慕情・劣情・同情・非情・温情…
行動の裏にある感情がシンプルになれない人間の妙となって絡み合っていました。

登場人物の中で一番シンプルだったのは黒瀬かな?
相手の裏には真っ正面でぶつかる一本気。
単純な熱血漢ではなく酸いも甘いもみてきた男ですよね。

なにがあっても「りっちゃんと結婚したい」がブレないところもニヤニヤしますv
って書くとバカっぽいキャラにみえるかもしれませんが、
ちょっこり陰りもあるキャラで魅力的なんですよ~!

そして『白石さん』と『りっちゃん』。
キャラクターの奥深さに引き込まれます…!(∩´///`∩)
"騙す"とか"本音"とかダウトな駆け引きをみせつつ
顔を使い分けてきた不安定さも滲んでいくんですが。

嘘なんてないんですよね、きっと。
感情の爆発力が斜め上(笑)に飛んでいってただけ。
どれもが『白石律』で強さと執着は紛れもない本物。
そんでちょっと天然なのか無自覚な可愛さがめちゃくちゃ良いッッッッ!!!!

私は「もうひとりの拒まない男」視点に映るりっちゃんがすごく好きです。
歪みと執着がひたすらに可愛くてキュンキュンしました。
無自覚なクソデカ感情拗らせるの萌えるーー!!
(「もうひとりの拒まない男」の温かさもグッときぜ…)

人間の様々な情。
攻めと受けだけで成立しない思惑の絡み合い。
甘さも苦みもひっくるめた展開でとても面白かったです…!

13

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