SS付き電子限定版
まるで成仏できない怨念の様に前世の記憶に縛られる3人と攻めの友人の物語。
戦国時代に生きる3人は皆人生に未練たらったらだったらしく、生まれ変わったら思いを成就させたいと強く願うばかりに前世の夢を始終見る。時々ではなく幼少時からずっと見続けているところがポイントです。彼ら3人はその夢(戦国時代の生)を反面教師とし、現世では辛い思いをしないように自分の人生設計を行い今に至ります。
*攻め - 幼馴染の姫の事が好きだったが添い遂げられなかったので、現世で早く見つけて恋人になりたい!
*受け - 幼馴染で大好きだった家臣と両親を戦で同時に無くし、仏門に入った為、現世では人との別れで辛い思いをしない様に一人で生きていく力(知力・体力・社会的地位)を付ける。
*当て馬 - 戦国時代に隣国の姫を嫁取りすることになっていたので、一目見たいと訪れる途中猪に襲われた。その時助けてくれたのがその許婚の姫君ですっかり一目惚れ。結婚の日を心待ちにしていたが、戦の為破談。彼女は仏門入りで会うこともならず・・。現世では絶対見つけて妻に迎えるため、断られない程のスペック(金・社会的地位)を築く。
それ程前世に縛られているので受けが男性であってもみんな直ぐに受け入れられるんだよね。私はこの辺の流れすんなり受け入れられました。全員努力の人です。応援したくなるのも仕方なし。
攻めの友人がBL界だと攻めとフラグ立つのでは?と思う位なんですけど、逆に本当っぽさがあってこれも凄く良かった。
戦国時代の前世の記憶を夢にみる高校生の直。
その前世での想い人・かや姫が現世ではおっさん(姫川)に生まれ変わっていてー…。という、輪廻転生モノ。
前世で大切な人、直成を亡くした辛い記憶からひとりで生きていくことを決めていた姫川。
かや姫がおっさんに生まれ変わろうと愛する意気込みの直に押されて絆されていくのですが…。
前世のそれぞれの記憶も交えながら○年後〜、と年月描写でふたりの距離が縮まっていくお話し運びがややライトに感じてしまったところもありましたが、前世での悲恋が、かや姫のひとりきりで辛かった余生が現世では結ばれて幸せな恋となってよかったです。
天鶴は前世も現世も残念でしたが…(ドンマイ)。
想いが通じてがっつくはずであろう直が二十歳になるまで我慢するという、直の素直さと直成の生真面目さがここにきて炸裂。うん、素晴らしいことでしたー(棒)。まあ、未成年でしたからね!えらいぞ、直。
描き下ろしでは姫川をドキドキさせたい直がいろいろと頑張るのですが、実はもう…なエピ。完全に個人的な癖なんですけど、年下攻めの直には年上で大人な姫川の身長を追い抜いていて欲しかった〜。
あのふたり並んで歯磨きしている描写で追い抜いていたら姫川以上のドキドキと萌えで(電子なので)スマホ投げてたと思います(笑)
凄くロマンティックな設定なんだけど。ぷぷっ。前世での記憶を凄まじく覚えている直は、自分は現世で必ず姫と出逢い、恋をするのだと決めている。姫がどんな姿をして生まれ変わっていようとも‼︎ ここはもちろん絶対にBLの世界線なので。かや姫は、おっさんに転生している。直も最初は驚いたものの。直ぐ様、自分より年上、しかも男‼︎ を愛する事に決め、執着する。そこにとりあえず葛藤は無い。なんでー⁈という位、恋に落ちてしまう。むしろ、受け入れられないのは、姫川の方。彼も直が、その昔、自分の家臣、直成であり。身分差と戦の最中、悲恋に終わった恋人である事は重々承知している。だが、はいそうですか、と受け入れるには姫川はちゃんと大人なのだ。姫川にとっても、その恋が苦しみを伴ったものだったから。二重の意味でそれは受け入れ難かったのだ。という事が後半では明かされて行く。
途中、天鶴という、これまた前世では姫の許嫁だったという男が現れ、姫がおっさんとして生まれ変わっている事に大して驚く事もせず、執着し、直をライバル視して、手に入れんと奮闘する。うははー。何で皆んなそんなにおっさんを愛してしまうの⁈っていう可笑しみと楽しさ。ツッコミどこ満載なんだけど、実にテンポ良く。物語はドシドシ進んで行く。天鶴が、その昔、身分の高い男であった様に、現世でも姫の為に、会社を起こし、一角の人物になっていようと努力して来たという。強引な当て馬だけど、努力の人。実に清々しい。そうまでして、モテまくっているのが、おっさんというのが何だか笑わせてくれるのだ。恋愛の機微というのは、前世からのもの。恋の成就は持ち越されたものなんだろう。悲恋に終わった恋も、何だか現世ではポップなのだ。身分の差も、政略結婚も無い、自由に恋を謳歌出来る現世だからこそ。成就させたい愛もあるって事で。
何かと恋人たちを見守るだけの、直の友人あきらには彼等との前世での繋がりはまるで無い。ちょっと残念。天鶴の救済も無い。あきらも真面目で良い子なので、手近かも知れないけれど、天鶴には幸せになって欲しいので。どうかなぁ、なんて思ってる。
夢に出てくる前世の想い人が現世ではおっさんで……と、いう輪廻転生ラブです。
輪廻転生ものといえば切ない系を想像するのですが、こちらは明るく楽しいラブコメという印象。
生まれ変わっても同じ人を愛す──これ、すごいロマンチックなのですよね。
でも、前世での想いを現世にも受け継ぎ、無条件に相手を愛するという所がちょっと引っかかってしまいました。
あくまでも前世と今世を分けて考え、それぞれと向き合っていくお話の方が個人的には好みです。
なので、ちょっと思っていたのとは違ったかなあ。
戦国時代、想い合いながらも立場の違いや戦乱によって引き裂かれた姫様と側近。
その2人が今生では、おっさんと高校生として再会し……と、いう展開。
どんな姫様でも愛せるという高校生・直が健気な年下わんこ。
そして姫の生まれ変わり・姫川は自立した大人の男。
前世とのギャップが本作のキモですね!
1人取り残された姫様の思い、姫様を守ることこそが我が勝利だと信じて命を賭して戦う直也。
前世の記憶は辛い面もあり、楽しいやりとりとの差に余計に切なくさせられました。
当て馬も前世の因縁を持った相手で徹底しているのに、直の友達・あきらの存在だけが宙ぶらりんな気が……
もしや、あきらが当て馬・甘鶴の元嫁?なんて勘繰ってしまいましたが、関係なかったようですね;
そうだったら萌えたのに、残念。
コミカルなやり取りは楽しかったのですが、あっさりテイストで若干物足りなく感じてしまいました。
もしかして直が受け?なんて思ったりもしたのですが、普通に姫川が受けでした;
ここも前世の意思を継いでいるのか?
とっても素直な作品なので、あまり考え過ぎずに楽しむのがいいのかも。
前の世で、身分差、いくさ…運命に翻弄され、添うことの叶わなかった姫君と家臣の想いが今、現世に蘇る‼︎
…という輪廻転生ファンタジーです。
前世では死に別れ、という壮絶な結末に終わった2人なので、今世は切なさ満載なのかと思いきや…
結構なコミカル風味でした。
勇敢で凛々しい「直成(すぐなり)」は、現世では思い込みの激しい陽気な高校生・直(なお)に。
夢で見る姫君を今世の恋人と思い定めて親友にも熱い想いを語りまくって引かれる直。
夢の姫・かや姫の使う言葉、ふとした仕草…
それをしていた年上のデキる成功者・姫川(男)に、後先考えずにいきなり夢の話をしてアタックしていくが…
…という始まりですが。
どうやら姫川の方も夢を見ていたらしいのだけれど、この辺は姫川視点が描かれていない。だから姫川が直を受け入れるのが早いように感じました。
また、直の方は前世よりも今の姫川大好き!の能天気さが大きいけれど、姫川の方は折に触れて前世時代の不安感や喪失感などのフラッシュバックがあって、彼の心の中のかや姫がいまだに「直成」を必要としていたように思えました。
この作品のコミカルさは、当て馬の登場にもあります。
「かや姫の許嫁」もこの世にいます。ちょっとイタおもろいセレブ男になって。
彼も性別不問で姫川に猛アタック!
直と天鶴で姫川を取り合う。この図には妙なおかしみがあります。
ただ…
前世は悲劇。
それと現世のコミカルな楽しさのバランスが悪いような。
また、高校生の直との恋を成就させるために、中盤に「2年後」終盤に「1年後」とかいう展開法になっています。
かや姫はじゃじゃ馬系。前世もBLで良かったような気も……