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よかった、すごく面白かったです。
義月さんの作品の中では甘さ増量のお話で、久人が私の好きなタイプでした。
彼がちょっと変わった子で、見た目はしっかりした体育会系、可愛い男の子から告白されたり兄貴になってと言われちゃうんですけど、本当は心は乙女な可愛い甘えたがりな男の子。お料理上手で尽くすタイプなんです。
見た目とギャップがあるせいかなかなかいい人に出会えないのが悩み。
ある日ゲイの友達亮太と一緒にワンランク上の上等な男たちが集まるパーティーに参加したのですが、そこで憧れの仕事先の知人とばったり遭遇。
日頃から好みのタイプでいいな〜と思っていた人なので誘われて浮かれてついていったはいいけれど、緊張したり喜んだり俺なんかが…と落ち込んだりとその度に旺盛な妄想力とツッコミでたいそう笑わせてくれました。
心の叫びとか脳内会議が最高におかしくて笑えます。
職場でも勘がよくて真面目で一生懸命なところが可愛がられ専務からもゆくゆくは片腕にとも期待されるくらい能力もあり、容姿も悪くないと言うのに自己評価が低く自信もないんですね。多分恋愛でうまくいかないことの方が多くてついダメだなと考えがちなんじゃないでしょうか。
寄ってくるのは爽やかお兄さんに甘えたい子で、久人は年上の大人に甘やかされたいんですからね。ミスマッチです。
そこでやーっとマッチするお相手に出会えました。
坂根は優しくてかっこよくてスマートなエスコートにうっとり、もちろん仕事もできてパーフェクトなできる大人の男なもんだから、そんなすごい人が俺の恋人なんてあり得ないと全否定?
きっと二股かけてるとか、本命が居てセフレなんだとか、ゲイだと言うことを職場でバラされてくないから口止めとして付き合ってくれているとまで悪い想像までしてしまうのですが、料理をせっせと作ったり掃除したり健気で可愛いんです。
そんな疑心暗鬼なところに、坂根が過去にどんなにモテまくり男も女も食い散らかして来たかを耳にしてしまうのです。そのうえ、長く付き合ったハーフの美形の写真まで見ちゃったらもう俺なんかやっぱり遊びのひとりじゃんという気分で超落ち込みモード。
おバカなことことにせっかく長い海外出張から早めに帰ってうちに訪ねて来てくれたのに、直前まで愚痴っていた友人と間違えて「もう、坂根さんとは別れる、亮太が居てくれたらいい」なんて言っちゃうし。
それに対して案外坂根のほうも子供っぽくて「ただのヤリ友達、女房気取りでうざいと思ってた」なんて言っちゃうしほんと馬鹿よねー。
散々泣いて落ち込み愚痴ったあと亮太に叱咤され、自分の気持ちをきっちり言えたことはエライっと褒めてあげたいです。
いつまでもウジウジしてないで男前なとこ見せてくれました。
あとはもう、坂根も俺が悪かった、嫉妬から思ってもないことを言ってと謝り、雨降って地固まるですね。
坂根も悪いんです。自分がすごく嫉妬深くて独占欲が強いこと自覚してるからといって嫌われないようにと あえて冷淡なくらいにしていただなんて種明かしされてもそれじゃあ愛を感じられないじゃないですか。
続編の『その後』は蜜月な二人のラブ甘ぶりが綴られています。
久人が野球の試合あと仕事帰りの坂根が迎えに来たり、料理したり、エッチしたり、亮太との中を妬かれたりととっても幸せそうです。
『おまけ』ショートストーリーでは、坂根が久人の職場にご挨拶として俺のもん宣言をして堂々とプロポーズしてました。拍手です。
外見は体育会系なのに、甘えたがりで乙女思考な主人公・久人。
このギャップが可愛くて、一人称ということもあってか主人公の「恋愛している状態」というものに共感がとてもできました。
派手なストーリーではなく一話も短いのですが、楽しめた1冊です。
出会いはゲイの集まるパーティーでのナンパ→体の関係が先で、恋人になるまでが長いというか、恋人なのか確信がもてないまま関係を続け、それに悩むストーリーはじれったく、はっきりと確かめちゃいなよと思うのですが、結果的にこのすれ違いがよかったです。
年下に甘えられるタイプの久人ですが、実は年上に甘えたいタイプで、坂根が理想のタイプです。
遊ばれてるだけじゃないかと思いながらも彼のために献身的に頑張る姿が女子っぽいですが、親近感が湧きます。
高級食材のスーパーで普段は買わない高い食材をウキウキしながら買う様子や、妄想癖があってすぐ妄想に走る性格も可愛かった。
所々にあるお料理の描写もリアルで、細かいところも書かれている分、お話に入り込めました。
妄想癖や年上に愛されたい思考が見た目とギャップがあることが自分でわかっているという設定がよかったです。
久人の応援をしてくれる友達のアドバイスもなんだか妙にリアルでした。女とか男とか関係なく、恋バナや恋の相談が納得できるように書かれていると感心します。
しかし、SとMという設定なのにあまりえろ度が高くなかったのはちょっと残念でした。
おまけを含め、3作入っているのにずっと久人の一人称で、攻め視点が一度もなかったのもちょっと残念です。前半は攻めの気持ちがわからないのを楽しむお話ですが、仕事のできるクールなタイプなのに実は嫉妬ぶかさがばれたくなくて遠慮してただけ・・・などなど、後半は攻めキャラの裏側をもっと暴いてほしかったなぁと思います。
義月さんの攻っていつも酷いヤツでムッキーってなる事が多いんですが、これもいつそうなるんだろうってドキドキしてたんですが、一瞬暴言を吐いただけで普通に優しい人でした。
暴言もまあ勢いみたいなもんだったし、後でちゃんと理由も述べてたので他の攻達に比べれば何という普通の攻!!
その代わりというか、今回は受がちょっと変わったタイプです。
可愛いです、25歳だけどちょっと乙女です、妄想癖もあります、そしてガタイが結構あって体育会系に見えるので甘えられる事が多いんですが実は大の甘えたがりやさんな成末〔受〕です。
ゲイをカミングアウトしている事もあって、最後はなんかみんなに祝福された感じで終わってよかったねーってラストでした。
一回目読んだ時はホントにいつこの攻が嫌な奴になるのかーとそればっかり考えて読んでた気がします(笑)
でも二回目は安心してラブストーリーを楽しめました。
成末がやたら可愛かったので、良いお相手に出会えて良かったねーと素直に思っちゃいましたよ。
見かけとの微妙なギャップもたまらんです、こういう性格の良くて健気な受は大好きです。
かなり成末に萌えましたー!
義月さんはボーイズラブというよりはメンズラブなので、可愛い受っ子は出てこないけれど、これは外見に似合わない脳内乙女の受を可愛いと思えるか、そこで読者を選ぶと思います。
わたしは、とても楽しく読みました。
モテモテ系で仕事もできる切れ者の攻も、そんな受を振り回しながらも、気がつけば振り回されていて可愛い。そんな展開にニヤニヤできる人は、きっと楽しめると思います。
読み終えて、題名とあらすじがもったいないと思いました。どちらもそう印象に残らないんですよね。
成末(受け)は外見に似合わない乙女チックな性格。(ここまではあらすじにもあります。)そのうえ、妄想癖があります。それも、エロと悪い方に進み勝ちだという面白さ。これをアピールしなくてどうするんだ!
彼の妄想癖をやや強めて、題名も「恋に落ちる妄想」にした方がインパクトがあったと思います。結構面白いのに、平凡な題名とあらすじで手に取るチャンスを失っていると思うのですよね。惜しい。
成末の友達、亮太が良いキャラだったので、彼を主人公にはしなくても、ほかの作品で脇キャラで出すとかして欲しいです。