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つきづきよし先生が描かれてるとのことがきっかけで手に取りましたが、すっっっっごく良かった感情ごっそり持ってかれました……
サンタのお話が一番心にウッてきた…
七崎さんの実体験をもとにしたストーリーなこともあり、現実ではこんな上手くいかないよねって思う様なご都合bl要素はありません。
葛藤、苦悩、失望山盛りです。が、表紙から読み取れる様に最終的にはハピエンです。
1人で死にたくないという強い思いから結婚が中心になり、奔走する姿を見ているうち幸せを願わずにはいられませんでした。普通とされていることが自分には当てはまらない、他の人が普通にすることが自分にはできない。そんな時人はどう思うのか。妬みやらで感情がぐちゃぐちゃになって爆発したとき一緒にいた方が優しい方々でほんと良かった(泣)
自分の感想の文章が拙くあまり良さが伝わってないのではと思うと悔しい
絶望や苦悩がありつつも段々と心温まる、そんなストーリーが好きな方はぜひぜひ
七崎さんご夫夫、末永く幸多かれとお祈り申しあげます。
以前ネットで、今作品の原作者である七崎さんの記事を拝見したことがあります。その時も興味深く記事を拝見しましたが、つきづきよしさんのコミカライズでコミックが刊行されると知って発売を楽しみにしていました。
ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
主人公は良輔。
子どもの時から女の子と遊ぶのが好きで、しぐさや言葉遣いから「おかま」と言われてきた。そんなある日、学校での出来事がきっかけとなり、良輔は「男の子らしくあること」を決意する。
けれど同性の友人に恋をして、ゲイであることを自覚して、そんな自分に絶望して―。
「BL作品」はあくまでフィクションであるのに対し、今作品は良輔さんという実在する男性の自叙伝。だからでしょうか、読んでいてもぐっと胸に迫ってくるというか。あくまで恋愛を軸に描いたBLとは異なり、今作品はそれにとどまらない。
淡い初恋、セックスへの興味と憧れ、ゲイであることの葛藤と自分自身を受け入れることのできない哀しさ。良輔さんはゲイで、だからこそ性的な部分のマイノリティさが前面に打ち出されてはいますが、こういう感覚って、おそらく多くの方が抱くことなんじゃないかな。だからこそ、BLという枠にとらわれず、多くの方に読んでいただきたい良作だと感じました。
自分を認め、受け入れてあげることができない。
それは、どんなにつらく、切ないことだろうか。
自分で道を切り開き、歩んでいくしかない。それが人生だと思う。
けれど、そこに、素のままの自分を受け入れ、愛してくれる人がいたのなら。それは、独りぼっちで歩くよりもはるかに幸せなことなんだな、って。
今作品では良輔さんを介しいろいろな立場の人が登場します。
良輔さんの両親、妹。
同性、異性を問わないたくさんの友人たち。
片想いの相手、そして恋人。
そして、ある側面だけを見て、拒絶したり愚弄する人も。
そういった人間関係を見て、自分がどうあるべきなのかも強く考えさせられました。どうしても自分の価値観に囚われてしまう部分はあれど、自分と違うものに対して意味もなく拒絶したり批判することはあってはならないのだと、そう思いました。
終盤に書かれていた言葉が胸に刺さりました。
誰が自分を理解してくれなくても 自分だけは自分の味方でいてほしい
これ、すごく難しいよね。
心が折れることも、傷つくことも、たくさんある。
自分を受け入れることができないことも、ある。
でも、だからこそ、自分自身が、自分の一番の味方でいてあげないと。
そして、周囲の人たちに対しても優しくありたい。
あと強く思ったのは、大人の態度。
良くも悪くも、子どもは大人の影響を受けやすい。だからこそどう行動するのかが問われるなあ、と。大人の一人として、襟を正さないと、と思ったりしました。
カテゴリーとしてはBL作品のジャンル分けされている作品ではありますが、人生へのエールを送る、そんな壮大な作品だったと思います。
つきづきよしさんの挿絵も良かった。
つきづきよしさんの絵柄ってとても綺麗で、だからキラキラした部分が多いと思っているのですが、今作品はそのキラキラ感がいい意味で抑えられていた、というか。内容に沿った綺麗さ、っていうのかな。多くの方に手に取りやすい描き方をされていたように思います。
内容も絵柄も、シリアス過ぎず、けれどコミカル過ぎもしない感じ。
非常に素晴らしい一冊でした。文句なく、神評価です。
いつか世のLGBTの方達が自分の望むように、自由に選択出来る世の中になって欲しいといつも願っています。
同性婚や同棲カップルの話題がネットに上がるたびに、賛同や応援だけで無く心無いコメントが溢れる現実に悲しく思うのです。
こうしてこの作品を手に取ること自体が、自分にも興味本意で覗き見的な気持ちが無いとは言えません。
でも、リアルだからこその面白さと力もあると思っています。
こちらの本を読む事で誰もが普通に幸せを求めて良いのだと、1人でも増えてくれる事を願いました。
文春オンラインで公開されていたのも読んでいて、この度一冊のコミックにまとまった事で再読しました。
セクシャルマイノリティである七崎さんのノンフィクション作品のコミカライズです。
生い立ちから、現在のパートナーと結ばれ家族になるまでが赤裸々に描かれています。
自分を同性愛者だと認めるまでの過程がなかなか辛い。
みんなと違うかもと気づきながらも、自分でも認める事が出来なかった時期。ある意味その時期が一番辛かったのではと思います。
ノンケの同級生に恋をするも、思いを伝えられない。
お前が女だったら…という悪気の無い言葉が真っ直ぐに突き刺さる刃物のようで残酷でした。
それでも女友達に気持ちを分かってもらえて、辛い出会いや別れもあったけど素敵なパートナーと出会えて家族になれた。
それも「いつか結婚したい」という夢を諦めなかった七崎さんの努力と勇気の賜物であったと思います。
いつか同性であっても婚姻が認められる世になる事を願っています。
Wりょうすけさん夫夫も末永くお幸せに。
普段BLはファンタジーだと思って読んでいます。
簡単に狭いコミュニティの中でゲイのカップルが生まれないことだってわかってます。
この本は七崎さんのエッセイを原作としたリアルなゲイの話です。
子供の頃のエピソードから同性結婚式を挙げるまでを、つきづきよし先生の柔らかく優しいタッチの絵で描かれています。
子供時代の周りとは違うという違和感。学生時代の同性に惹かれてしまうことへの葛藤。好きな人には恋人が出来ていくのに告白すら出来ない自分。
ゲイとして生きていく辛さ、葛藤をリアルに感じられました。
女友達にしたカミングアウトは予期せぬものでしたが、それを受け入れてくれる友人で本当に良かったと思います。
初めて出来た恋人の悲惨なゲイばれとの対比が本当に苦しくて、こんな経験をしなければならない人がたくさんいるのかと思うと悲しくなります。
良輔さんのパートナーとなった亮介さんとのエピソードは、今までの辛いエピソードに比べてほんわか暖かくなります。
でも日本ではまだ同性婚が認められてないんです。
早く何とかならないのか。マイノリティを切り捨てる世の中ってどうなのかな。
子を成せないのは結婚ではない?別に子供だけが結婚の意味ではないはずなのに、人を愛して家族になりたいと願うのは、異性愛者でも同性愛者でも変わらないのに。
それから、自分の周りの人から同性愛者だとカミングアウトされたらどうするのか、という事を考えてしまいました。
もし友人に言われたら?あの女友達のように受け入れられるのか?
兄弟ならどうか?子供なら?あの母親のように拒絶してしまうのか?
深いテーマで何度も心をグサグサ刺してくる話でしたが、多くの人に知って欲しい話でした。