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表題作許可証をください!(5) 君にもわかるISO

前原健一郎
喜美津化学製部、頼れる若頭
阿久津弘
喜美津化学品証部、理系大学卒

その他の収録作品

  • 理由

あらすじ

工場がISO規格を取得することになり、大忙しの弘。中でも昔ながらのやり方で製品を作り続けている製造部の説得には大苦戦。前原はといえば、大学卒業資格取得のためのスクーリングで東京へ。そこに現れたのが前原の父と名乗る、中尾だった。突然現れ、娘の結婚に差し障るから同性同士のつきあいは解消するべきだと弘に告げる中尾の真意ははたして...。一方、取得期限のあるISOを、多少強引にでも推し進めようとする弘に対し、東京から戻った前原は時間が必要だとし、意見は真っ向から対立してしまう。二つの難題を抱えた弘の出した答えとは。同志で恋人、真剣に向き合うからこそ分かち合える熱い思いが極まる、許可証シリーズ第五弾!

作品情報

作品名
許可証をください!(5) 君にもわかるISO
著者
烏城あきら 
イラスト
文月あつよ 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
シリーズ
許可証をください!
発売日
ISBN
9784576061870
4.5

(29)

(20)

萌々

(5)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
130
評価数
29
平均
4.5 / 5
神率
69%

レビュー投稿数7

男同士という関係とISOという問題を一緒に考えてまとめていくという荒業。おおよそ鳥城あきらさんにしかできないよ!!!

シリーズ1、2、3まで神評価で4は萌評価しました。
そして続く5で、またしても神評価です。
いやぁ~“許可証シリーズ”すごい!

中小化学工場に勤務する品証部の弘と製造部の前原。
相変わらず仕事で切磋琢磨し、私生活でもギシッギシと切磋琢磨してます。
二人の気持ちは、シリーズ4まででかなり固まっていて
まったく危なげはないのです。
そーなると出てくる問題は、周囲のこと。

前作でも弘の親にバレた!?というハプニングはありましたが
取り越し苦労に終わり、ほっとしたのですが
今回は、前原の父がでてきます。

カミングアウトという問題をISO問題と一緒に考えていくという
おおよそ鳥城あきらさんにしかできない技で1冊まとまってました。

男同士が愛し合うことに前原の父親は危惧します。
読者である私は、当然弘と前原を応援する立場ですが
たしかに大変だよなぁと前原の父親の理論を鵜呑みにしちゃってたのですが
弘も前原も、まったく動じずこの問題を乗り越えてしまいましたよ。
なんというかこのあたりも男×男ならではといいますか
どっちもきちんとした大人であり男なんですよ。
どんな場合でも自分を見失って泣いたり騒いだりしない
どこまでも男なんですよ!
かっこいいなぁと。女の恋愛観じゃないよ。

で、このシリーズ会社のメンツもそうだけど
周りの家族なんかにしても、安っぽいキャラがいないんですよね。
どっからどーみても悪役!っていう白黒はっきりついた
わかりやすいキャラがいないんですよ。
それなりにみんなしっかり大人なので読んでいてストレスがない。

シリーズ5ともなれば絡みの展開もだれてくる頃なのですが
そういった感じもないんですよね。
だれないように、エロエロな感じに展開していくんじゃなくて
むしろ今回は焦らしがありました。
テレフォンセックスまではないですが
電話でのやりとりは、かなりキました!
私、このシリーズのCDも聴いているので
前原の電話でのセリフをばっちり中井和哉さんボイスで変換して読みました。
このシリーズのCDは1枚しかでてないのですよ!
インターコミュニケーションズさん!なぜ続きを出していただけないのでしょうか!!!
私、あれもこれもすべて音声化して聴きたいですっ!!!

6

ミドリ

かにゃこさん、こんばんは!
かにゃこさんがこのシリーズを読み進めておられるのを、ニヤニヤしながら横目で見ていました(笑)
私もこのシリーズは4作目まで読んだのですが、どうやらマンネリがきてしまってそこでストップしてしまっています…。
なんだろう、楽しいんだけど、弘と前原というキャラにハマれないのかも。
巻を追うごとにラブ度が上がっていって楽しそうなんですが、どうも気乗りがせず…。
でもかにゃこさんやみなさんのレビューを読んでいると面白そうだし、若干葛藤気味です(苦笑)

新たな展開の始まり

前原健一郎(喜美津化学製造部 若頭 周りからの信頼が厚い)×阿久津弘(喜美津化学品証部 理系大学卒の期待のホープ)

顧客の要請により取り急ぎISO規格の取得準備を始める喜美津化学ですが、取得に乗り気の営業部・品証部とは逆に、製造部は取得が避けられない状況のために渋々承諾するという立場でした。前原が通信制大学のスクーリングで1週間上京することになり工場を不在にしている中、留守を任された後輩がミスを犯し不良品を出してしまいます。その一件について、ISOの予行演習とばかりに書面での報告を製造部の部長に依頼する阿久津ですが思わぬ猛反対にあってしまい……

前作では仕事関連のトラブルよりも前原×阿久津の関係がクローズアップされていて(仕事<恋愛)、面白かったのですが私の好み(仕事>恋愛or仕事=恋愛)からすると多少物足りなさを感じてしまったのですが、今作は「ISO規格の取得」に乗り出し始めるもさっそく反発が起こってしまうという話がメインになっていて、やっぱりこうでなくちゃ!!とウキウキしながら読みました。

今作の前原×阿久津は、仕事上では意見が食い違い激しく衝突してしまいますが、そんな中でもお互いの能力を認め合っているのが分かったり、プライベートでは前原の父親(子供の頃に離婚してそれから会っていない)が登場し二人の関係を知った上で別れを忠告されますが、それぞれが答えを出し(リスクを承知の上で)別れないことを選択したりと、前原×阿久津は仕事上のパートナーとしても、プライベートの恋人としてもいい関係を築いていてとても微笑ましかったです。

今後仕事面では「ISO」に関すること、プライベートではちょくちょく出てくるカミングアウト(もしくはバレる)的なことが中心になってくるのかな!?とりあえず前作までで一回り“起承転結”が済み、今作から新たな“起(承)”が始まったのでそれがどういう風に転がっていくのか楽しみにしたいと思います。

5

早く6巻を読みたい読みたい読みたい

前作である程度落ち着いたと思ったのは大間違い!新たなステージに上ったといってもいいかもしれません。
今度は、過去「関係者から死人がでる」とまで言われたISO取得という難題をひっさげて、お仕事BLと言えば!の「許可証シリーズ」5冊目です。

以前レビューで、面白いと思えるワーキングBL作品のポイントとして
・ 業界が分かりやすく書いてあり、かつ飽きずに読める
・ 仕事と恋愛を無理なく絡ませている
・ 主人公の仕事に対する姿勢に好感が持てる
と述べた事があるのですが、このシリーズが素晴らしいのはこれらに加えて
・ 働くことは楽しい
と読者に思わせてくれる点です。これはスゴイ。

困難な課題に挑戦する意義、自分の仕事にプライドをもつ格良さ、様々な役割の人間がいてこそだという組織理念、同僚と切磋琢磨しあう事の素晴らしさ…数あるワーキングBLの中でも、「会社で働く」ことに対してここまで踏み込んだ作品は中々ないと思います。
臨場感溢れる仕事風景はとにかく見事としかいいようがない。

と、BLにあるまじき仕事ばかりのレビューになってしまいましたが、今回はこれに加えて二人のプライベートで一つの問題が発生します。
それは離婚して以来音沙汰のなかった前原の父の登場。
娘の結婚に差し支えるから別れてほしいと、ISOで大忙しの弘の前に現れます。1本筋の通ったこの父もいい。
どのキャラにもちゃんと立場を与える作者の公平な視線が感じられるのも、シリーズに好感がもてる理由の一つです。

働く男の格好良さ、そんな男たちの熱いラブを堪能したい時に出番です。
とにかく後読感の良さは半端ない!

ガツンと響いたこの台詞、
「僕は前原という男に感動するんです」
胸を張って言い切った弘に感動。

3

切磋琢磨の二人

シリーズの5作目。
本作のテーマは「ISO」。今となっては懐かしい。私が会社員だった頃、部署として認定を受ける為、私も自分の業務を文書化したものです…(90年代?)
本作は、一言で言うと「お仕事BLへの回帰」。
今までは、小さな故障や不良品などは慣習的に製造部の中で完結させてきたのに「ISO」という制度の中で全て明文化し、他部署にも情報公開し、という方向性に強烈に反発する製造部の竹中部長。
ISOの導入には期限がある為、製造部に協力を迫る弘に時間をかけて欲しいと頼む前原。前原は他にも大卒の資格を取る為のスクーリングで多忙、弘と会う時間も取れず。
その上前原の実父が弘の前に現れて、前原と別れて欲しい、別れなければ…と迫ってくる!
工場では以前から不調だった包装機のトラブルが元凶で不良品が出たり。
今回は業務にアツい前原と弘、それにもちろん工場の面々の本気の姿がとても眩しい。
そして、なかなか会う時間が取れない上仕事でも主張が合わない二人、焦れた時間の後のHはますます激しく深く。
自分の腕の中では乱れるけれど、仕事に関しては正しいと思ったことは一歩も引かぬ弘に前原は悔しさを抱きます。そしてそれは弘も同じ。同志で恋人…ぶつかって、また溶けて、そうやって高め合っていく二人。最高に面白いガテンBLです。

5

仕事も忙しいが、恋人関係も山場へ。

一瞬なんの本だか分からない感じのタイトルのシリーズ五巻めです。作者もあとがきで書いていますが、表紙のイラストがなかったら、軽めの実用書みたいですよね。ISO取得に関する云々ってのは、今となってはちょっと懐かしい感じですけど。

さて、前作は少しお仕事モードがゆったりしていたのから一転、今回は新たなる大きな目標が現れてお仕事にますます奮闘します。トラブルは起きるわ、社内での対立は発生するわ…。
そして更には、これまでチラリとも出てこなかった「前原の父」が登場して二人の関係がバレる! というアクシデントまで起きてしまいます。

かなりややこしい「ISO取得に関わるアレコレ」を(少々煩雑になりながらも)読みやすい文章でストーリーの中に収め、男同士である二人がこれからの関係と未来を考えるきっかけまで提示した一冊です。この後の展開を予感させつつ次巻へ…というまとめ。

あと、阿久津の「デキル男」なのにちょっとずれているようなとぼけたような感じ、たまりませんよね。サーカスの喩えの下りとか思わず声を出して笑ってしまいそうです。

やはり今回もさすがにうまいなぁ。

2

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