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「極道さん」シリーズの佐倉温、最新作! 天才御曹司×見鬼の才をもつ青年
人気シリーズを抱える実力・人気共に高い作家さまですが、実は佐倉さん、初読み。が、麻々原さんホイホイされました。表紙が美麗すぎる!
ということでレビューを。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
祖父から「御縁骨董店」を引き継ぎ7代目となった穂高。
「御縁骨董店」で取り扱うものの中に、付喪神がいる。祖父と穂高には見える彼らに対して、今日も二人は敬意を払っている。
そしてもう一匹。
見た目はタヌキ、けれど本当は神様の虎王。
穂高の日常は、彼らに囲まれいつもでにぎやかだ。
そんな穂高には全というハイスペック男子の幼馴染がいる。良いところのお坊ちゃんで、イケメンで有能。そんな全は、いつも穂高に愛をささやくが穂高はそれを受け取る事はしない。それには理由があってー。
というお話。
頭脳明晰、ゆえに警察からも事件捜査の依頼が来るほどの人物・全。
優しく穏やか、見えざる者、も見える穂高。
この二人が、持ち込まれた椅子に憑いていた総一郎という男性と出会い、「自分が死んだ理由・経緯を知りたい」という総一郎の意向を受ける形で過去の事故について調べ始めるが―。
総一郎の死因を調べるというミステリの側面を持ちながら、穂高と全の過去、二人が抱える秘密、そして付喪神や神、そういったものが複雑に絡みながら進むストーリーです。
バックボーンとしてはかなり多いです。
さらに言うと、全の人となりとか、穂高の抱えるもの、とか、正直に言ってしまうと既視感ありありな、そんな展開。が、それらがきちんとつながっていくその展開はさすがとしか言いようがない。
全×穂高の恋も、幼馴染からの、すれ違い、思い込み、といった王道と言える展開なのです。が、その王道感が上手に生きてる、っていうのかな。先が読める展開でありながら、それを遥かに超える文章力で紡がれていく展開でハラハラしつつページを捲る手が止められませんでした。
全のスパダリ感は、もうこれぞBLという感じ。
彼は子どもの時からずっと穂高一筋。ぶれることのない深い愛情は、多くの腐姐さまの萌えを呼びそうです。
彼らを支えるイケオジたちがこれまたカッコいいの。
全に仕える執事さんと、穂高のおじいちゃん。
イケオジ好きな方にもきっと楽しめる、そんなナイスなオジサマたちです。
全が事件を解決するといった側面も持ち合わせているので、続編とか沢山書けそう。ということで、ぜひともシリーズ化していただきたいと思います。
麻々原さんの挿絵はね、今巻も麗しい!
今作のイメージ通りのイラストで、萌え度は確実に上がりました。
今回は卓越した頭脳を持つ神楽坂家当主と
幼馴染である骨董店店主のお話です。
受様が骨董品についた付喪神を成仏されようとして
彼の過去に関わる殺人事件を攻様が解決するまで。
受様の生家である御縁家は
代々不思議な能力で未練や執着を持つ付喪神の魂を
鎮める事をお役目をしてきました。
受様は物心ついた時から
人には見えない付喪神と関わって育ち、
大学卒業と同時に祖父から正式に店主を引き継ぎます。
受様の両親は受様が小学生の時に交通事故死しますが
その事故では幼馴染である攻様の両親も
亡くなっていました。
攻様は卓越した頭脳でいつくかの博士号と特許を持ち、
時々は警察の捜査にも協力する神楽坂家の当主で
冷たいほどの美貌と鍛えられた身体を持ち
高校時代にはミスターパーフェクトと
あだ名がつくほど完璧な男です。
神楽坂家の先祖はある付喪神をご神体として祀り
守護神を得た神楽坂家は繁栄を続けますが
神成りした守護神は愚行を犯して
狸に憑依して出られなくなってしまいます。
そして攻様が両親の死で当主となった時、
ペットだと思っていた狸が守護神と知った攻様は
守護神と犬猿の仲になるのです。
怒った守護神は受様宅に家出し
その時に受様のある秘密を知った事で
そのまま受様宅に身を寄せる事になるのです。
攻様は自分の見たものしか信じない性格ですが
受様が攻様に見えない付喪神のトラブルに巻き込まれ以来、
様々なトラブルを解決する手助けをしてくれます。
今回受様は夫を亡くしたばかりの女性から
アンティークチェアの買取依頼を受けますが
その椅子には自殺した彼女の息子が
付喪神となってついていた事から
受様は攻様の力を借りて彼を成仏させようと
奔走することになります。
受様に知恵を貸す攻様でしたが
彼の死には隠された何かがあるようで!?
幼馴染の攻様に秘密を持つ受様が
骨董品に宿る付喪神の願いを叶えたいと望んだことから
ある事件に巻き込まれていく探偵モノになります♪
攻様はあまりにも頭脳明晰であるゆえに
人付き合いを苦手としています。
それでも受様の頼みがあれば警察の捜査に協力したり、
受様が巻き込まれてトラブルの解決には
積極的に関わるのは受様を大切に想うが故なのですが
受様は攻様に隠している秘密があり
攻様の気持ちに応える事を良しとしません。
2人の気持ちは周りにも読者にも丸わかりなのですが
受様が抱える秘密や不安はなかなか見えてこないので
恋の成就は一筋縄ではいきそうもなく
アンティークチェアーの付喪神の死の原因を追う事が
受様が攻様に秘していた事をも明らかにする事となり
2人の間の緊張感をいやがうえにも高めていく展開に
色々な意味でハラハラ&ドキドキしつつ、
たいへん楽しく読ませて頂きしました♪
攻様の執事や受様の祖父が
名サポーターとして活躍していて
狸の守護神もボケボケすぎるのが笑えて
とても面白かったです。
ぜひシリーズ化して欲しいです (^-^)v
詳細にネタバレし過ぎなので、これから読む人の事も考えて書いて頂きたいなと…。
佐倉先生の作品を読むのは「獅子は運命のΩを求める」に次いで二作目でした。こちらの作品の方が断然好みでした。
人気の「極道さん」シリーズは未読です。封入されていたSSペーパーを読みましたが、ちんぷんかんぷんでした。向こうのペーパーをこちらに入れて欲しかったです。(T-T)
こちらの「神楽坂様、初恋の謎解きのお時間です」は全と穂高と虎ちゃんのトリオでシリーズ化したら面白いのではないかと思いました。
穂高は付喪神が見えて物から残留思念を読み取れるし、全には凄い頭脳ととんでもない財力があります。それにプラスして麻々原絵里依先生のイラストで最強の謎解きBLになると思いました。もちろん虎ちゃんの愛嬌も欠かせません。
今回のアンティークチェアにまつわるお話も凄く面白かったし、全の穂高に対する一途さが気持ちが良いくらいでした。かなりじーんと来ました。
お話の緩急も素晴らしくこれ一作で終わるのがもったいないと思いました。
特別な力を持つ二人の長い長い両片想い
付喪神の姿を見て話すことができる骨董屋の御縁穂高(受け)とずば抜けた頭脳を持つ幼馴染の御曹司・神楽坂全(攻め)。
二人とも両親を早くに亡くし、他人とは違う力を持つゆえに唯一無二の存在となっています。
全は昔から穂高に対して事あるごとに「好きだ」と言ってきますが、穂高は全にも話していない自分の力に後ろめたさを感じていて、素直に受け入れられません。
このまま、全が幸せになる相手の手を取るのを近くで見守ろうと誓っています。
そんなある日、近所の老婦人からの依頼でアンティークチェアを引き取ることになるのですが、そのチェアにはその家の若くして不審な死を遂げた息子の総一郎が憑いていて付喪神になっていました。
記憶の大部分が欠落していて、家族のためにも自分の死の真相を知りたいと言う総一郎の願いを叶えるべく全の協力を得て調査するのですが、結果総一郎が死ぬ直前誰かに恋していたということわかります。
そんな中、穂高に総一郎のことから手を引くように脅迫状が届くのです。
彼は誰に恋をしていたのか。
脅迫状を送ってきたのは誰なのか。
表紙がすてきで手に取りました。
タイトルから推理ものと見せかけて主人公たちをくっつけるための方言かと思ったのですが、ちょっと違いました。一応推理ものでした。
穂高には物の残留思念を読み取る能力があります。
他人の隠したいことを暴いてしまう能力に罪悪感でいっぱいの穂高はそれを全にもいうことができず、全の想いにこたえることもできないでいます。
話は全の何でも見通せる力と穂高の特殊能力のおかげでそれほど推理というものではありませんでしたが、穂高は危険な目にあうし、まさかと言う展開でした。
亡くなった総一郎の無念はもう少し残りそうですが、心置きなく成仏できそうな展開にホッとしました。
二人がシリアスになることは多々あれど、それをぶっ潰してしまうのは神楽坂家の守り神・虎王です。
二人はおうおうにして間が悪いのですが、総一郎だったり、全のことを全力で応援しているのに苦渋の決断で邪魔をする執事だったり、それ以上にしょっちゅう入ってくるのが虎王です。せっかくいい雰囲気だったのにとなるのがおかしくて。
神様のくせに面倒ごとばかり起こす虎王ですが、二人の事情をぞれぞれ正しく知っているのは虎王だけなので、二人の間に入って邪魔をするだけでなく緩衝材にもなっていました。
とてもいいマスコットです。虎王と全の掛け合いもたのしい。
そして、なんといっても全の一途な想いには脱帽です。
一途な攻めは大好物です。
この方の代表作「極道さん」の場合は一途と言いつつ、弱い心に負けて女に手を出しててかなーりがっかりしてしまったので、そんなことがない全には拍手喝采です。
そして、変な当て馬女が出てこないのもいい。
一途な二組のカップルのお話はとても後味の良いものでした。
軽快に始まったのでラブコメかな?なんて思ってましたが期待を裏切られました。骨董店7代目の穂高の元に持ち込まれたアンティークチェア、このチェアに悲しい事件、悲恋が隠されていた事に驚いたし切なかったです。重い展開の中で虎ちゃんの存在は光ってました。
そしてこのチェアにまつわる謎を共に解いてくれるのが、穂高の幼馴染みの全。完璧な彼が一途に穂高を想う姿は可愛かった。穂高は自分の力や過去のトラウマで全との恋愛に踏み込めないけど、そういうものも全部受けとめて穂高を包み込む全が素敵でした。読み応えのある作品でした。