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表題作刑事と灰色の鴉

真柴健斗,25歳,刑事
神倉玲,28歳,バーで働くバーテンダーで泥棒

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

警察に届け出られない盗難品を、依頼人に代わって取り返す!! そして現場にはカラスの足跡──。ネットで噂の義賊に興味を募らせる新人刑事の真柴(ましば)。そういえば、名前も知らないあの人もカラスを腕に留まらせていたっけ…。幼い頃、父を亡くして泣いていた真柴を、魔法のような手品で慰めてくれた少年──。彼の面影が忘れられない真柴は、天才マジシャンがいると評判のバーを訪れるけれど!?

作品情報

作品名
刑事と灰色の鴉
著者
高遠琉加 
イラスト
サマミヤアカザ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
刑事と灰色の鴉
発売日
電子発売日
ISBN
9784199010392
4.2

(21)

(9)

萌々

(8)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
8
得点
89
評価数
21
平均
4.2 / 5
神率
42.9%

レビュー投稿数8

今はまだ起承転結の"起"の域

2021年刊。
続きものらしいのでまずは1巻目を読んでみた。
勿論次巻も追うつもりだが、いつもの自分のペースで完結後にまとめて読んだほうがよかったかな。
義賊ものは好きで一応他にもチェックを入れている本が何冊かあるものの、ここ最近なかなか小説を読む暇がなく、どういうふうに積読本の山を消化すればいいか大いに迷っているかも知れない。

てな訳で、以下個人的な備忘録にて。


この1巻目ではまだ起承転結の"起"の域だ。
周囲の注目を集めるような派手さはなくともアンダーグラウンド下では噂が広まって需要がある存在、証明に残していくカラスの足跡と、惹き付ける要素は散りばめられている。
寂れた街中にあるバー"マジックアワー"のスタッフ(主人公・健斗の意中の人・玲含む)もクセ者揃いだろう、このメンツの中ではマスターの過去や玲を拾った?経緯も気になるかな。
最も気になる人物は『俺は玲の秘密を握っているんだぜ』ってちらつかせている本庁刑事の刀浦だ。
登場時ではガラの悪さが目に付く男だが、彼らの今後にどう絡んでいくかのダークホース的キャラなのだろう。

主人公・健斗の過去の生い立ちもあってかワンコ要素の中にある健気な一面も、恋人候補の玲が美人な割に男性的な無造作が見え隠れしているってのも、高遠さん作品ではちょっと類を見ない責め受けになるかもしれない。
…と言っても、自分は高遠さん作品は数冊しか読めていないですが…
しかし、そんな数冊で印象に残るノスタルジックな情景の描写ってのは、マジックアワーの言葉がある通り、この作品でも健在だ。

0

え?!続くんですよね?

レビューを今書いてますが、実は続編の発売前に読んだんですよね。
なので期待感で萌ですが、この巻だけだと「コレはBLなのか?におわせ一般小説?それにしてもオチがないぞ!」と思ったのでした。
続編があるとわかって、そうやんなぁ、コレで終わりって無いよなぁと。

過去の事件で刑事になると志し、実際に刑事になった真柴。
その事件の際に子供心に慰めくれたマジシャンを探しています。

そんな折にカラスの足跡を残す窃盗団の事件を捜査することに。ところが、バーで見つけた探し人、玲はマジシャンでカラスの足跡が…

って事で、多分真柴と玲がCPで進むのは良いけど謎が〜
早いとこ続編を読みます!

0

わくわくが止まらないです

無差別殺人事件の被害者の家族として、子供の頃に深い傷を負った健斗は、当時、手品の上手な高校生と会って救われた。
長じてもなお、彼のことが忘れられず、13年間探して探してようやく、バーで再会を果たす。
健斗は警視庁新宿署の新米刑事。
そして、再会した彼の正体は、どんな標的でも受けた依頼は必ず成功させる、天才的な掏摸の玲。
というお話。
お互いが、お互いの正体を知らないのです。
もう、わっくわくです。
わくわくが止まらない。
描写は美しく、丁寧で、エピソードも破綻なく的確で読みやすい。
玲をとりまく仲間達も個性的でキャラが立ってて、普通の事件物としても充分楽しめました。


どうなるんだろう、この後どうするんだろう、とわくわくしながら、ふと気付くと、ページは3分の2を過ぎているのに、まだお互いが何者かを知らないのです。
え、これ、BLだけど、まだLoveのLの字にも到達してないんだけど、残りページでどうにかなるの?
心配になりましたが、お話が面白いのでぐいぐいページが進みます。
そして、……あー! こういう終わり方なのかー!!と絶叫。
2巻が先頃出たので、まだもやもやの持って行き場がありますが、そうでなかったらちょっと、「1」と書いてあるわけでもないのに、こんなところでこんな終わり方をされても、と。


その、お話が面白いというのがかなりウェイトを占めていまして、これだけで私の中で評価がとても上がっています。
だけど、意地悪な見方をすれば、素敵なキャラがたくさん出ていて、行き違いやら謎やらがちらほら顔を出しているけど、散らかしただけで回収されずに終了してる、と言う風にも見えます。


もちろんすぐに2巻を読みます。
だけど1巻としては(しつこいようですが、巻数表記はされてません)、今後の期待値を込めて辛い評価にさせていただきます。苦渋の評価です。

0

期待大!!

高遠先生の新作が読めるって、ホント幸せですよね。しかも今作は一冊完結ではなく、続きがある‼︎ タイトルからして期待しかなく、警察・裏社会・事件ものの暗さが大好物な読者としてはたまらないストーリーとなりそうです。

主人公の警察官はおそらく攻め?なのかしら。過去に自分を救ってくれた綺麗な年上のお兄さんのことをずっと忘れられなくて、本作ではやっと見つけた!というところで終わっているんですが…。

年上の綺麗なお兄さんは、隠れ家的バー「Magic hour」のバーテンダー。それは表向きの顔で、裏では窃盗事件の被害者のために非合法な取引を行うアンチヒーロー!? Magic hourのマスターもミステリアスで彼自身のバックグラウンドも気になるし、バーでアルバイトをしている個性強めな双子の活躍も見逃せない。裏業務の依頼者を選定する基準は彼らの独断だけれど、あたかも彼ら自身が奪われた何かを取り返そうとしているかのような執着心、あるいは復讐心のようなものが汲み取れます。そして、読者の意識に刻み付けるかのように時おり登場してくるカラスが意味するものとは…?

個人的に作家様の作品が好きでたまらないところは、どんなお話であっても受け攻め二人だけの特別な時間を必ず取り上げて、丁寧に描写してくれるところなんですよね。BLはやっぱりLOVEなので!!

本作でいえば、やっぱり二人が出会った頃のシーン。モノローグではなく、客観的な視点で当時を振り返る形で描かれるのですが、もう、美しい情景しか浮かばない…(うっとり…)

イラストがまたクールで素敵。サマミヤアカザ先生大好きです♡

続編が楽しみな作品は久しぶりで、むちゃくちゃ嬉しい…。う~、ずっと作品を描き続けて欲しい作家様です!ということで、期待を込めまくっての「神」でお願いします!!

5

冒頭部分でガッツリ掴まれました

やっぱり、高遠さんの文章は最高だ。
冒頭部分!
川べりでの夕間暮れ、夕日から夜空へ色を変えていくグラデーションの中を舞い飛ぶ鴉をバックにして、15歳の神倉玲の黒手袋をはめた手から零れ落ちる無数に思えるほどの白い花びらが12歳の真柴健斗の頭上に降り注ぐシーン……ああ、私が書くとこんなに無粋な文章になってしまうのに、高遠さんの手にかかると息を呑むほど美しい絵が見えるのですよ。
文字を読む目がしあわせで打ち震えています。
ドライアイも治るんじゃなかろうか。

おっとビックリの続きものでした。
嬉しいです、もっと読めるなんて。
ただし、この巻は神倉に関する謎を振りまいただけなので、なかなかのじらしプレイです。

真柴には、不幸な形での肉親(父親)との別れがあります。
たぶん、神倉にも(外れたらごめんなさい)。
似たような喪失感を抱いたことがあるが故に、神倉は不憫な真柴に輝く言葉と宝物を与えたんじゃないかと思うんですね。
そしてそれを支えに真柴は生きてきて、結果として警官になる。
でも長じた神倉は泥棒なんですよ、と言う矛盾。
うーん……今後が気になる気になる。

高遠さんのお話ですもの。神倉の周りにいるキャラがコミカルな動きをしても、むしろ寂しい感じを抱いてしまいます。「こうやってわさわさ楽しそうな所に居ても、結局は『独り』って思っているんだよね」って思っちゃう。

孤独というものはそんな簡単に解消されるものではないと思っています。
やっぱ、人はひとりで生まれてきてひとりで死んでいく訳ですし。
でもどこかで、奇跡の様に他者の人生と交わって欲しい。
またしても『高遠マジック』を期待している自分に気づきました。

7

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