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幸せいっぱいのお話で、大満足でした!
純情で誠実なダリウスと、天使のように素直でありながら、ダリウスの前でだけ時々小悪魔になるフィンのカップルがとても可愛いです!
また、年の差主従関係、両片想い、二人だけの秘め事……美味しい設定が盛りだくさんで、丁寧に描かれる関係性が心地よく胸に残りました。
以下、ネタバレありのあらすじです。
17歳のフィンは、幼い頃からお世話係のダリウスに恋をしています。でもある晩の出来事をきっかけに、ダリウスに対して気持ちとは裏腹なひどい態度しかとれなくなってしまい…。
フィンのことを誰よりも大切に想っているダリウスは突然の変化に傷つき、それでも誠実にお世話係として側に仕えます。
でも実はダリウスにも人には言えない秘密があり、それは深夜の3時間だけ一角獣に変身するということ。
膠着状態にも見えた二人の両片想いは、フィンが一角獣の姿を見てしまったことで動き出して……
前半部分には17歳のダリウスと7歳のフィンが出会う場面があり、幼いフィンが本当に可愛くて癒されます。普段は聞き分けが良く大人びているのに、ダリウスに関しては絶対譲らず、「ダリウスはどこにもいっちゃいけないの!」と必死にしがみつく姿にキュンとします!
そうやって「ダリウスが一番好き」と天使のように素直な愛情を向けていただけに、誤解が生まれた後のぎこちない関係が一層切ないです…!
ダリウスはフィンからまっすぐ慕われている時も、冷たい態度をとられている5年間も、いつも紳士で優しいんです。そんな彼が、ずっと秘めてきた想いを堪えきれずに口走ってしまう瞬間に胸を打たれました。
ようやく誤解がとけたあとの二人の関係が、書き下ろし「天使の秘め事」でとても大切に描かれています。
何年も素直になれなかったフィンが、ずっと押し止めていた恋心をダリウスに向けて解き放つ姿が本当に可愛くて眩しいです!前半がツンだったぶんだけ、より甘く感じます…!
ダリウスに構ってもらえないと小悪魔フィンに変貌して、相手をドキドキさせることを言ってみたり…言葉でいちゃいちゃするシーンもたくさん見せてもらえました!
また、恋に夢中になるだけでなく、自分のこれまでの態度を真摯に謝るところもとても良い子だと感じました。
ダリウスはフィンのことを心から愛していますが、お世話係として遠慮してしまうことも多いんです。フィンは相手の理性を崩そうと頑張り、そのもの慣れなさにも魅力が溢れていました。
本当は可愛く誘いたいのにうまく伝わらず、最後は「おまえは僕が『抱け』と言ったら抱けばいいんだ」と命令口調になってしまうところがとても可愛いんです。内心では恥ずかしさをこらえているのが健気で…!
そして、深夜一角獣に変身したダリウスとのラブシーンは必見です。
ダリウスの角はフィンに触られたときだけ性感帯になってしまうので、他では味わえないラブシーンをたっぷりと堪能させていただけます。そして満足感に浸っていると、さらに予想を超えるいちゃいちゃが……!
二人が寄り添って一緒に眠る場面が本当に素晴らしく、満足度のメーターが振り切れっぱなしでした。
甘いラブシーンが盛りだくさんなことに加え、二人の関係性がとても心に残りました。
ダリウスとフィンの間では関係性がいくつも重なっていて、主とお世話係としての関係、一角獣のダリウスとフィンの密やかな関係、主従から少しずつ恋人へと変化していく関係など、そこにある二人の気持ちがしっかりと描かれていて引き込まれるんです。どの関係性も素敵だったので、レビュータイトルでもそこに触れたくなりました。
また、先生はまっすぐな喜びを表現されることがとてもお上手なので、感化されて胸が熱くなることが何度もありました。
意外なものの登場に「何が起こるのだろう」とわくわくする場面も多く、特に物語最後の「積み藁」は最高のシーンなのでぜひご覧いただきたいです…!
長文で失礼致しました。
何度も読み返して味わいたくなる、おすすめの一冊です!
誤解からの両片想いから
両片想いのすれ違いがちょっと切ないけど、読んでるこちらにはそれほどのストレスに感じられることもなく甘くて優しくてかわいいとても素晴らしいお話でした。
主従ものは主人が攻めで主人主導型と従者が攻めで下剋上型の二つしか読んだことがなかったので、とても新鮮でした。
従者が攻めだけど真面目で主人のために頑張りすぎるくらいで、従者が遠慮するから淫乱だと思われたくないけど、自分から誘う小悪魔天使な受けって最高では?
詳しく他の方が書いてくださっているので感想だけ。
虚弱体質のフィンレー(受け)がお世話係のダリウス(攻め)の秘密を誤解してお互い大好きなのに5年もすれ違った後、誤解が解け甘々になるのですが、両視点で描かれているため、ちょっとヘタレなダリウスの心情も、ダリウスのことが気になりすぎて一向に体調が良くならないフィンレーもどちらのこともわかってとても楽しいです。
特にダリウスの心情は必死なんだろうけど笑ってしまいます。
夜になると一角獣に変身してしまうダリウスのフォローで入った家庭教師(後にフィンレーの継母)のリーズとダリウス2人の掛け合いとか、一角獣に変化したのを見られダリウスだと気づかないフィンレーにキスされて失禁しそうになったりするところとか、フィンレーが襲われそうになっているのを助けに入る素早い動きとか、脳内映像してみると楽しいったらありません。
両思いになってから、それまでの五年間の溝を埋めるべく言葉を惜しまないフィンレーの素直に好意を口にしたり誘い受けになったりも楽しかったです。
人間の世界にいくことを反対していたダリウスの両親や人間とに結婚に反対していたリーズの両親をも陥落させるフィンレーの天使っぷりも楽しかったです。
どのシーンを取っても楽しい話でした。
ファンタジーで優しくて主従もので、心のビタミンいただきました。盛りだくさんですね!
子供の頃のフィンが天使で!
これはダリウスも心を撃ち抜かれ側を離れられませんね。心が清らかで天使なフィンにダリウスもその両親もメロメロです。
半獣設定は難しくなく、登場人物も良い人ばかりで楽しく読めました。
ただし罪なフィンの親友エリアス。
彼の入れ知恵でフィンはダリウスと継母リーズに5年間も誤解から冷たい態度をとってしまいます。
誤解が解けてからはもうめちゃくちゃ面白くなります。
お世話係攻めが根っからのお世話係で。
こんなこと言うつもりじゃなかったのに、言わないと進んでくれないとフィンがなんだか淫乱誘い受けになっちゃって。
あんな姿であんなプレイを!
そしてあんな所でそんなことを!
あ〜書きたい、色々書きたい!けどぜひ読んでみてください!
フィンパパも執事も継母リーズもリーズやダリウスの両親も、みんなとってもあたたかくて楽しくて愛おしい人達です。
動物相手に相手が何を言いたいのかすごいわかるフィンの場面がとても楽しいです。
それにしてもすごい器用な一角獣ですね!
尻毛なのね!
スーパーダーリンお世話係攻め、いいですね!もっとがっついて!
典雅さんお得意の『同時収録作で、ギャップ萌えならぬギャップ大笑いをさせる』お話です。
そう。表題作は素直で爽やかに、可愛らしいお話として「めでたしめでたし」で終了するんですが、その直後、ラブラブになってからの激しい脱線ぶりが書かれる『天使の秘め事(読み終わった私からするとこのタイトルすら可笑しくてニヤニヤしちゃう)』が最高です!
この同時収録作では天使の様な受け様、フィンレーが箍を外してはっちゃけます。
でも、彼がどれだけつらい思いで様々なことを我慢して来たのかを表題作で読んじゃっているものですから、天使に似つかわしくない行動をとったとしても「まぁ、それくらいは仕方ないよね」と思わせられるんです。
そのおかげで、何をやってもフィンレーは清純派に見えるの。
お下品な行動を取っても、天使のままなの。
それなのに色っぽくて可愛い。
この辺がとっても上手なんですよ。
このエロ可愛さは、ダリウスでなくとも『角プレイ』をやりたくなるよね。
典雅さんと同じで私も『アンドレ攻め』と『純粋培養なのに誘い受け』が大好きです。「溺愛ものはあまり得意じゃないのにおかしいな」と思うんですけれど、たぶん私は『互いが好きなあまりボルテージが上がりすぎて、傍から見ればなんかおかしくなっちゃう人たち』が好物なんだと思います。
暴走するトンチキもやたら好きなので、たぶん『過剰』が好きなんでしょう。
今後も典雅さんに、この2人の様に過剰な想いを交換し合う恋人たちのお話を書き続けて欲しいです。
天使のようなおぼっちゃま・フィンレー(受け)と身体に秘密を持っている世話係・ダリウス(攻め)の物語。あとがきに書かれてる通り、混みいった設定ナシなのでファンタジーが苦手な方でも楽しめます。典雅さんの場合、現代ものだろうが歴史ものだろうがファンタジーだろうがキャラクターが全部独特の面白いい人ばかりの典雅ワールドの住人なのでいつも安心して楽しめるのですが。
フィンレーの魅力は人間力。純真な天使のような容貌とふるまいで幼い頃から周りの人々を骨抜きにしていくのですが、トラブルが起こった時「僕が行って説得してみます」と言って、絶大な人たらし能力というか交渉力を発揮して全て解決してしまうのです。柔らかい物腰だけど押しが強いできる子です。
ダリウスはBL界では大人気のアンドレ攻め。ヘタレっぽい所もあるけどいつも全身全霊で受けの味方でいる所が素敵。攻めもメルヘン世界の獣人なのでピュアな童貞攻めだったのですが、獣人姿の時はちょっと受けっぽくなってしまうのが可愛かったです。
他のキャラクターも皆楽しくて笑わせてもらいましたが、お気に入りは受けの幼馴染みの親友・エリアル。現実的でちょっと口が悪い子だけど芯はいい子だと思います。彼のスピンオフとか読んでみたい。受けで。
非日常が続いて気が滅入るような今の時代に小林典雅さんの明るく楽しいBL小説があって本当に良かった!とここ数年は特に思います。