電子限定描き下ろし付き
ミステリアスな褐色イケメン男子×天涯孤独の大学生の、一途で切ない想いが絡み合う再会BL譚。
一冊丸々表題です。
絵柄は可愛い系の作者様ですね。
前作でも思ったのですがシリアスな作品ならもう少しシャープな絵柄が良いなと思ってしまいます。
ミステリアスな褐色イケメン男子×天涯孤独な大学生でバイ受というカプです。
お話は山犬という民間伝承が根強く残る大犬村。
唯一の肉親である母親を亡くした廉太郎(受)は大学の夏休みを利用して幼い頃に少しの間母と暮らしたその村へと足を運ぶ。
そこで廉太郎を迎えに来たのはどこか人間離れした雰囲気を持つ志狼(せ)で………という感じで始まります。
すみません。
以下激辛口です。
【感想】
前作のさつき待つよりは読者に優しいと思います。
ただやっぱり個人的にはBLとして全く楽しめない………
妖怪や民間伝承は比較的BLでも取り上げられるテーマだと思うのですが……
山犬に連れていかれた志狼は結局一度死んで妖怪になって山犬に生まれ変わったの?それともただ人間のまま山犬に育てられただけ?それじゃ車の運転や足の怪我はどうやって治したの?その辺が今回もあやふやで結局分からずじまい……
また今回もなんというかこう知りたいところや気になるところが省略されてモヤモヤ……
設定だけは相変わらず盛ってますねということだけは伝わりました。
そして今回は受の廉太郎が好きになれない……
母子家庭で育って自分を愛情を持って育ててくれていた母親に対して情が無さすぎでは?生活に問題があるわけでもなく普通に働いていてそういう面で子供を頼らずに親としてしっかりやっているのは凄いこと。なのに言動が少しばかり俗世離れした所があり家事が苦手というだけで…
他人に頼らないと生きていけない人とまで言い捨てる…あんな風に言われたら母親も浮かばれない……三味もやりきれない……
ぶっちゃけ廉太郎は自分探しとか浸る前にどれだけ自分が母親から愛されていたのを自覚した方が良い。
愛情がなく他人や子供にまで迷惑をかける母親なら怪我をした時にあんなに心配しないと思う。
何て言うか……正直、志狼は廉太郎の何が良いの?とBLとしての良さが全く伝わらない。
なんというか……絵もお上手でお話作りもお上手ですがBLには向いてないのかなというのが正直な印象。
BLとしての物語作りは萌えない。
でもお話自体が微妙なのかと言われたらそうではないという感じです。
再読は無いです。