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性描写はございませんが以前から作者様はこの作品の左右はリタ×マリーと何度も主張されており、こちらをふまえて読むと2人の生き方 感性 精神面の強さなどがさらに説得力を持ち、リタの健気で男前な部分や マリーの我が道を行く性格とは裏腹に本当は人間として弱い部分がそれぞれらしく感じられて良いのではと思われます。
現実世界と地続きのような質感と解像度のお話を美麗な作画で描かれた素敵な作品です。ふたりの愛し方や責任を負い相手を守るための行動などの相違がとても愛おしいです...
圧倒的な画力と効果的な表現、そしてことばひとつひとつや表情 背景に至るまで緻密に表される繊細な心理描写に惹き込まれます。重い過去や抱えきれない感情に押しつぶされそうになりながらも、その足でしっかりと立ち ふたりで手を取り明るい場所へと着実に歩んでいく姿が本当に素敵でした。
読んでいてこちらがつらくなってしまうような描写もありますが、それ程までに どの登場人物も心理状態が細密に表現されており、恋愛要素以外にも高く評価できる作品であると思っています。質量のある作品ではありますが、とてもやさしくてあたたかくて何度も読み返してしまうお気に入りの作品です。仄暗い内容の中にあるささやかで「当たり前」な日常風景に癒されました。ふたりが出会った季節に新たな門出を迎える清々しいハッピーエンドです。