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攻の篤大はデカくて逞しい、アイスホッケー選手、体育会系ワンコです。
しかし性格はいいですが、“コマンド”はほとんど覚えてないです。
躾けのできてない大型犬に手加減全くなしに飛びつかれてひっくり返ったり、ぐいぐいリードを引っ張られて引き摺られている心地がしてきます。
大学の図書室で、倖弥(受)を、篤大が司書と間違えて声をかけたのが知り合うきっかけです。
篤大は高校生ですが、アイスホッケーの腕を買われて大学のアイスホッケー部の練習に特別に参加させてもらっていて、大学内をウロウロしていたのでした。
その後、倖弥は、人懐こい篤大に何故か懐かれ、聴く耳持たない篤大の猪突猛進的なアタックにぐいぐい押されることになります。
倖弥は幼い頃から可愛い顔をしているわりに、ひどく愛想が悪く、扱いにくい子供と言われてきました。
無理して周囲に合わせようとした結果疲弊してしまい、それからは「可愛げのない子」というレッテルを有難くいただき、周囲に迷惑をかけない代わりに自分もそっとしておいてほしいというスタンスでずっとやってきました。
幸い大学で地質学という地味だけれど打ち込めるものを見つけ、大学院で研究に従事することができて、静かで平穏な日常の中で、孤独だけれど平和に暮らして満足していたんですね。
そんな倖弥には、学問を通じて知り合った、40代の身体の関係だけの教授・植田(うえだ)がいます。
幼い頃から自分を上手く表現できず誰ともあまり関わらないようにしてきた不器用な倖弥を、追いつめることなく上手に愛してくれる存在は楽で心地よく、自分が植田の数いるセックスフレンドのうちの一人でも、自分が植田を愛していなくても、植田の存在は、確かに倖弥の安息の場所でもあったわけです。
ところが17歳の篤弥は、その真っ直ぐさと明るさと若さと力強さと遠慮のなさで倖弥の静かな世界に足音を立てて入り込んできます。
もちろん倖弥は抵抗し冷たく突き放すのですが、追い払っても追い払っても纏わりついてくる大型犬のように篤大はちっとも堪えません。
静かな日常は篤大がいると一変し、倖弥の心はかき乱されますが、頑なな倖弥もいつしか篤大に惹かれていくんですね。
アイスドールと言われてきた倖弥が、篤大の前ではとてもそんな風には見えず、感情の起伏が激しくなります。
そんなやりとりはちょっとコメディタッチで面白かったです。
篤大も成長しますが、成長ぶりは倖弥の方が顕著です。
お互い初めての恋に、不器用に、でも一生懸命に悩むお話、かなり好きでした。
ただ、全く言うことを聞かないワンコ攻めなので、度が過ぎてダメというかたもあるかもしれません。
年下ワンコ攻めは大好きですが、ここまで言葉が通じない、会話が成り立たない子も珍しい。
受けがあきらめるまで押しまくる姿を、萌えと感じるか、うざいと感じるかで好みが分かれそうです。
わたしは楽しみました。
アイスホッケーというスポーツも、この暴走攻めには合ってましたね。