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両方歯科医師が出てくるが、つながりはない二作の短編。表題作がめちゃめちゃ良くて萌えまくった!
「日向水」
職安での出会いから、春田が院長を務める歯科医院の受付となった笛吹。年齢は40を超え、哀愁漂う心理描写から枯れたオジサンなのかと思っていたら、驚きのハイスペだった。
仕事ができるのはもちろん、声が魅力的で料理も美味しく、さらにはキスが上手すぎるテクニシャン!春田のセフレ?もころっと落ちてストーカーになる始末。それでも何事にも動じず、仕事もプライベートもスパスパ捌いていく手際の良さ。なんだこのキャラ……!と萌え滾った。
三角関係になったり、家を失ったり仕事上の転機を迎えたり、盛りだくさんに見える笛吹の人生が淡々と綴られる。この雰囲気がとても好き。
常に理性的に笛吹を見守る春田も素敵なキャラだった。エロは受け攻めはっきりせず、二人とも当て馬と少々絡み有り。
ラストは気持ち良い終わり方でハピエン。理想的な関係性を匂わせる描写がすごくツボ。このじんわりくる読後感にハマった。
「秘密基地」
かつて好きだった男を事故で亡くした審良は、その男の生き写しのような学生・日吉に出会う。様々な策を講じて日吉を手に入れた審良は……?というお話。
こちらは審良が40代のオジサンだが歯科医師兼クラシックギターのプロでCDまで出しており、歯科大オープンキャンパスの舞台にピンチヒッターとして立って大活躍という、弾けたハイスペオジサンだった。
それを目撃した日吉は一目惚れしているので、審良の手中にころっと落ちる。エロは審良が日吉の童貞を頂いちゃってから受け攻めが入れ替わるリバ。
日吉が身代わりなのかと悩んだり、過去の確執と日吉の親バレなどが絡んできたりといろいろあったが、あまりすっきりしないまま終わってしまった印象。表題作が良すぎただけにこの終わり方は残念だった。
とにかく表題作の笛吹にたまらなく萌えた。好き。