電子限定描き下ろし付
良くも悪くも救済系オメガバースの王道かな。
正直既視感が拭えない所はあります。
けれど繊細な絵とシリアスなストーリーが重なると、
切なさがグンと増して胸を抉られた印象が残りました。
また攻めが意外と光属性だったところにも救われます。
愛された経験がない子供が
愛してくれる人に出逢うお話は色々と刺さりますね…。
この手のお話は滅法弱いのでしんどかったです(;ω;)
さてさて。
受け:雅(Ω)生徒会長
αに対して嫌悪感を持っているようで、
最初は晴斗にキツく当たり嫌味なことも言います。
攻め:晴斗(α)
問題行動を起こして転校してきました。
αと言われるのにウンザリしていて周囲と馴染みません。
本来は人の輪の中にいる面倒見が良い世話焼き気質です。
最初は反発し合っていた2人ですが、
雅の体調が悪いところを見た晴斗は放っておけず。
気になって家を訪ねると雅の生活環境は劣悪でーーーと展開します。
雅は見ていて痛々しかったです。
骨と皮だけの身体、
スプーンの持ち方、
リンゴの掴み喰い、
どうみても普通じゃない家の中。
雅はΩを理由にネグレクトされていて家族からはじき出されたんですね。
一切普通の生活を教えられることもなく、愛情を与えられることもなく。
親(と言いたくもないが)胸クソで胸クソで!!!
マジ気持ち悪いレベルの胸クソで腹が立つ!!!
(幼少期の雅をギュッとしてあげたくなる…(;ω;))
そんな雅に普通の生活を、愛を、与えていく晴斗。
これがめーーーーっっちゃよかった!萌えた!!!
特に料理をしたことがなかったのに雅の為に覚えるとこ。
慣れない手で作ったカレーは大失敗だけど、
雅がガツガツと完食するのもなんかもぅもぅ…;;
これ2重の意味で刺さったんですよね。
雅にとってカレーは家族から弾かれた団欒の象徴でね。
晴斗が作ったものが初めて自分の為に用意されたカレーなんですよ。
嬉しさで味は二の次三の次だったのか、
初めて食べたから味を知らなかったのか。
私は心情を想像することしか出来ませんが、
どっちに転がっても切なくて情緒が乱れる(;ω;)
(晴斗よ、カレー作ってくれてありがとうだよ…涙)
細かいトコだけど、
スプーンや箸の持ち方が下手なところが更にギュッと痛い。
親が教えてくれなかったんだろうなと察せられるのツラい。
だから読者的にも晴斗の存在には救われるんですね。
雅が笑って、泣いて、怯えながら愛を受け取っていくのは
晴斗がせっせと世話を焼いて与えた賜物なんですよねー!
愛されて可愛くなってく雅が良かったッ(∩´///`∩)
晴斗は育ちの良いお坊ちゃまというか。
温かい家庭でごく普通に愛されて育った子なんですね。
雅とは対極なんです。
『持てる者×持たざる者』
というキャッチコピーはあまり好きじゃないけど、
対極だからこそ救えるものがあったのは良かったです!!
以下余談ですが、
アニメイト有償小冊子は4話遊園地デートの後のお話。
2人が意外と(?)年相応のピュアさを発揮していて、
私の心が汚れててすみません…という気持ちですw
もだもだが可愛かったーッヾ(*´∀`*)ノ
オメガバース作品が世に浸透して作品もかなり増えてきました。
そんな中でこの作品は王道のオメガバース作品ではあるのですがちょっと一味も二味も違うレベルのお話でした。
「珠玉のオメガバース作品」それ以外にこの作品に相応しい言葉は自分には見つけられませんでした。
幸せいっぱいの愛に溢れるオメガバース、という訳にはいきません。
結末と言うか攻めのα・晴斗は受けのΩ・雅への愛に溢れていてこの感情が余りに尊すぎるのですがこの二人の出会いから結ばれるまでの道程は決して単調ではありませんでした。
「苦しくて」「辛くて」「切なくて」「痛くて」そう言った感傷的になる事が避けられない切ないストーリー展開でした。
雅の背景が余りに苦しくてそれだけでも読んでいて思わず泣いてしまいそうでした。
そんな彼の生い立ちや境遇が作中の雅の人格を形成したのかと思うとこれも辛かったです。
そんな彼の苦悩や孤独を埋めていくのが晴斗でした。
最初は物凄く反発していたのですが晴斗の強い想いに惹かれ合っていくのが本当に素晴らしかったです。
晴斗もαならではの苦悩や葛藤もあったのですが雅のものと比べるとマシだとは思いました。
でもそんな晴斗がただひとり、雅を深く想っていくのが本当に良かったです。
雅の為に怖いくらいの一面を見せたりもしますがそれらも全て雅への想いからと思うと何とも言えなくて胸がいっぱいになりました。
雅の心がありとあらゆる意味で晴斗に掬い上げられていく…
晴斗も雅の為に出来る事の全てをしようとする姿…
そして雅と家族との、そして弟・大和との事。
何もかもが感情を持っていかれる様な描かれ方で素晴らしかったです。
最初に描いた通り切なさや苦しさ、痛さを感じる分結末が全てを癒し浄化します。
それくらい読んで良かったなぁ、と思える作品でした。
今まで読んだオメガバース作品の中でも屈指の一冊に加えるべき作品だと思いました。
二人の蜜月・同棲編の続編も決まっているそうなのでそちらも物凄く楽しみです!
BLコミックで読んだ後余韻でしみじみ泣くことはなかったのですが、これは泣く。
オメガバースとか不幸な受と助ける攻とか、「腰細ぇ」とか、散々使い古された要素が散りばめられているのに、繊細な絵柄と描写で丁寧に描かれれば、全部鮮やかで愛おしくて美しい…泣
萌えどころも結構定番を押さえているのに新鮮で激萌えでした。
直球でここまで感動できるって、凄い‼︎‼︎
ツンな雅が笑ったり照れたり泣いたりするのが見ていて切なくて可愛いし、嬉しくなる。人を大切にしたいという気持ちの描き方が優しくて、読んでるこちらまでジンときます。
部屋の中や料理、壁の写真やキーホルダー、雅の身体の変化(ガリガリから細いへ)など、時間の経過の描き方も丁寧で好きです。言葉と言葉の繋がりも。
長方形コマだけのページが割と多いのですが、美微細な魅せる絵が落ち着いて見れるし、1頁1頁の完成感がすごい。
と、見返していてまた泣く笑
りんごやお弁当のページ可愛くて大好きです。
電子オマケの雅も(1頁ですが)めっっっちゃ可愛いです。
一条の家族はΩと知ってて雅をにこやかに夕食に招いたのなら懐深すぎだし、指入らないと言ってたのにブツは一気に挿れるのにはびっくりした…
「夜明けの唄」目当てでfromRED読んでいたんですがこの雑誌凄すぎませんか???どの作品も、ページめくってもまた戻りたくなるほど素敵な紙面と1冊の充実度と多幸感なんですが!これからの刊行も追います…
こちらも1冊完結ですが続編決定されています。(おめでとうございます)
個人的BGM:yas/ushi yo/shida las/t days
男子高校生のオメガバースのお話です。
αのエリート高校から転校してきた一条春斗。
転校初日に同じクラスの生徒会長の北原雅に学校案内をされるのですが、何故か嫌みっぽい。
初めはあまり良い印象ではなかったのですが、雅の明らかな体調不良やガリガリの身体が気になって心配になって、欠席している雅の家を訪ねます。
そこで、雅がヒート中であることや生活環境を察して放っておけなくなった一条くん。そこから二人が関わりをもっていきます。
ご飯を作ったり部屋を掃除したりと献身的な一条に、 次第に心を開いていきます。
一条のそうさせる気持ちが何なのかよりも、目の前にいる雅を放っておけない、何とかしたいという思いがあまりに真っ直ぐで。雅が不憫で可哀想なこともあるのですが、一条のその真っ直ぐなところに胸がグッときて泣きそうになりました。
雅が家族から受けてきた仕打ちや、Ωであることで辛い思いをするなど、見ていて辛いところも正直ありました。
でも、それを上回る一条の優しさ、真っ直ぐさ、懸命さがあり雅だけでなく、読んでいるこちらも救われました。
これだけ沢山あるオメガバースものなので、既視感があるところはあります。
けれど、フェロモンや「運命の番」といった影響からではなく、一条と雅が人として惹かれ合っていくお話だったように思います。
オメガバースもの、とは一言で括られない素敵なお話でした。
あと、描き下ろしがほんとに幸せな気持ちになりました。すごい良かったです。
途中、辛い展開があったけど最後まで読んでよかった、と思いました。
オメガバースはどちらかと言うと苦手ジャンルで、特にΩの子が虐げられている話は可哀想になるので好んで読みません。
この話も、雅の生い立ちや、Ωだと周りに知られてからの酷い扱いにうわぁとなりました。
久しぶりにがっつり差別されているΩの話を読んだので、テンション下がってしまったのですが、その分晴斗の光属性な優しさが沁みました。
展開は正に王道でした。でも繊細なタッチの絵や、丁寧に紡がれていくストーリーに引き込まれました。
オメガバースを読み込んでいる人には物足りないかもしれませんが、オメガバース慣れしていない自分にとっては、王道のオメガバースもいいな、と思えるいい作品でした。
これでデビュー作なんて凄いですね。
続編も決定しているそうなので今から楽しみです。
幸薄い雅が、幸せになってくれたらいう事なしです。