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前作「蜜約はスーツを脱いで」にて、アンリの居場所を聞き飛び出していったリシャールのその後。
ウェルネスグループのシリーズとしてはスピンオフの本作です。
10年前、恋人だったアンリをヨシュアに寝取られた…リシャールはヨシュアを憎み続け、10年後の今ウェルネスの日本進出の妨害をし、更にヨシュアの恋人遊佐を罠に掛ける。
しかしアンリとの別れには裏があった…
NYで強引にアンリを拉致し、三日三晩アンリの躰に自分との過去を突きつけようとする強引すぎるリシャール。
過去、完璧なリシャールの深すぎる愛を失ってしまうことを恐れるあまり自ら投げ出してしまったアンリは、感じすぎる躰に反して心では抵抗し続け、同時にパブリックスクールでの出会いと恋の始まりを回想しています。(寮での「ロミオとジュリエット」の劇の後のリシャールからの告白は甘くて甘くて、もうドキドキしました!)
Hの快楽だけでアンリの心を再び得ようとするリシャールは余りにも俺様すぎだけれど、プライドも白人至上主義も投げ捨ててひたすらにアンリを求める姿が良くも悪くも胸に迫ります。
過去アンリの仕掛けた別れは皆が傷付くだけの決してしてはならない方法だったし、2人の若すぎた恋と別れの落とし前には10年の月日が必要だったのでしょう。
攫ってH三昧の3日間の描写は、もちろんふゆの先生の筆力と奈良先生の美麗イラストがあいまって濃厚で大変読み応えがあります。また過去の回想部は甘い甘い空気まで感じられるような素敵シーンで、この頃のピュアなアンリへの恋心が今も変わらずにあるのなら、この2人はこれからもうまくいくのかな……
※この作品は米国大手スーパーチェーン「ウェルネスマート」に関わる人物を主人公にしたシリーズ作品の5作目となります。
10年前大学院の卒業を目前にしたアンリは、ある事情がきっかけで恋人のリシャールに突然別れを切り出します。それから10年間リシャールの前から姿を消していたアンリでしたが、現在「ウェルネス」のCEOであることがリシャールに知られると、再会を果たそうと直接押しかけた上、3日間だけ話をする時間がほしいとアンリを強引に連れ出してしまいます。すれ違ってしまった過去を取り戻そうとするリシャールに対し、もう終わったことだと突っぱねるような態度を取るアンリでしたが、本心では追いかけてきてくれたことを嬉しいと感じていました。しかしアンリはすでに結婚が決まっていて…
全体としては「ウェルネス」シリーズになるのですが、その中でも今までの4作はヨシュア×遊佐、ティエン×高柳それぞれが主人公のシリーズが2作ずつあって、今作は新たな主役(リシャール×アンリ)という形になっています。ヨシュア×遊佐のシリーズ2作目(「蜜約はスーツを脱いで」)でリシャールは結構重要な役として登場しており、ラストで10年前に別れ行方が分からなくなっていた恋人・アンリの現状(「ウェルネス」のCEOだったこと)と、別れるきっかけになったある事情を知り愕然とする訳ですが、今作はまさにその後を描いた話となっています。
英国のパブリックスクールでの出会いから、その後お互いを認め合った上で恋人として愛し合うようになり、大学院卒業を目前に分かれてしまうまでの過去と、リシャールが強引にアンリの元に押しかけ、話をしたいと3日間独占する日々を描いた現在のエピソードが交互に挿入されます。
まぁ何というかリシャールと付き合っていくのは大変だろうな…と読んでいてしみじみ感じてしまいました。とにかく傲岸不遜で気難しい性格だし、白人至上主義で差別的な考えを持っているし、恋人への独占欲は強いし…と見かけは王子様(もしくは天使)の様でも中身は全く違っていて、大らかで優しい性格のアンリだったから付き合えたんだなとつくづく納得したのですが、そんなアンリも自分の出生に関するある事実をリシャールには言えずにいて、ついには別れを切り出すきっかけになってしまいます。10年後、その事実を知らされたリシャールは「アンリだったらそれでも良い」と、彼なりの妥協案でアンリに復縁を迫るんですが、好きな人だけは特別だけど後は今まで通りという考え方がリシャールらしいな(苦笑)と思ってしまいました。基本的にリシャールはあまり好きなタイプのキャラではなかったのですが、プライドを投げ捨てアンリを取り戻そうと必死になるリシャールの姿には、ちょっと心を動かされました。
ラヴァーズ文庫は奈良絵が多くていけない...
ついつい奈良絵だとストーリーを見ずに買う傾向にあります。
だからと言って、おもしろくなかったわけじゃないんですけどね。
ただ、シリーズ作品だったみたいで、ちょいちょい出てくるヨシュアと
この物語の登場人物との人間関係が気になって気になって...
でも、この本単品でも十分楽しめるストーリーなので、
こちらを先に読んでも全然大丈夫です♪
10年前に別れた恋人(リシャール)が突然目の前に現れ、
無理矢理ホテルに監禁し、ひたすら体を求めてくる。
その一方、アンリは彼との出会いから別れまでを回想しつつ
話は進んでいきます。
現在の方は延々と濡れ場が続き、その合い間合い間に回想シーンが
登場するのですが、英国のパブリックスクール+寮という設定に
目がない私はとても楽しめました♪
20年以上も前の2人の出会いはアンリ15歳、リシャール13歳。
少しずつ距離を縮めていき、その出会いから2年後に結ばれます。
生々しい描写がないにもかかわらず、今の2人の激しい濡れ場描写より
興奮しました。
でも、その数年後にリシャールの浮気が原因で2人の関係も終わって
しまうのです。
そして、彼らの共通の友人であるヨシュアを愛しているとウソをつき、
リシャールの前から去るアンリ。
そのウソを信じて諦めていたリシャールですが、
ヨシュアから真実を聞きアンリの前に現れるのが冒頭の場面。
愛のない結婚をしようとしているアンリを再び手に入れるため、
必死に体を張って愛していると訴えるリシャール。
アンリはとまどうものの、リシャール20歳の誕生日にプレゼントした
十字架のネックレスをまだ持ち続けていたこと。
それに、白人至上主義だったリシャールがアンリに流れる日本人の血の
存在を知ってもなお愛していると言ったこと。
それにより、アンリはリシャールを再び愛する決心がついたのです。
ラストはたたみかけるように駆け足で展開したのが少し残念ですが、
回想シーンでは幼くてピュアな恋にちょっぴり切なくなり、
今現在の成長した2人では濃厚でドラマチックな展開に
キュンとなりました。
ただ、ラヴァーズ文庫なだけあって、濡れ場の描写が多すぎたので
もう少しそこを減らして心理面を深く書き込んで欲しかったなぁ...
と思います。
アンリが恋人だったリシャールと別れてから10年が経った。
アンリは未だにリシャールを忘れられず、想いを引きずっているもののリシャールからの「会いたい」という連絡を拒み続けていた。
なぜなら、絶対的な白人至上主義者であるリシャールに、自分が日系の血を引いていることを言い出せないためであった。
しかし、そんなアンリの前に、10年の時を経てリシャールが姿を現す。
再会を拒み続けるアンリに対して、交差点で止まっている車の前に飛び出すなど、おおよそリシャールらしからぬ行為に、そして、「アンリが来るまでそこをどかない」と言い張るリシャールにアンリは渋々、連れ去られることを了承するが、リシャールに連れて行かれた先はホテル。
とりくつしまのないアンリにじれたリシャールにアンリは抱かれてしまう。
心はリシャールにあるアンリには、それを拒みようがなくて……
という話。
物語の「今」としては、アンリとリシャールが再会して、アンリが結婚を発表する日までのたった4日間。
ただそこに、上手にアンリとリシャールの出会いから今までを絡めてあるので、とても濃い話になっていました。
それと、この話は「駆け引きはベッドの上で」の番外編のようになっているようで、そちらの登場人物の名前もチラホラ出ています。
ただ、読まなくても十分に面白いので、問題はなかったです。
最後はキレイなハッピーエンドになっていて(ちょっとだけ出来すぎたドラマのようでしたが)、いい終わり方でした。
ただ、前編を通して、慎重派で考え込みやすくリシャールのことに関してはネガティヴなアンリ目線で物語が語られるので、少し、鬱々としていて肩が凝るといえば肩が凝るかもしれません。
シリーズもののスピンオフで関連作品が沢山ありますが、
未読のまま予備知識なく単体で読んでも大丈夫だと思います。
より話しの流れをスムーズにするなら「密約はスーツを脱いで」をチョイスして下さい♪
攻めも受けも学生時代は天使と呼ばれた美しい男たち
パブリックスクールからの関係
表紙のような美しい挿絵 etc.が楽しめます。
特に奈良さんの線の細い繊細な挿絵は素晴らしかったです(;///;)スキ
さてさて。
過去には愛を誓ったけれど10年前に別れたリシャールとアンリ。
ある日突然、リシャールがアンリの前に現われて強引に拉致していきます。
抗いきれずリシャールに抱かれながら蘇る10年前の記憶と別れるキッカケ。
アンリはリシャールを愛しているのと同時に畏怖を感じてました。
というのもリシャールは傲岸不遜な性格と徹底的な白人至上主義の持ち主で…と展開します。
見所としては白人至上主義のリシャールが、
日本人の血が流れるアンリを受け入れた部分なんだと思います。
しかし、ふわっと流されたけど10年前に浮気してた件とか差別感情についてリシャールが謝罪するシーンがなかったのにモヤッとしました。アンリ視点で語られるせいか、リシャールの中でどんな変化があって差別感情が消えたのか描かれておらず「愛してる」のごり押し力技に見えてしまう…。
この部分は前作未読か既読かで感想が変わるかもなんですが、個人的には蜜約~でリシャールはアンリの胸の内を知り許しを請いに走ったのだと思ってたので、ガッカリした感は否めませんでした。
だって拉致して3日間の猶予をもらったのにずっとセックスしてるんですよ?
それより前にまず話すことあるやろが( `д´)⊂彡☆))Д´) パーン
土下座して謝るのが先やろ何してんだ( `д´)⊂彡☆))Д´) パーン
別れるキッカケをつくるほどアンリを追い込んだのはリシャールだというのにスッキリしない…。
パブリックスクール時代の回想があったのは良かったです!
今ほど体格差がなく、中性的な美人の少年2人が、コッソリと愛し合う背徳感*。゚+
このシーンの挿絵はないけれど頭の中でめくるめく美しい絡みが目に浮かぶw
スクール時代にはリシャールの年下感が若干あったのも萌えでした( ´艸`) ♪
(ちなみにリシャールは9割方年下攻めっぽくない攻めです)
リシャールにはスッキリしなかったけど、アンリ視点の恋心は良かったです。
愛情と、畏怖と、憧憬。
アンリにとってリシャールか神のような存在。
そこまで傾倒しながらも別れを決めた日。
今後のリシャールにはアンリの心に触れ、同じくらい大切にしてもらいたいです。。。