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今回は運命の番を探す異世界の王と
動物の言葉がわかる無職の青年のお話です。
番を探す攻様と界渡りした受様が異界の為に尽力し、
攻様と共にある事を選ぶまで。
受様家出同然で上京してから自活してきましたが
勤務先の飲食店が倒産、無職となります。
悪いことは重なり
受様はノンケに惹かれる隠れゲイですが
片恋相手の友人が突然デキ婚して失恋決定、
彼の結婚式の後、泥酔する事態にとなります。
実は受様は動物の言葉がわかる特殊能力が有り
その夜は警戒心を忘れて野良猫達に応えてしまうのです。
しかも馴染みの猫達との会話で少し浮上した
受様はたまに見かける毛並みのいい黒猫にも
ついつい話かけてしまいそんな受様に
突然、見知らぬ男が話しかけるのです。
彼は俺のしもべであるぞ
奇妙な口調に振り向くと豊かな黒髪に褐色の肌、
青い瞳の異国情緒溢れる男性がいたのです。
彼が今回の攻様です♪
攻様は受様が動物達と話ができる事を知っているようで
動物達を保護する仕事をしていると言いますが
それがわかるという事は攻様も言葉がわかるのでしょう。
果たして攻様はいったい何者!?
そして受様に声をかけてきた真意とは!?
異界の王である受様に番として求められた受様の
異世界トリップファンタジーとなります♪
実は受様がたまに出会っていた黒猫は
攻様の命で受様を偵察していたそうで受様は
「オレの住む世界に来て、番になって欲しい」
「世継ぎを産んでくれるならなお嬉しい」
と突然求婚されるのですよ Σ( ̄。 ̄ノ)ノ
攻様は人間の性別にこだわらないし
受様は男を愛する者だから問題ないし
攻様は人間の雄を孕める体に変える能力もあるらしく
ある意味なんでもありな攻様に
受様はいっぱいいっぱいになってしまうのですよ。
結局攻様の世界に連れてこられた受様は
攻様とお試し婚をすることとなるのですが
受様の世界はけっこうのっぴきならない状況で
受様は攻様の立場や状況を知るにつれ
徐々に気持ちも動いていきます。
もちろん2人が
すんなりと恋人になるはずはなく(笑)
王族にしか倒せない魔獣の奇襲、
たった1人の王族となった攻様の世継ぎ問題、
運命の相手を失い道を誤り悪霊となった先代の王、
そして受様が宿した命も物語を大きく動かしていき
思いがけない展開を見せながらも見事な大団円で
とっても面白かったです。
ただ1人の王族としての義務を背負い続けた攻様にとって
運命の相手は未来への希望だったと思います。
そんな攻様の相手が受様で本当に良かったです。
真宮藍璃先生のオメガバとか大好きなんですが、今回は期待し過ぎた感じがします。
祐介が性に対して積極的なのと、ラフィークとのお試し婚の意味もあるのでエッチシーンがかなり多かったように思いました。
2人がエッチする理由もちゃんとありましたが、個人的にはシーンを減らして獣人たちとのコミュニケーションをもっと書いて欲しかったのが本音でした。
全体的にアッサリしててそれなのにセックスシーンが長く、途中で何度か読むのを挫折しそうになりました。
祐介の祖先の秘密とかラフィークの兄も、もっと最初から出しても良かったのではと思ってしまいました。最後にとって付けた感があり、慌ただしいと感じました。
セックスシーンが多いので小山田あみ先生のイラストの比重もそちらに傾いていましたが、もっと服を着て格好良いラフィークが見たかったです。裸体も素晴らしいですが。
書きたいことは分かるけど、どこか物足りない作品でした。
失業中の上、想い人はデキ婚という踏んだり蹴ったりの祐介(受け)は結婚式の帰り道、馴染みの野良猫たちに愚痴っていると、アラブの王族のような雰囲気の男と出会います。
動物を保護する仕事をしているというラフィーク(攻め)の屋敷についていくと、実は自分は異世界の獣人で祐介はラフィークの約束の番で、番になってほしいと懇願されます。
意味がわからない上、失恋したばかりだわ酔ってるわと人恋しかった祐介はとりあえず一晩だけと関係を持つのですが、世界間のトラブルでそのままラフィークの世界へと転移してしまうのです。
元の世界に戻るには一年程力を蓄えないといけないそうで、無理強いはしないが求婚は続けるので考えてほしいと言われ時間もあることだし、その間お試し婚をすることにするのです。
転移した世界は知性を宿した獣と魔術を操る人間が番ってできた獣人が住む世界。
ラフィークはここの唯一の王族です。
王族にしかできないことが多くあり、それをひとりでこなすラフィークは休むこともできず疲れ切っています。
特に魔獣と呼ばれる穢れた獣を退治するのが大変でラフィーク以外では生まれたばかりの赤ん坊の産声しかありません。
特に王族の赤子の産声は一帯を浄化する力を持つということで、祐介には切実に子供を産んでほしい状況です。
そんな状況でも、ラフィークは祐介を子供を産む器にするつもりもないし、番になるのも無理強いせず、とても紳士的です。
民のためにわが身を削って働いており、祐介は彼のことを知れば知るほど何か協力したいと思うようになります。
それにしても王族の負担半端ない。
やることが多すぎて品行方正な王族の人数がいないと成り立たない世界なので、かなり厳しい世界です。
王族が怠惰だったり責任感がなかったら速攻なくなってしまうような世界なので民からしたら非常に不安定な世界。
両親の不和のため、人を好きになることに消極的で、無意識にノンケの男にばかり懸想していた祐介でしたが、ラフィークを愛するようになってからは、不穏な話を聞いてもきちんと本人から話を聞こうとしたり、相手がどう思っても自分はラフィーク愛してると宣言できる強い人でした。
これから沢山子供を産んでもらいたいものです。
ただ、獣人はすごい長寿のようだけど、500年以上生きるのに王族の相手は人間に限られるのは寿命が違いすぎて心配です。
番になったら寿命が延びるのかと思ったらそんなこともなく。
順当に番が見つかった場合、つがいが亡くなってからも500年位残されるのは辛いな。
番が死んだら気が触れてしまうんじゃないかしら。
所々ある伏線かなと思われる話もきちんと回収されており、ハラハラすることもありますが、大変な時に赤ん坊が生まれたりして感動もあり楽しく読めました。