ただ一人のわたしの番

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巣ごもりオメガは後宮にひそむ

sugomori omega ha koukyuu ni hisomu

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表題作巣ごもりオメガは後宮にひそむ

ミシュアル・アブズマール
兵士,21歳

あらすじ

名門アブズマール家に生まれたミシュアルは、兄たち同様、自分がアルファになることを信じて疑わなかった。そしていずれは軍人として、尊敬する次期国王・イズディハールを守っていくのだと夢見ていた。十三歳のその日、性徴検査を受けるまでは……。思いがけずオメガの判定を受け、夢であった軍属の道を断たれたミシュアルは、さらに医師から「既につがいのいる身」であると、身に覚えのないつがいの存在を突き付けられる。夢を奪われ、ひっそりと暮らす中、彼を見かねた従姉・ラナの計らいで、妃候補の護衛として国王・イズディハールの後宮に入ることに。後宮に入ったミシュアルは、そこで自身のつがいの痕跡を見つけ――

作品情報

作品名
巣ごもりオメガは後宮にひそむ
著者
晦リリ 
イラスト
星名あんじ 
媒体
小説
出版社
アルファポリス
レーベル
アンダルシュノベルズ
発売日
電子発売日
ISBN
9784434313271
3.4

(24)

(4)

萌々

(11)

(4)

中立

(2)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
5
得点
78
評価数
24
平均
3.4 / 5
神率
16.7%

レビュー投稿数5

王道のストーリー、だけに非ず。

初読みの作家さま。
もしかしたら今作品はデビュー作でしょうかね?おめでとうございます!

初読みの作家さまですが、星名さんの描かれた美麗表紙を拝見してお買い上げ。タイトルからも推測できるように、オメガバものです。ということでレビューを。ネタバレ含みます。苦手な方はご注意ください。






ミシュアルは名門・アブズマール家の三男。
優秀で正義感の強い軍人の父を持ち、父のように立派な軍人になり、そして王子で次期国王のイズディハールを守りたい。そのために日々鍛錬を欠かさない少年。

が、13歳の時に行われた検査で、己がオメガだということを知る。
オメガでは軍人になれない。絶望するミシュアルだったが、彼の幼馴染で王になったイズディハールの後宮に入ったラナの計らいで、ラナの護衛として後宮に入ることになるが―。

イズディハールに淡い恋心を持ち、けれどその思いを封印し軍人として彼を守り続けたい。が、その夢はオメガであったことで儚く散ってしまうが…、という、ミシュアル視点で紡がれていくお話です。

イズディハールは国王、ということで沢山いる妃候補の身分の高い女性たち。
国王への成就することのない恋心。
幼馴染で自分を救ってくれたラナとイズディハールとの仲睦まじい姿を傍で見なければならないという苦しみ。

BLという点での萌えは、王道と言っていいんじゃないでしょうか。バッサリ言ってしまうと良くあるお話。かと思われます。

が、今作品のキモは、ミシュアルの番の存在。
性的な接触を持ったことはおろか恋人すらいたことのないミシュアル。にもかかわらず、彼には身体をうずかせる匂いを持つ「番」がすでにいて…?

という謎を軸に進む展開で、どうなっちゃうのかと気になってページをめくる手が止められませんでした。

なぜミシュアルに番がいるのか、その番は一体誰なのか。

その辺りはこういう展開なんじゃないの…?と推測できる部分はあるのですが、晦さんのミスリードがお上手で翻弄されっぱなしでした。

ミシュアルという青年がまた良い。
己の、オメガであるという状況に絶望しつつ、男気がきちんとある青年なので読んでいて応援したくなる。

そして、ミシュアルの番の「彼」も。
いやー、すごく萌えが滾るスパダリでした。誰がミシュアルの番なのかはぜひとも手に取って読んでいただきたいですが、クソほどカッコよくて悶絶しました。

ストーリー自体二転三転する展開で、読み始めたら最後、行きつくところまで行きつかないと本が手放せない。ハラハラも、萌えも、きちんと詰まった作品でした。

非常に面白く読みごたえのある作品でしたが、ワタクシはひとこと言いたい!

なぜ挿絵が無いのか…!
星名さんの美麗イラストを楽しみに手に取ったのに、この哀しみと言ったらない。挿絵も小説を読む楽しみの一つなんですけど。

と、ここで憤慨しても仕方がないですね。
そこだけが残念でしたが、デビュー作とは思えないクオリティの高い作品でした。次回作も楽しみに待っていようと思います。

6

番へのナゾトキ

おお〜!美麗な表紙が目を引きますね。

オメガバース×アラビアン
アラビアン作品と言えば、溺愛・執着攻めだと勝手に思っている私なんですが、こちらの作品も期待通りで嬉しかったです。

そうそう。これよーーこれこれ!
疲れた身体に滲みる溺愛と執着。ムフフ…既定路線です♡
ほんの2〜3日前にも別作家さんのアラビアン作品を読んだばかり。アラビアン作品は攻めの溺愛が心地よく響くのが堪らない。この作品ももちろん例外なくでした。
でもですね、今まで読んだアラビアンラブストーリーとはちょっと趣きが異なるのが、ワクワクポイント。導入部分もおっ?となって面白かったけど、エンディングは疑問符のついた謎が全部回収されていくスッキリ感で読後感良しでした。


ストーリーはというと、ナハルベルカ王国の国王・イズディハール(α)と、見ず知らずの番がいる名家の子息・ミシュアル(Ω)の恋物語です。
これだけの情報で期待値が高いんですが、注目すべきは内容。自分を含め誰もがミシュアルのことをαだと信じていたのに、予想外にΩ認定を受けてしまったミシュアル。それに加えて番がいる診断を受けてしまいます。
それが誰なのか……?ってところがこの作品の大きな見どころなんですが、相手はもちろん読者はご存知の通りです(笑)

ミシュアルが後宮にいる従姉妹の従者として仕えるようになってから、事態が色々と動いていきます。どうやら自分の番が後宮にいるっぽいぞってなるんですが、ここで面白いのがミシュアルの番ヒントがポツリポツリと出てくることです。何だか謎解きしてるみたいな感覚でした。
ミシュアルは番が誰なのかを探るけど、分かりません。ラストで謎解きの答え合わせをしたときの内容は、随分とややこしいことするなぁ…のひと言。慎重になりすぎて、遠回りしちゃってるなって感じです。

でも私としては、国王のイズディハールが臆病なところも良いもんだなと好意的に捉えていました。本当にミシュアルのことが好きだからこそ、なんですよね。
後宮を抱えて不誠実じゃない?と最初思ったけど、この後宮こそが実はミシュアルのため。後宮に召し上がった他の子女たちには何とも辛い話です…。゚(゚´ω`゚)゚。

ミシュアルとイズディハールの2人にとってはドラマチックな展開で、ドキキュンです。だけど、"じゃない方"の子女たちの立場から見ると、女性としての花ざかりの時期を見込みのない男性に捧げて後宮暮らしって可哀想だな…って思ってしまいました。
それを言ったら元も子もないんですけどね。イズディハールが積極的にミシュアルにアプローチしていたら良かったのになって、それに尽きるお話でした。


気持ちが通じ合ったら、あとは定番のあまあまターンの到来です。執着、嫉妬、溺愛のトリプルコンボ!
私がキャッ♡と思ったのが、ミシュアルの方がイズディハールより体格が良いところ。エッチのとき自分の方が筋肉で重いからと、座位に気を遣うとことか萌えました。

ミシュアルの従姉妹のラナがまた良い子で、彼女の存在にはミシュアルだけじゃなく私も救われました。その後の家族が増えたエピソードも見たかったです。

5

答え合わせが楽しい

初めての作家さまで更に他に作品が出てないと、購入するのにとても躊躇してしまいます。
そういう時はちるちるさんのレビューやキャラの情報欄を参考にするんですが、何と攻めが「?」になってるじゃないですか!
まぁ、あらすじからなんとなくは察する事が出来ますけど。

小説を書き慣れてない作家さまだと、文章の至るところに要らない物が入ってたり表現に戸惑ってしまう事が多いのですが、こちらの作品も最初の方は文章に慣れるまで頭に入って来ませんでした。

段々と物語が進むうちに筆が乗って来たのか、余計な文言が減り読み易くなったと思います。

お話の内容はせっかく攻めが「?」とあるので触れないようにしたいと思います。
やはり想像通りの方が番でした。そして番になった時の様子も、その後にどうしてミシュアルが番が誰だか分からないでいるかの理由も想像通りでした。

全てが想像通りだからと言ってつまらなかった訳ではないんです。想像した事が当たっているかを答え合わせしながら読むのがとても楽しかったんです。

それとミシュアルというキャラのビジュアルが面白い!褐色で下手なアルファより体格が良くて武芸も引けを取らないとかって新鮮でした。実は番より体格が良いらしいです。

凄く面白かったんですが…個人的には未子を溺愛してるミシュアルの家族が、ミシュアルが番と一緒に家に説明に行った時の反応を書いて欲しかったです。ミシュアルの叔父の反応は従姉のラナが言ってるんですよ。
それからあの時点でミシュアルを番に出来た理由が書いてないのが残念です。これらが載ってたら神でしたね。

それから279ページの6行目ですが「あなた昔からから」は「あなた昔から」の間違いです。

1

謎解きが面白い!

受けちゃんがガッチリ体型のオメガでかわいかったです。αだと思って戦士の訓練を受けて育って来たミシュアル。しかし、突然Ωの判定。そして既に番が居ると言われて戸惑います。番とはだれ?まだ見ぬ相手を気にかけながらも、従姉妹の側仕え兼護衛として後宮に入ります。
最初から番の相手は想像できるんですが、それでも、いつ?どうやって?番になったの。
謎解きが楽しいお話でした。
事件に巻き込まれた従姉妹を助けようと、奮闘するミシュアル。こんな逞しいオメガ見たことないです。しかし、ミシュアルにも危機が訪れます。やはりオメガに危機が迫ったら、アルファの出番なんじゃないの?!って思いハラハラしながら読みました。
番の相手は誰なのか?どうして知らないうちに番になったのか?ミステリーを楽しんで欲しいです。
ミシュアルの性格が好感持てましたし、彼の従姉妹も女性キャラですが、良いキャラでした。そしてやはり番のアルファ様はかっこいいので、読んで確かめて欲しいです。

0

攻めへの感想が分かれ目かも

家族みんなアルファでアルファっぽい体格ですっかりアルファだと信じていたのに、オメガなうえ番がいると知らされショックを受けたミシュアルが主人公です。家が裕福なので生活に困らず籠ってられるとはいえ…可哀そうです。

あらすじからイズディハールが番相手なんだろうなと予想をつけるものの、ミシュアルとそれらしき過去もないし(微笑ましいものばかり)、匂いが違うとか、あれ?な展開で進んでいきます。その辺りが一番楽しいです。

攻めのイズディハールを可愛いと思えるのかと、ビビリのヘタレだと感じてしまうのかで評価が分かれるところかなと思いました。私はというと、表紙とかイラストが格好良かったからこそ、おいおい~8年も放置してるんじゃないよー即位してからも3年も何してたんだよーって感想でした☆

1

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