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この時代観ー…めっちゃ好き!
しかも日本のセレブ(華族)設定ときたもんだ。戦前の日本の上流階級って、あの和洋折衷感が瀟洒で耽美的でわたし個人としては萌え転がる大きい要素。
異世界転生やゴリゴリのファンタジー作品を筆頭に、どこかの外国の貴族モチーフ作品を最近では多く読んでいたので、日本の上流階級設定はとっても嬉しー。
もっと供給して欲しいと思ってる今日この頃です。
私の好みはさておき…
この作品について語らせて頂きます^ ^
舞台は先にも言及しました戦前の日本。成長著しい紡績業を営む華族のお屋敷が舞台。主人公はその家の次男で大学生の沙樹、そして彼の側には鉄仮面の有能な執事・相馬がいつも控えています。
主人と執事の恋愛って聞いただけで鼻息荒くしちゃう私なんですが、この物語の作り込まれた背景や事件もすごく面白く、こちらの方にものめり込みました。
BL的には割と最初から始まっていて、相馬への恋か恋じゃないのかに悩む沙樹の心理描写が多め。どうみてもそれは恋でしょ…って思うんですが、沙樹はピュアボーイなのでハッキリとした自覚がありません。
そして沙樹の想い人である相馬は表情の読めない鉄仮面ですが、家族からの信頼が厚く有能な人物です。沙樹をさりげなくサポートする手際も良く、沙樹が好きになるのも納得です。
沙樹の恋心に自覚を起こすキッカケとなるのは、沙樹に近づいてきたある男の存在。沙樹の心にスッと入ってきて、なおかつ沙樹にキスまでしてくるイケすかねぇ男なんですが、彼が沙樹の敵か味方かどうかってところに注目です。そして相馬の方も沙樹の理解を超えた怪しい行動をしていて、彼もまた沙樹の味方かどうか…ってな感じです。
沙樹に近い男たちのラブ展開と、その背後に動く沙樹の家族に関わる事件が絡まったストーリー展開はドキドキハラハラ。シリアスな事件のからくりも面白いですが、沙樹の出自や沙樹の家族の温かさに胸がジンと熱くなる、家族愛に浸れる物語でもあります。
相馬とのBLも、実は沙樹の家族の温かさと見守りとは無関係じゃないんです。沙樹の赤ちゃんの頃から既に彼らのBLが始まっていた…とでも言っておきましょうか。相馬の執着と溺愛ぶりがすごいことが分かりますよ〜
ただ1点。
沙樹の初めてのキスは相馬であって欲しかった…!!(くそっ…)
もうちょっとボリュームがあっても良いくらい面白かったです♪タイトルの「溺愛」もその文言に違わなかったですし…むしろ期待以上でした。
沙樹がこの家の役立たずだと思っていたところも、ちゃんとその進路も考えられていて、2人の今後歩むべき明るい未来が示されていたのが読後感良しな大きなポイントでした。
沙樹が仕事で活躍する姿を見たかったけど、きっと私が頭の中に思い描いている画そのものでしょう。こうして私なりに物語の続きを妄想するのもBLの楽しみの1つとなって久しいですが、そんな楽しみ方を与えてくれるのは、好きな作品に出会えたからこそです。
幸せに満ちた大満足な一冊でした(*´︶`*)
何が好きって攻め受けのキャラとお話!圧倒的な何かは感じなかったので萌2にしました。冷淡風な攻めや、愛され坊っちゃんがお好きな方でしたらよいのでは。本編274頁+あとがき。しかし夢乃先生のお話に笠井先生の挿絵がつくとは!
明治維新後に生糸の取引から成功し、新華族となった鞍掛家に末子として生まれた沙樹。新華族ゆえに華族がいる学校ではいじめられることが多かったのですが、持って生まれた美貌を使えば何とかなるということを発見。親友は作らず当たり障りのない大学生活を送っているのですが…と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
受け兄、祖父(故人)、百瀬(受けに興味ある様子の大学生)、父の愛人と思われる小料理屋の女将、受け両親ぐらいかな。女将もおにーちゃんも大変良いのです。おにーちゃん好きだなあ♡
++好きなところ
お坊ちゃま(受け)がとても可愛らしいのですよ、奥様方。ずっと側に付き従ってくれる相馬との間がギクシャクしちゃったら、なじみの店の女将を頼って外泊させてもらうんです。家の中で煮詰まったら、ちゃんと脱出することが出来るお坊ちゃまなのです。可愛い。(脱出先が両親やらと同類の愛情持ってくれている先ってのも良い)なんだかんだいって捻くれてない方で、きっと赤子の時は天使だったに違いない!と思いきや。やたらめったら扱いにくい赤子だったそうで。それまた可愛い。
で、その赤子の時に見初めて「大人になったら僕にくれ」と受け兄に言ったのが攻め。見初めるの早!そこから一途に二十年近く、大きくなったら執事となり側にいて・・という超長期コース。忍耐強いんでしょうかね?忍耐とも思ってないのかもしれないですね、受けが好きすぎて。鉄面皮で表情少ないし、言葉も少ないし、何考えてんのかさっぱり分からん感じの方でしたが、BLですもの、こいつ絶対どろどろに甘やかすやろと思ってました。(その通りになった)
周りに愛されているお坊ちゃまが、周りに愛されていることを改めて実感し、大人になって攻めとラブラブになる!という感じのお話です。お坊ちゃまが好きな方でしたら是非是非♡夢乃先生のお話に笠井先生!?と思っていましたが、きゃあよろしくてよ?と思う好きなお話でした!
夢乃咲実先生の作品は「遍歴の騎士と泣き虫竜 ~のらドラゴンのご主人さがし~」が最高だと思ってるんですが、その後はなかなかハマる作品は有りませんでした。
今作は萌2ですが殆ど神に近い評価になります。凄く面白かったのとテンポも良かったからになりますが、だからと言って凄くのめり込む程の萌があったかと言うとそれはなかったので神にはしませんでした。
既にタイトルから相馬が誰を想って行動してるのかバレバレなので、切なさはあまり感じられませんでした。
沙樹は箱入り故の世間知らずなので、幼さが際立っていて見た目とチグハグな人物なんです。なので彼に近付いて来た人物の正体に、いつ気が付くのだろうとハラハラが止まりませんでした。
けれども、その人物に対する相馬の不信感や嫉妬には萌えました。鉄仮面の裏に見え隠れする素顔にゾクゾク来たんです。
片や沙樹はトンチンカンな想像をして悩み、相馬への反発からその人物の思った通りに操られそうになるんです。
甘ちゃんめ!と何度思ったことか!この辺の焦らし具合が凄く上手かったです。
ただ、相馬が嫉妬して早々に沙樹に手を出してしまうのと、相馬の後を付けて危険に巻き込まれた沙樹を助けた事により、早めに沙樹に今起きている陰謀を説明する事になります。
変に長引かせないで後半をサクサク進めたことも、読んでいて読後感が凄く良かった理由でした。
相馬の沙樹への執着とか彼を手に入れるまでの根回しが見事だったのと、沙樹が家族から愛され大事にされていたのが凄く伝わって来る作品でした。
ちょっと上手く行き過ぎ感はありますが、事件の顛末もちゃんと書かれていて纏まりの良い作品でした。笠井あゆみ先生の挿絵がピッタリの世界観でした。
笠井あゆみ先生のイラストに惹かれました。
戦前の日本の良き時代のお話。華族家の息子と執事の関係がたまりません。
かといって、小難しい歴史は出てこないので、詳しくなくても雰囲気を楽しめます。
タイトル通り、鉄仮面と揶揄される無表情男が裏ではめちゃくちゃ受けを溺愛しているのがうかがえてよかったです。
タイトルに大変そそられますね!そしてイラストは笠井あゆみ様。昨日から今日はこの一冊を読むぞ!と段取りしてました。
さて、読み始めるとなんだか主人公沙樹が心もとない様子がずっと続いて。
執事もタイトル通り堅物で慇懃無礼で冷たくて、待っても全然溺愛の気配もなく。
父の代からの男爵家で自分は次男。まだ大学生で家業にも関わらず、友達も一人もおらず世間知らずで人付き合いも下手で。
祖父や父や兄のように、その後の人生を豊かにするような友達も作れず。将来やりたいこともなく、うつうつとしてます。
しかも相馬にエロいことされる夢を見ては粗相をして、気まずくて避けちゃって。
これが長い。
そして厄介な自称友人にあれよあれよと体も奪われそうになり…。
うーん、あまり沙樹に魅力を感じません。でも仕方ないのです。学校も華族用のところへ入れられいじめられ。矜持が高いので泣いたり媚びたりもできず。そうやって友達も作れないまま大人になり。保育係も良くなくて人との信頼関係も築けなくて。
家族に大切に大切にされていたのが本人には裏目に出てるとしか思えない。
まあ最後には丸く収まるのですが、全体的にあまり明るいとか爽やかな雰囲気はありません。相馬が一番沙樹のことをわかっていてくれたのは救われる気分です。
大団円をもっと明るく温かくじっくり書いてあったら読後感が良かったかも。