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夢見る乙女だった頃に憧れた設定でもあり、慣れ親しんだ設定でもある…モッサリとした前髪を切り、ちょっと身に付ける物変えただけなのに人目を引く美男子に大変身。
そんな"お約束"がぎっしりと詰まった作品(^U^)!!ベタなのにっ、話の展開が予想できるのにっ、最高に良かった〜。
お話について。(梶本×京一)
設定だけでは無く、ストーリーもThe 王道!
友人の裏切りによりボロボロになった京一が、偶然出会った梶本により救済されるお話。
京一は生真面目だし意地っ張りだし…すぐ自分の殻に閉じこもるので普通の攻めさまではなかなか救えないタイプ(^^;)
ですので今回の攻めさまは、人の話を聞かないゴーイングマイウェイなタイプ。結構、無茶苦茶します。
でも、真剣に悩んだ時にはちゃんと話に耳を傾けてくれるし、単なるオレ様ではなく、傲慢な部分もありますが、それは経験と結果に裏打ちされた自信によるものなので…万事、結果オーライでうまくいく。
これも、頼れる攻めさまの"お約束"。
エロの主導権は常に攻め。エロの支配者的な。笑
そんな梶本に導かれ、開花していく京一は見ていてとてもかわいい。
あー。面白かった♪
ただ…ただ…1つだけ。
こちら2001年にノベルズで刊行され、私が手にしたのは2007年の文庫版。
イラストの金ひかるさんは好きですし、表紙も文庫化にあたり書き下ろされたようでとても素敵。……挿絵が2001年当時そのままなのでしょうね(´-`)ダブルのスーツやズボンのタッグなど…気になる〜。
色々事情もあるとは思うのですが、挿絵もぜひ書き下ろしていただきたかったなぁ(´-`)
本編「チョコレートのように」
書き下ろしショート「Love Fool」
Love FooI、梶本視点のとっても可愛いお話だったのですが、このlove foolってどう解釈したら良いのかな。
愛すべきおバカさん?
愛に(ボケてる、溺れてる)おバカさん?
前者だと受けに対して、後者だと攻めに対してとれる言葉かなと思い、とても気になる。
初回読み終え、モロモロ分かった上でまた読んで二度おいしい。
面白かった。テンポが良かったし、伏線もよかったし、かといってややこしくゴチャゴチャしすぎず、テーマはシンプルで、読みやすかった。
一番良かったのは受けの抵抗かな。何度も何度も違う、あり得ない、と抵抗し続け、抵抗しきれず、怒涛のように巻き込まれていく過程が非常に良かった。そこに来て攻めのあの弱り具合がね~。グッと来ますな。
あとイチイチ脇役が良かったな。悪役から贔屓の店員、果てはちょっと無神経な上司や部下のOLまで。好き嫌い別にして全員生きてました。
ところで、「世界名作劇場」とディズニーのみという攻めのライブラリ。ジブリ、ジブリは無いのか。
読み始めた時は、ひょっとしてありがちなシンデレラストーリー?などと思ったのですが、
散りばめた定番ネタをひちわさんらしく料理してらして、予想外に楽しめました。
エロ多め、濃いめ。ひちわさんお得意の言葉責め。
でもそれだけの作品ではなく、ちゃんと切なかったり可愛かったり。面白かったです。
受…根暗男・京一。友人に裏切られ、半ば身投げを考えていた失意の男。
攻…俺様男・梶本。京一に復讐をそそのかす、謎の金持ち男。
序盤、TPO関係なくギャンギャン吠える京一(受)に若干イラっとしましたが、
それについては梶本(攻)が「おまえは本当にしちめんどくさいな!イライラする!」と
ガンガン気持ちを代弁してくれるので笑、しんどくならずに読めました。
どちらのキャラも、最初は苛ついたり理解しにくかったりするけれど、
読み進めるうちにじわじわ本質と可愛さが見えてくるタイプです。
(序盤の京一は社会人としてコミュ能力低すぎないか、とは思いますが笑。)
特に梶本は素が見えてくると子供のようで、ふっと頬がゆるんでしまう。
ひちわさんはこういうガキ大将みたいな可愛い男を書くのがつくづく上手いなあ…。
「セレブな攻が受をトータルコーディネートして飾り立てる」
というシンデレラ演出はBLの定番中の定番ですが、
梶本は単に京一を自分好みに仕立てたかっただけではなく、
何を狙いどこまで見越していたのか…に気がつくと俄然楽しくなります。
そういう仕掛けがちょこちょこ散りばめられているので、
全部読み終わってからもう一度読むと、裏の心理が透けて見えて二度楽しい。
新装版の書き下ろしは47ページとけっこうボリュームあり。
出会いから半年経った二人のやり取りと、出会いの回想が、梶本視点で書かれてます。
京一にメロメロになってる梶本の内心にかなりニヤニヤ。
出会いの詳しい経緯や、梶本から見た京一の分析に、
本編を思い返してなるほどなぁと感じる部分が多く、楽しめました。
信頼していた同僚、永瀬に裏切られ、ヤケになっていた京一の前に現われたのは、印象的な声をした謎の男、梶本だった。
京一と同じく永瀬に恨みを持つという梶本は、京一の復讐を手伝ってやるというのだが……
書き下ろしSS目当てにノベルズ版から買い換え。
ダサイ眼鏡は磨けば実はカワイコちゃんだった。そんなお約束の上にありながらも、普通のマイフェアレディものに落ち着かない無茶っぷりが好き。
仕事で自分を裏切った親友に復讐するために、橋の上で知り合った男の力を借りて色仕掛け?!
BLファンタジー全開な世界観かと思ったら実はそうでもない妙なリアリティと展開の意外性が素敵です。
傲慢俺様な梶原が実は子供っぽいダメな人っていうのが結構ツボかもしれません。
書き下ろしもちゃんとラブラブで満足な一冊でした。
仕事は出来るが愛想はない、不器用で冴えないサラリーマンの静京一。
信頼していた同僚・永瀬に裏切られ、もう何もかもどうでもいいと自暴自棄になっていたところに声をかけてきたのは、不遜な態度の謎の男・梶本。
「復讐するんだ。──おまえのその手でな」
自分に無頓着な京一さん。
なんと磨けば光る原石の持ち主でした。うん、お約束。
あれよあれよと梶本の指示で身につけるものは上質なものに変えられ、髪も整えられ、眼鏡までも。
そして出来上がったのは、洗練された美人さんなのです。
奴はゲイで、おれは恋人を寝取られた。おれも身投げしたいと思ったことがある。
今度はお前が永瀬を誘惑し、体でたらし込んで夢中にさせて、そして手ひどく捨てるんだ。
そう言い、梶本は京一に男の快楽を植え付けていきます。
いやだいやだと言いながらも体はどんどん梶本におちていき、そして梶本の弱さに触れて心も引き寄せられていく京一。
梶本が好きだと自覚し、けれど仲むつまじい元恋人との写真を発見して、梶本はいまだこの人のことが好きなのだろうと落ち込む。
そして梶本のために永瀬を誘惑し復讐する、と梶本に告げ───。
梶本の正体、思惑。最後はベタベタのハッピーエンド。
もう安心するほどお約束展開満載です。
傲慢だけど京一に一途なところも、お前の魅力はおれが一番わかってんぞ!ってところも、元恋人の正体が実は、といったところも清々しいほど王道です。
難しいのはパス!安心してあま~いお話を読みたい!という方はぜひどうぞ。