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表題作ゴミ屋敷の鎌倉さん

荒井勝義
同じアパートの隣人,とんかつ屋店員,26歳
鎌倉敏
無職の引きこもり,30歳

あらすじ

仕事で心が疲れ、今はゴミ屋敷に引きこもって暮らしている鎌倉。
“あの日”から止まったままだった彼の時間に入り込んできたのは、話したこともない隣人の男だった。

家の惨状から追い出されそうになった鎌倉をかばったかと思うと、自分の部屋に無理やり連れ帰って、あれやこれやと世話を焼いてくる上に、部屋の掃除まで買って出る始末。

冷たくあしらっても酷いことを言っても自分を見捨てようとしない男に戸惑いながらも、なぜか強く逆らうことができない。

「掃除が終わるまでここにいなよ」

おせっかい男とゴミ屋敷の住人の奇妙な運命が、始まる――…?

お人好しな隣人×トラウマを抱えた汚部屋の住人
鬼才の新人が描く、救済と再生のボーイズラブ。

作品情報

作品名
ゴミ屋敷の鎌倉さん
著者
あるくジョー 
媒体
漫画(コミック)
出版社
シュークリーム
レーベル
from RED
発売日
電子発売日
ISBN
9784910526423
4.1

(168)

(79)

萌々

(54)

(27)

中立

(4)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
27
得点
696
評価数
168
平均
4.1 / 5
神率
47%

レビュー投稿数27

現代日本にあるかもしれないゴミ屋敷

ゴミ屋敷の鎌倉さん。
どんなお話なのか?と、非常に印象的なタイトルに惹かれたのですが、現在の日本のあちこちでももしかしたら「あるかもしれない」が描かれた、フィクションなのだけれどちょっぴりリアルなお話でした。
トーンとしては暗め。でもほんのりとあたたかみも感じる作品です。私はすごく好きでした。

ストレス社会日本なんて言葉がありますね。
仕事・家庭・学校…と、毎日様々な場所で嫌でも人と関わって生きていく私たち。
それぞれ性格も個性も異なる人間ばかりですから、どうにも合わない人もいれば、職場や学校が自分にとって辛い環境である人だっていることでしょう。
最高に充実した毎日を送っている人もいれば、もうだめだと吐き出せないストレスを抱えて苦しい日々を送っている人だっている。
職場でギリギリのところまで踏ん張って、踏ん張って、耐えて頑張りすぎてしまったけれど、いつしか心の中のコップからどろどろとした水が溢れて空っぽになってしまった鎌倉さん。

汚くて臭い。足の踏み場がないほどのゴミだらけの部屋。
鎌倉さんのゴミ屋敷は、溜め込んでいたストレスと頑張りすぎた心の中身だと思うんです。まだ気力があった時はきっと分別をしていたのではないかな。
そんな鎌倉さんをひょんなことから半ば強引に部屋から連れ出したのは、同じアパートに住む荒井くん。
彼との出逢いは鎌倉さんにとっては救いであり、荒井くんにとっては自分が過去に言ってしまったことに対する後悔と贖罪でもあるんですね。
これがただの心からの善意で、ゴミ屋敷の住人を自分の部屋に住まわせる優しすぎる人間だったのであればホラーだなと感じますが、きちんと彼の人間くさい理由があったからこそ良かったのだと思います。

ずっと動けなかった部屋から1歩出てみたら、人が作ってくれたおにぎりがうれしくておいしいことに気が付いた。
あれだけいた部屋なのに、もうあそこには戻りたくないことに気が付いた。
2人で部屋のゴミをひとつひとつ掃除する度に、ぐちゃぐちゃだった鎌倉さんの心の整理が少しずつされていくようでした。
鎌倉さんのように前向きになれる人がほとんどかと言えば、そうではないと思います。動けない人もいると思います。
この2人はたまたま相性が良かったのでしょうね。救いのあるやさしいお話でした。

作中の荒井くんと鎌倉さんの何気ない会話が好きです。
色気のあるシーンに関しては、私はなかった方が良かったかな…なんて正直思ってしまいましたが、生を感じさせるという意味では良かったのかも。生きる気力と相手を少しでも想う気持ちがなければ出来ませんから。
ゴミ屋敷から始まる運命なんていうのもありなのではないかなと、そんなことを思った1冊でした。

6

じれったい

 しっとりとエロい。
 絵柄も整っていて綺麗。
 アパートの上下階に住んでる攻めと受け。上の階の窓が割れていることに気づいた攻めが訪れ、掃除の手伝いをしているときにエネマグラを見つけてから受けを意識し始めちゃう。
 絵柄の効果もあって静かな空気なのに、妙にドキドキしてくる色気がある。

 会社に誘ってくれた先輩が途中で出てくるんですけど、その人と身体の関係があったらな〜って妄想してしまった。まあ先輩とそんなことはないです。
 カテゴリ分けを重要視してないと思うけど、ノンケ×ゲイだと嬉しい。

6

胸を打たれる素敵な話❤︎

タイトルから、苦手な闇系か、
思いっきりコミカルなやつかな。
と、最初は全然違う想像をしてたんですけど。

これは実話のコミカライズなの⁇
と、思うくらい
肌で感じるリアルさに感動しながら
見守るような気分で読んでいました。

それぞれに抱える背景が
彼らの発する言葉や、反応する動きからも
伝わってきて、胸を打たれました。

そこから、ちょっとした奇跡みたいな
偶然が重なって迎えるラストは
2人へのギフトって感じで
読んでるこちらもしあわせにしてくれる
すてきなお話でした。

初めてBL出された作家さんなのかな
背景がよく分からないんですけど
とっても良かったです〜❤︎

3

もっと早く読めば良かった…

「ゴミ屋敷」が話題になって久しいですが、まさかこれをテーマにしたBLが出るなんて!

いや〜〜とっても良かった…なんでこれもっと早く読まなかったんだろう。。発売直後に読めばよかったなと思いました(まだ発売から2週間ぐらいですが)。

部屋がゴミ屋敷に至るまでの事情・鎌倉さんの心情や、二人の関係が変わるきっかけとなった攻めの部屋での出来事など、とても自然な流れで描かれていて共感でき、夢中になって一気に読みました。

会社でのパワハラに耐えかね、上司に暴言を吐き退職→ゴミ屋敷に引きこもるようになってしまった鎌倉さん。
あの日偶然野球ボールに窓ガラスを割られ、攻めが気付いて部屋に来てくれて良かった。。と、鎌倉さんと一緒に喜びをじんわり噛み締めました。

実は攻め自身も弟との関係にトラウマを抱えていて、鎌倉さんと出会い深く関わっていくことで自分の後悔と向き合うことができ、結果的に救われていくんですよね。

一方的に甘やかされて助けられて…ではなく(そんなスパダリも大好きですけども!)、互いに必要とし合い、助け合っている関係が尊いなあ…と思いました。

攻めが「部屋が綺麗になったお祝いにいいところを予約するから、また会って」と誘い鎌倉さんのOKをもらった後、一人でこっそりイエス!と拳を握っているのが可愛かった◎

あと鎌倉さんのビジュアルがとても好きです。。リーマン時代もいいけど黒髪長髪がものすごーく似合っててセクシーでときめきました。

2

疲れた心の癒し

デビュー作とは思えない… もっと早く読むべきでした。

ストーリー重視で、重たい内容でもまだ優しさを残しつつ、
その絶妙なラインを綺麗に歩んでいく感じが非常に良かったです。
ヘビー&どす黒いものも大好物なんですが、これはこれで満足。

絵柄も素敵でした。鎌倉さんが美人すぎ!!

♦ ネタバレ ♦
慌ててコンビニでゴムを買って帰る荒井くんと、
ベッドの上でちょこんと照れながら待っている鎌倉さんの姿---
もおおおキュンキュンが止まりませんでした (>w<)♡
そんな可愛い表情で見つめられたら間違えなく襲いますよ!

いつか先生の上下巻BLとかが読んでみたいです。

1

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