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小説
『花降る王子の婚礼』の3巻目。
序盤に今までの経緯が書かれてはいますが、続きものなのでできれば前2冊を読まれてからこちらを読むことをお勧めします。
1巻目は今シリーズの主人公・リディル(受け)のお話。
リディルは魔法国エウェストルムの3番目の王子(諸事情あり対外的には「王女」となっていますが)。
2巻目の「雪降る王妃と春のめざめ 花降る王子の婚礼2」はリディルの長兄のロシェレディアのお話。
そして、3巻目にあたる今作品は、リディルの2番目の兄・ステラディアースのお話です。今巻で、3兄弟のお話を網羅する形になりますが、2巻目も「大団円!」という終わり方ではなかったので(「雪降る王妃と春のめざめ 花降る王子の婚礼2」参照)どうお話が続くのか楽しみに待っていました。
ということでレビューを。前巻も含めてのネタバレがあります。ご注意ください。
魔法国エウェストルムの3番目の王子であるリディアは、武装国であるイル・ジャーナ国の王のグシオンに嫁ぎ、幸せに暮らしている。が、その彼のもとに届いたのは、次兄・ステラディアースの死の危機。とるものもとりあえず、リディアはステラのもとへとはせ参じるがー。
ステラは出生時に身体を持たずに生まれてきてしまった。魂だけの姿のステラを救ってくれたのは、大魔法使いであり長兄のロシェ。繭を作りそこにステラを入れ、命をつないでくれたのだった。が、ロシェもまた身体を喪うこととなり(この部分が前巻「雪降る王妃と春のめざめ 花降る王子の婚礼2」で描かれています)、ステラを守るべき繭を維持することが難しくなってしまった。そこで、ステラの忠実な従者であるゼプトはリディルに救いを求めたのだがー?
前巻までのストーリーで描かれていた部分を存分に生かしながら進むストーリー展開。ここに、ステラとゼプトの2人が紡いできた歴史やお互いを想う愛情や信頼関係が投入されることで、萌えるし面白いし、ハラハラするしドキドキするしで感情がもうとんでもないことになってしまいました。
リディルはもちろんステラを助けたい。
そして、そこに因子としてさらに加わるのが、リディルが愛してやまないグシオンとのやり取り。あんまり書きすぎてしまうとネタバレになりすぎちゃうので詳細は書きませんが、様々な伏線が上手に回収されながら進むストーリー展開はさすが尾上先生といったところか。
今シリーズで一貫して描かれているのは様々な愛情の形です。
それぞれのCPの間で生まれる愛情はもちろん萌えが滾る。お互いを守りたい、ただただ、「彼のために」と奮闘する彼らの姿には萌えしかないわけですが、それだけにとどまらないところが最高なんです。家族愛とか、仲間たちとの信頼関係とか、形こそ違ってもそこにあるのは確かな、深い愛情です。これがもうもう…!と悶絶しっぱなしでした。
今作品で初登場となるステラの従者・ゼプト。
彼がいい…!今シリーズにはナイスガイがたくさん登場しますが、個人的にはゼプトが一番癖に刺さりました。従者、というところが萌えツボだったかも。ほかの攻めさんたちは圧倒的な強者のオーラをまとっている人物たちなので、ちょっと毛色が違うんですよね。
こういうシリーズものって、巻数が進むごとに萌えとか面白さが半減してくるものもありますが、今シリーズは巻数が進むごとに面白さも萌えもアップしている気がします。ロシェも今作品には登場していますが、まだ続きそうな予感しかせず、というか、続いてくだされ!と思う展開なので次巻を正座して待ちたいと思います。
そして忘れちゃいけないyocoさんの挿絵。
最高。
もうこの言葉しか出てこない。
絵柄が美しいというのはまあ当たり前として、とにかく作品の世界観にぴったり。これでもかと読み手に魅せる手腕に圧倒されまくりでした。
丸ごと1冊萌えと面白さしか詰まってない。
大好きなシリーズで絶対面白いだろうなと思って手に取りましたが、その予想をはるかに上回る、最高すぎる神作品でした。
尾上与一先生って凄い作家さまだと思うんですよ。とは言ってもこのシリーズと「初恋をやりなおすにあたって」くらいしか読んだことがないんです。
でも類い稀な文章力を持った作家さまだという事だけは分かりました。
しかも構成も素晴らしくてご都合主義的に単純にお話が進まないところと、ファンタジーという世界の情景を匂いや風の流れと一緒に伝えて来る力が凄いです。
そしてグシオンやリディル、ヤエルの言葉遣いがそれぞれのキャラクターの魅力になっているのも特徴だと思います。
今作ではリディルの兄である第二王子ステラディアースとお付きの騎士ゼプトの強い絆を知ることとなり、ステラの命の危機とグシオンを狙った脅威から彼を救う為に「虹の谷」を目指すことになるんです。
「虹の谷」に向かうと決めるまで何回泣かされたことか!www
イスハン王と長兄のロシェレディアの時よりも泣いたかもしれません。そのくらいステラとゼプトのお互いを思い合う気持ちが切なかったです。
プラトニックなところが激萌でした。
そして、最後にリディルがとあることを思った時点で終わってて、その辺りが凄く気になるのとステラとゼプトのその後とか、グシオンを狙った犯人と黒幕もそのままなので続きが早く読みたいです。
だいたい1年毎に新作が出てるみたいなので、来年の夏頃には読めたら良いなと思います。お願いします!
今巻が発売されるに当たって、今まで読んでいなかった既刊分2巻を含め3巻まで一気読みしてきました。
巻を追うごとにどんどんその世界観に引き込まれていく素晴らしいシリーズ作品。毎度の読後感が最高です。
今やBLにおけるファンタジー作品に魔法要素はメジャー化しつつあり、やり尽くされた印象すらあるんですけど、この作品の世界は、王道の部分もありかつ斬新さも兼ね備えたオリジナリティに溢れ、魅力ある設定と見応えある場面展開が絶品です。
ストーリーの行方が予期できないドキドキ・ハラハラの感情面に訴えかけてくる内容と構成が見事。ファンタジーならではのスケールの大きいシーンと、神秘的で繊細なシーンのコントラストもまた非常に画面映えしていました。
このシリーズは、グシオンとリディルのBLという枠に捉われず広い見方が出来るのが面白いですね。
1巻こそ2人の物語に終始していましたが、2巻はリディルの一番上の兄・ロシェレディア、3巻はリディルの2番目の兄・ステラディアースにスポットを当てた物語展開になっています。
主線はイル・ジャーナ国のこと、リディルとグシオンのことですが、リディルたちが抱える問題解決にリディルの兄たちが関わってきます。
リディルたちの話でありながらも、兄たちの物語にもなっているんですよね。オムニバス調の形式をとったロシェレディアとステラディアースのそれぞれの愛のエピソードがなんと素晴らしいことか…。
今巻は一番のミステリアスな存在だったステラディアースのお話だったので、感慨深く読ませて頂きました。
はぁぁーー…切なくて悲しくて涙出ました…
ステラディアースの生き様、置かれた状況があまりにも過酷過ぎて心痛めずして読むことができませんでした。ステラディアースに纏う悲壮感の中において、彼に付き従う騎士のゼプトとの信頼と献身が非常に美しく描かれています。
一点の曇りもない、想い想われる2人の静かな恋心に私の気持ちは大きくそして激しく揺さぶられました。
グシオンとリディルに降りかかる国難を乗り越えながら進んでいくストーリーは、グシオンとリディルの夫婦愛の話に留まっていないのがこの作品の奥行きの深さだと思います。今巻は特に色んな愛の姿が露わになっていました。
グシオンとリディルの夫婦愛、ヤエルも加わった家族愛、嫁いでいっても絆が深い兄弟愛、慈愛と献身に満ちた主従愛……どれもが素晴らしかった。
2巻でも思いましたが、リディルたち兄弟を中心にした大きなファミリー感が良いですね!
婚姻によって国と国との繋がりが広がり、そして義弟・義兄の関係がすごく良好。シーンとしては少ないですが、家族でワチャワチャッとしてるとこなんかはホッコリさせてもらいました^ ^
国レベルでも、個人レベルでも困ったときにはすぐに手を差し伸べ助けに行くフットワークの軽さもテンポが良くて大いに楽しめました。
毎度スッキリ終わる読後感良しな作品ですが、完璧に見えるエンディングの中に少しだけ不完全さを残した終わり方が、次へのストーリーを予感させます。
この世界の魔法は完全無欠のシロモノじゃなく、大魔法使いの称号を以ってしても無理難題な課題があるから面白い。大魔法使いになることがゴールではなく、むしろそこからが始まりというかね。大魔法使いだからこそ直面する課題の難易度が上がった気さえします。
リディルの修行物語のような側面もあり、彼の成長を見届け応援するのもこの作品の推しポイントかな。この作品を彩る色んな愛の形を堪能しながら楽しんで欲しいと思います。
大好きな花降るシリーズの最新刊です!
このシリーズ、本当に美しい…情景が浮かびます!映画かアニメのように、頭の中に映像が浮かぶ感じがします。
今回は2番目のステラ兄様のお話でした!
2巻でちょっとだけ登場してましたが、儚くて世間知らずでお城オタクなステラ兄様に会えてとっても嬉しかったです。
イル・ジャーナ皇帝ご夫妻もアイデース皇妃も相変わらずの大活躍…はらはらドキドキして最後まであっという間に読み終わりました!
イスハンがスヴェントヴィト手にしてるから、グシオンも神の心臓手に入れないとなーと思ってたのですが、この展開は…この呪いは…いいのか悪いのか…でも、グシオンのトラウマが軽くなったと思うのでよかったのかなぁ…
ラスト!こ、これはイスハン、期待できるのでは?頑張って!リディル!
ステラ兄様のこの先と、アイデース皇帝ご夫妻のお話も読みたいです!
つい先日積んでたこのシリーズを読み始めたらもう夢中になりすぎて夢に出てきました。すんごい世界観。どうしてこのような設定を思いつけるの?と驚くばかりです。作家さんは本当にすごい。
こちらは3きょうだいの2番目のお話。1番この世に生存しつづけるのが難しいから、どうやって留めておくのだろうと思ってハラハラしました。繭って、繭自体が脆いのに、その中の人が更に脆いって怖い怖い。
途中、呪いが発動して大事な子と大事な存在が入れ替わっちゃうところは、何事もなくて良かった…と胸を撫で下ろしました。yoco先生の挿絵が物語の世界観にぴったり合っていて、挿絵が他の方だったらここまでハマらなかったかもしれないなと思うほどです。
グシオンとリディルCPも好きですが、イスハンとロシェCPが1番好きなので、少しでも出てきてくれて嬉しかったです。