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表題作人生はままならない

フレッド・ディルク・アヅナカルン,フィディの従者
フィディ・ミシュエル・ワイズバーン,ワイズバーン伯爵家の四男,17歳,

その他の収録作品

  • 続・人生はままならない
  • フィディの巣箱
  • あとがき

あらすじ

自分はα(アルファ)だと信じて生きてきたのに、本当はΩ(オメガ)だと発覚した伯爵家の息子・フィディ。従者のフレッドと共に僻地の屋敷に追放され、ふたりきりの軟禁生活が始まる。失意に暮れるフィディだったが、献身的に支えてくれるフレッドの存在に救われ、「主従の垣根を超えて同じベッドで眠ろう」と提案。しかしその意味を履き違えたフレッドに、熱烈に求められて……!? わんこ従者と鈍感主の性教育ライフが幕を開ける。

作品情報

作品名
人生はままならない
著者
伊達きよ 
イラスト
カワイチハル 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784403525889
4

(58)

(23)

萌々

(22)

(9)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
15
得点
233
評価数
58
平均
4 / 5
神率
39.7%

レビュー投稿数15

ままならない人生をどう生きるか  



元剣奴の従者と伯爵令息の人生ままならない話


αだと思って生きてきた。
Ωだと判定された伯爵令息フィディ(受け)は即学校を退学させられ、辺境へ従者のフレッド(攻め)と共に送られます。
さぞかし家族に落胆され憎まれているだろうと落ち込むフィディでしたが、何もない辺境でこれからどうやって生きていくか考える時間はいくらでもありました。
本だけはたくさんある上、忠実な従者がフィディの興味のありそうな本をいくらでも用意してくれるのです。

中編2篇と短編1篇の3篇になります。
前編では2人が番になるのを決め、フィディがこれからの目標を決めるまで。
後編は何故か辺境に送られてから一年以上経つのにまだ番契約してない2人が、やっと邸に戻り父の本意を知り、ままならない人生もまた面白いと言えるまで。

途中フレッド視点が少し入りますが、ほぼフィディ視点で話は進みます。


初め、Ωとわかった途端のこの待遇に驚きました。
今までさんざん可愛がってきたのに、自分の奥さんだってΩなのになんでこんな扱いできるんだろうと不思議でした。
でも、世間的にはそれが普通なようで、フィディ自身もΩと診断されるまではΩを劣等種だと思ってたようです。

前編は前半は登場人物は2人だけ。途中までフィディ視点なので閉塞した世界でずっと2人で暮らしています。フレッドの態度に何者かがやってきてるのではと思わせる時もあるけど、かなり鈍感というか純粋無垢なフィディなので不審に思うこともなく、穏やかに過ごす毎日。
話にしか出てこない父親は本当に見限ったのか。と思いながら読んでいましたが、そんなことなかった。良かった。
憎まれてもいいから、フィディを守りたい一心だったのがわかってよかったです。


フィディが頼るのは今も昔もフレッドだけ。
寂しさに一緒に寝てもらおうとするのですがフレッドは盛大に勘違いしていて。
でも、あれは仕方ないと思う。フレッドは悪くない。あんなふうに言われたそりゃ勘違いするわな。理解した時の絶望たるや。
フレッドに同情するやら楽しいやら。

フィディの 性教育の失敗には笑いました。
キャベツ畑の赤ちゃん並みです。
そして、実地で教えてと言った後のフレッドの行動は笑えるくらい早かった。

最終的に鈍感すぎるフィディが恋心を心の病気と勘違いするのには可愛すぎて怖いくらいでした。どうやったらこんな青年ができてしまうのか。
でも、αだと育てられたこともあり堂々としなければならない時はちゃんとできて、結局とってもいい子なんですね。

ただ、Ωだったことで落ちんてるだろうと
悪役になることを覚悟で何も言わずに僻地へ追い出すように連れていかなくても、Ωとか関係なく愛してるよって言ってあげた方がフィディの精神衛生上良かったと追うんだけどなー

前半最後のフレッドのタイトル回収。
人生ままならないけど満足していますという言葉がで、フレッドのフィディに出会えたよ喜びが伝わってきます。


フィディ視点だからわからなかったけど、実はすんごくモテてたフィデイ。
フレッドは気が気じゃなかっただろうな。
従者の立場では伯爵のOKが出るまでは我慢するしかないと思ってただろうし。

後編ではピンチもあったけど、終始2人がラブラブだからそこの心配はいらなかったし、家族からの愛は揺るぎないし、フィディのやりたいことは準備できたしで、
今度はフィデイが人生はままならないけど面白いと言えるまでになって良かった。

短編の巣作りならぬ巣箱には笑いました。
フレッドは、可愛くて可愛くて仕方ないだろうなと、ニマニマしました。

フィディはとても正直で素直に自分の気持ちを言うので、言われたフレッドは毎回大変だと思います。


振り回されるフレッドをデフォルメで書いて下さったカワイチヒロ先生の口絵が私の読んだ時の心の絵と同じで、とっても嬉しかったし楽しいです。ずっと眺めていられる。

悲壮感あふれる最初の衝撃から、ずっと甘々な毎日と覚悟やピンチもあるけど、フレッドが蹴散らしてくれる安心感と、皆の愛。
とても楽しいお話でした。

0

可愛い主従

従者フレッド×主人フィディ

フィディはアルファだと自分を信じて生きていたのに、検査結果はオメガだった。兄達は全員アルファで、自分だってそうだと信じていたのに…。結果がわかった途端、辺鄙や土地の屋敷に従者フレッドと幽閉されて…。というお話。

可哀想な受かと思いきや、皆んなからとっても愛されて天真爛漫な箱入り坊ちゃんな受さんでした!逞しくて鈍感可愛くて個人的にツボでした笑
フレッドは坊ちゃん命で優秀な従者。彼には秘密があるのです。賢いわんこっぷりが良い!
そんな2人の面白い幽閉生活をぜひ見ていただきたいです!あと小話で巣作りがあるのですがめちゃくちゃ可愛かったです…!

1

相手の存在を敬い愛し合う感じが素敵だった!

屈強で筋肉分厚いのに受の前でだけワンコ!な金髪攻めであまあまのエロエロで伊達きよさんなら最高しかないと思い購入しました。
攻めが剣奴になる経緯はちょっと強引ですが、フィディの天使っぷりがフレッドの胸を打つシーンにはグッときて涙が出ました。この人の為に生きようと誓うだろうなと。
そしてフィディも一度は性別判定で精神的に地に落ちたものの、自由に育てられたことを最後に感謝するのが良かったです。

あまあまで舌足らずにフレッドと◯液を求める(自分から溢れるのにも泣く)フィディがエ口くて最高でした…
性に疎いフィディに「今ので子が出来ましたか」と揶揄うの可愛エ口。
二人とも二人しか見えてないのだけど絆が強固で、王子と従者であっても、フレッドの「あなたの言葉だから泣けるんです」という歳の差関係なく全身で存在を敬い合って認めているところが本当に素敵だった。

1

可愛いお話

「人生はままならない」第二性がある世界で自分はαだと信じて生きてきたフィディだけど、検査結果はΩ。それまでの生活にさよならして、元剣奴で従者のフレッドと領地の端の荒地で暮らす事に。
これだけ聞くと悲惨だしフィディの落胆が大きいのは当然。なんだけど、フィディの持ち前の明るさや前向きに頑張る姿は微笑ましいし、フレッドの献身には感心する。何より恋心を自覚してからが可愛くて、フレッドはある意味大変だなぁと笑ってしまった。
フィディは壁に当たる度に悩むんだけど、フレッド始め家族みんなが応援してるのが心強いし、自分で道を切り拓く強さが素敵。
フレッドの境遇もしんどいけど、フィディって天使に出会って献身的に尽くしたからこそ得られた幸せだと思う。
いわゆる運命の番だと思うけど、それ以上の絆で結ばれた2人に心温まりました。面白かった!

1

攻めを無自覚に煽る受け

伊達きよ先生が初めてディアプラスから本を出すと知って楽しみにしていました!
ボリュームが嬉しい全332ページです。

α従者×Ω主のオメガバースものです。

まず、攻めと受けの容姿の描写が素晴らしい。
攻めはエメラルドグリーンの瞳、長年剣を使っているから手のひらが硬い、体中傷跡だらけ…という偉丈夫。
受けは栗色の髪、碧色の瞳、桜色の頬…と個人的に攻め受けともに理想の容姿でした。


伊達先生の書かれる受けは「幸せになりたいオメガ、騎士に嫁ぐ」もそうなんですが、すごく前向きな性格で応援したくなるタイプなんですよね。
攻めは「幸せになりたい〜」が質実剛健で寡黙なタイプで、こちらは穏やかな大型犬に見せかけた狼タイプ。
オメガバースものだけど、全然違った作品なのでどちらもおすすめです。


前半は受け視点で、後半に攻め視点。
性に疎い受けに手取り足取り腰取り性知識を教えこむ攻め。
後ろをほぐすシーンが丁寧に書かれていて、攻めのむっつり加減を楽しむことができます笑

後半の攻め視点で従者になるまでの経緯が書かれていますが、幼少期の受けがめちゃくちゃ可愛くて天使。そりゃあ一生守り抜くって決意しますよね。

あらすじだけ読むと、Ωだと知って打ちのめされるけど、前向きに自分に出来る事を探す健気な受けのお話だと思いきや、受けに出会うまで波乱万丈な人生だった攻めが自分の居場所を見つけたお話でもありました。

他の方のレビューにもありましたが、基本的に丁寧な言葉遣いな攻めが、理性が限界な時に受けを呼び捨てにしたり敬語が取れたりするのがめちゃくちゃ萌えました……

伊達先生の分かりやすい文章と、素敵な挿絵もすごく良い。ページをめくるのがもったいなくなるほど、楽しい幸せな一冊でした。

ただ、同時収録の続編は本編に比べて登場人物が増えるので、二人のラブラブ度がちょっと足りないなぁと思ってしまいました…。
もしかしたら続きを書かれるかも、ということなので次はもっとラブラブな二人が見たいです!

4

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