日本最大級のハイブリッド書店
表題作は、人間そっくりな人形を作って売ってるお店の店長と、彼に一目惚れした俳優のラブストーリーです。他に、5つの短編が収録されています。
面白かったのは『ツヨクカワイクタクマシク』です。
苛められっコの瀬戸内の一日は、自分の机がないことから始まります。隠したのは、苛めっ子の甲斐です。瀬戸内が甲斐に泣きつくと、しょうがないな~と大量のプレゼント(甲斐曰く、金が余ったから)と共に、机を返してくれます。それを密かに喜ぶ瀬戸内。
実は、瀬戸内は喧嘩も気も強いのに、甲斐が好きなのでわざと苛められキャラを演じていたのです。
そんな時にやって来た転校生の黒川。瀬戸内を守ろうと頑張りだすのです。
そんな黒川に、大切な儀式を邪魔されたことや、甲斐をやられたことに怒って、本性を現した瀬戸内がおかしくて萌えます。それを見てビビッてる甲斐も。最後には、「浮気したら殺す」と可愛い笑顔で言う瀬戸内がツボです。
他は、妄想が好き過ぎる高校生や、人間抱き枕の話など、バラエティ豊かな1冊です。
いつもの三島先生らしく、男前な受けです。(表紙右が受け)
人間そっくりな生きる人形を作る真宮と、そんな真宮に一目惚れした若手人気俳優・小林のお話。
先の方も書いている通り、表題作は攻め受け共に人間なので、あまりファンタジーといった雰囲気はありません。
ツンツン男前な受けが押せ押せ元気っ子な攻めにほだされてデレるところにニヤニヤします。
一番好きなシーンは、真宮が小林から押し付けられた小林自身のポスターを店にこっそり貼っていたのが小林にバレて照れるシーンです。
なかなかデレない男前な受けがデレるのって良いですよね(笑)
表題作の「真宮生体人形店」は、依頼主の希望通りに普通の人間と変わらない人形を作るお店を舞台にした話です。作る側である店主と作られる側の人形がカップルかな?と思いきや。アイドル似の人形を依頼した父親に着いてきた息子が店主にひとめぼれして恋が始まるという流れでした。生体人形ということで現実にはありえない話なので、ファンタジーを選んだけど、全体的にはファンタジーというよりラブコメって感じです。
正直絵があまり好きになれなくて全体的に入りこめなかったけど、この本に集録されている「good awakening to the master」という話はわりと楽しめました。
設定は表題作と少し似ていて、主人公が買い物に行ったら新型快眠抱き枕を発見。体験コーナーに行って見てみるとなぜかその新型快眠抱き枕なるものはどう見ても生身の人間で裸の少年。
新型快眠抱き枕のセリフで「自分は枕なのに他の客は枕以外の使い方をするからイヤ」みたいなのがあって面白かったです。