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前作ハイドランジアケージで謎多き雨情の叔父としていた朝陽がついに登場。
シークレットノートの双葉の実家も絡んでいてよくここままでの大作に仕上げて練り上がられた素晴らしい作品です。受けのトトキの名前がとても不思議だと前から思っていたけどちゃんと意味があり、今作で色々と謎が解決されていきとてもスッキリしました。小さいヨヒラが丁寧に描かれていてとても可愛かったです。
前作2作はシーモアで購入してましたが、がっつり白抜きで白けたので、今作はRentaで購入しました。R18ぐらいがっつり見えてましたので大満足です。
"運命の番"を主題にしたオメガバース作品は数多くあれど、これほどまでに胸が苦しくなった作品はありませんっっ!
Ωの命に制約をかける"運命"のストーリーが、何と苦しく切なく痛いことか……運命に翻弄されるαとΩの行く末から目が離すことができませんでした。
既婚のαが、あるとき運命の番に出会ったら?
しかも、体を繋げたΩが運命により命の制約を受けるようになってしまったら?
オメガバース作品において今まで見たことのない世界観が、これまでの私が抱いてきた"運命の番"のイメージを一転させました。
運命の番の持つ唯一無二のドラマチック性は、ポジティブな側面が多く描かれていることが多いと思いますが、この作品は少し独特で、運命のポジティブさとネガティブさの両極面からアプローチをかけたストーリーになっています。
運命によって"もたらされた"関係なのか、"狂わされた"関係なのか、ここがこの作品で注目すべきポイントだと思います。
運命に出会った高揚感もあれば、それまでの生活を裏切る背徳感もある。それらの板挟みに加え、身体を交えた運命の番であるΩの命が、αとの接触なくしては生きていけない身体になってしまったことで発生した責任感もストーリーには重要な部分です。
勢いで身体を交えてしまった朝陽と土々岐はまさに運命に人生を狂わされたといっても良いのですが、運命に出会って感じ始めた幸福感には明らかにポジティブな意識が働いていて、運命の持つ陰と陽の側面に感情が狂わされる2人の姿が健気に映りました。
2人が出会えてよかったね、と思うシーン。
2人は出会わなければ良かったんじゃないか、と思うシーン。
運命の番で、しかも惹かれ合っている2人だからと言って、幸福が保証されているわけでもないんですよね。朝陽には壁の厚い妻がいるわけですし。
朝陽の土々岐に対する気持ちが義理や責任感じゃなくなってきたところから、八方塞がり感が強くなってきて心臓がずっと痛くてどうしようもなかったです。はー…苦しいぃぃ〜…
上下巻構成ならではのじっくりと描かれるストーリーは濃密で、だからこそ切なくて苦しい気持ちをガンガン抉ってきます。
"運命"が2人に課したもの、2人の辿る未来は……と気になって仕方ありません。特に下巻へと続く終わりは衝撃でした。
この作品はシリーズものらしく、オリジナル等々あるらしいのですが私は未読でした。それを知らずして読みましたが、読んでなくても理解はある程度出来ます。描き下ろしには、シリーズ作品のカップル(雨情×四葩)のお話が収録されているので、読んでからの方がより楽しめるかもですね。
今作オンリーの私でも下巻を欲するくらいにはハマれるのでオススメですよ!
朝陽(α)×止々岐(Ω)
天宮快晴と天宮雨情の叔父が主人公となる、
『シークレットノート』と『ハイドランジア ケージ』のスピンオフ。
『ハイドランジアケージ』の時から、
気になった雨情の叔父と彼の恋人、
そして2人の子供・四葩のお話。
隠されていた2人の真実の愛が
明らかにされる超重厚な上下巻が、
胸の痛みを感じつつも、
中に広がるほんわか温かさに涙が溢れる。
ただ普通のαとΩらしい恋さえできない、
運命の悪戯がどう動くのか、
その答えを知るためにページをめくる手が震える。
メガネ真面目な朝陽が、
Ωを診る医者の父がお金を取らないから貧乏で、
地味な日常が続いて、
父の病院の支援のために天宮家の婿入りになる。
その後、運命の番・止々岐との出会いが訪れて、
どうしようもなく拒めないエッチしてしまい・・・
運命の番とエッチしなければΩは死んでしまう現実に直面するから、
朝陽が止々岐の命のために、
止々岐がヒートの時に2人がエッチすることになる。という展開。
友達でもないセフレでもない恋人でもない、
名前のない関係での
愛のない行為なのに、
朝陽の独占欲が加わって、
恋愛とは一線を画しているように見えるけれど、
2人の距離感や心の変化から、
どこかでお互いを愛していることがわかる。
ちなみにゲームシーンがトロトロの連続でかなり萌える!
止々岐、
妾の子として生まれて、
母が亡くなった後に父の華道の家に、
腹違いの義兄とのイヤな事情のせいで
妊娠できなくて、
いろんなαとの関係に身を任せて、
愛が理解できない日々を送っていた。
不憫で不憫で痛いのだ。
そんな彼が朝陽と出会って、
運命の必然性が感じられ、
拾ったΩの子供・四葩との生活が、
2人の関係に少しずつ変化をもたらすのも見どころ。
最後に四葩への決断が止々岐のとっては大きな葛藤でしょう。
止々岐のことが好きだけど、
運命の番としての強烈な気持ち、
不倫での良心の呵責、
それに実家の病院のための金銭的な問題に揺れる朝陽。
朝陽のこと好きだけど、
朝陽が既婚者で、
Ωなのに完全じゃないということに自己卑下があって、
強がってツンツンした態度をとる止々岐。
2人の関係が切なくもどかしくて、
こっちまで脳内が乱れてしまう。
恋人になることが叶わない・・・
もっと早く出会えたらいいのに・・・
ただ普通の恋を望む気持ちが湧き上がりながらも、
その望みが次第に薄れていく進行で、
朝陽の2人のための結断に心が重苦に苛まれる!
下巻へ続く。
「シークレットノート」と「ハイドランジアケージ」からこちらの作品に続いています。
未読の方は、Legatoで「ほわっ⁈」となるかもしれません。
この作品だけでも楽しめますが、是非前作も読む事をオススメします。
先生のあとがきに「野心の無い脱力系αがえっちで綺麗なΩに翻弄されまくる…はずがとても厄介な話になりました。
とありました。
本当に…そんなお気楽な感じのαとΩのお話ではありませんでした。
厄介も厄介…。
厄介なところを説明する腕がありませんので、とりあえず上巻で気になった箇所は…
トトキとの絡みがあった樹師範代!
樹!ですって⁈
遠縁の身寄りのない子を引き取った⁈ですって⁈
いや〜もう凄い運命が絡まり合っちゃってて…凄い…としか言いようがありません…。
そして、上巻はとんでもないところで続きます……早く下巻を読んで幸せになりたい…です。
シークレットノートから始まったスピンオフ作品。
まさかここまで続くとはーーと思いつつもハイドランジア ケージの内容的に、今回の二人の話があっても可笑しくはないなと前作の時に思ってました。けどこんなにも深いというのかある意味人間のリアルを見たような気がしました。
朝陽が主体で始まっている今作。視点が朝陽だったからこそ感情移入も出来たし、ページをめくるごとに次の展開にドキドキしました。
それにシークレットノート、ハイドランジア ケージ、の二人も上下で登場し、下巻ではヨヒラの本当の幸せにもたどりついたのではないかと思いました。